2008.07.29
KIP080724「Symbian Foundationにみるケータイ開発環境のゆくえ」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
2008年07月24日(木) 第2593号
日刊! 関西インターネットプレス
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■本日のコラム「Symbian Foundationにみるケータイ開発環境のゆくえ」
木曜日担当:関西デジタルプレス「デジ・プレ」編集長 野々下 裕子
週末の連休にとんでもない暑さにやられて、すっかり夏バテ&冷房病モー
ドになってしまったNonoshita です。それにしてもこの熱気以上に暑さが
つづいているのがiPhoneにからんだケータイ市場のお話。一般のニュース
でも毎日のようにネタになってるのはすごいもんですよね。
さて今回はiPhoneではなくそのライバルにあたるSymbianのネタをば。今
月17日に東京ウェスティンホテルで開催されたSymbian Summitに参加して
きたのですが、その内容はとんでもなく豪華。展示会をはじめメインセッ
ション+セミナー×2+技術解説という充実ぶりで、どの会場もほぼ満席
というすごいことになっておりました。
今回このイベントに参加した目的はケータイOSでは60%以上のシェアを
占めている老舗Symbianが、iPhone、Androidといったもろもろの新参者O
S登場でどないなことになっているのかが知りたかったから。でも本音の
ところは先月末に飛び込んできた「Nokia がSymbianを買収!」「既存参
加企業とSymbian Foundationを設立!!」について、そこんとこどうなっ
てるのよ、ってなあたりが知りたかったからなのでした。
そもそもSymbianは英国企業ではありますが、1998年にNokia、Ericsson、
Motorola、Psionらが共同で設立された企業だったりします。その後も参
加出資する企業がころころと入れ替わってたりするのでややこしいのです
が、Nokia が買収する時点ではPnasonicやSiemens、Samsung Electronics
らが共同出資しております。
そんな状況にあるところに、Nokia が他の出資企業が持っている株をお買
い上げするという事実上の買収を提案。とはいってもSymbian の名前は当
然ながら残さないと意味がないし、他の企業との関係も崩したくない。と
いうわけで「Symbian Foundation」という形でもって既存の出資企業は設
立メンバーとして位置づけられて、さらにその他の企業の参加も受け付け
ますよん、という形に向かっているようです。
なもんで会場では当然ながらこの「Symbian Foundation」に対する説明や、
参加企業の新たな決意を聞けるのでは…と思っていたのですが、あまりに
も突然の話だったせいか、出てくる話はすでに発表済みのだいたいのとこ
ろの話と、参加企業の宣伝、でもってお祝いのメッセージ程度のものばか
り。まあ、正式発表は来年を予定しているようですから、現時点でくわし
い話ができないのは仕方のないところでしょうか。
とりあえず現時点でSymbian Foundationについて大まかに発表された内容
としては、企業の参加価格を抑え目にして、今後は無償化を進めるという
こと。もちょっとくわしく説明しますと「Symbian Partner Network(SPN)」
というのがあって、そこでは土台となるOSにのっかる3つのユーザーイ
ンターフェイスである「S60」「UIQ」「MOAP(S)」をSymbian 側で開発し
て、オープンソースとして提供しますよ、というもの。
もうひとつNokia 本体が以前から強く打ち出しているエコシステムの実現
を目指すというのも大きなテーマらしいのですが、やっぱ今の時点では注
目を集めはじめたAndroid やiPhone、でもってLinuxのLimoや(こちらも
混乱しまくってますが…)、Windows Mobile当たりをも意識した体制づく
りを目指している、というのが大きなポイントといえそう。
しかして、こうしたSymbian Foundationの発表は確かにインパクトはある
のですが、ふと冷静になってみると開発メーカーやユーザーの要望、市場
の方向性なんかを考えると当然の流れにも見えたりします。世界中で携帯
電話市場は飽和しつつあって、買い替えのタイミングでしかパイをとりあ
えない状況になっている。そこで勝つには「今持っている端末をサービス
以外の面でどれだけ引きつけられるか」が大きな鍵になるわけで、方向性
としては多機能、高性能に向かうしかない。とすれば、土台はさておきそ
こに乗っかる新しいものをいかに多くの人達に開発してもらえるかをOS
側が配慮するのは当たり前といえるわけです。
乱立するOSに対し、端末メーカーがOSの特性を活かしつつ、キャリア
独自の仕様をのっけて開発していかなければならないという状況について
は多機能・高性能を追求するには限界がある。実際、富士通やNECの発
表では、「メーカーが開発環境を維持するには限界があり、Foundation側
が開発コストをどれだけ負担してくれるかに期待したい」というような泣
きを入れる場面もしばしばありました。とにかく老舗のオープンソース化
がどこまで端末メーカーのモチベーションアップにつながるかは気になる
ところであります。
さて展示会場のほうではもう少し未来のケータイみたいなものが見えるか
と思ったのですが、さすがに現実的で技術的にも専門的な内容ばかりでし
たね。「音声認識技術」や「高速画像表示」ぐらいは理解できたのですが、
端末のテストシステムとまでいくとさすがにお手上げ。とりあえず全体か
らは携帯電話は本来の機能からずれまくって、やっぱ将来的にはパソコン
やPDA とかにとってかわる情報端末になっていくのだなぁ、という流れを
ひしひしと感じたのでした。
そのあたりはSymbian Foundationとがっつりタッグを組んでいる NTTドコ
モが“インターネットのケータイ化”というキーワードを発表して注目
を集めていたようですね。個人的にはこの際ケータイだけの新しいネット
ワークの在り方を模索するべきでは、とも思ったりするのですが、iモー
ドを推進してきたドコモだからこそケータイ独自路線は難しいことを一番
実感してるのやもしれません。とかいいつつSymbian Foundationを土台に
iモード路線を巻き返してくれたらちょっとおもしろいんですけどね。
とにかくケータイのゆくえは、しばらくはそんなに変わらなさそうです。
[今回の検索キーワード]
Symbian/Symbian Foundation/Nokia/ケータイOSのオープンソース化/
・Symbian Summit Tokyo 2008
http://www.symbian.bz/summit2008/home/index.html
【プロフィール】
野々下 裕子/ののした・ゆうこ
連休はひさしぶりに買物ざんまいだった関西デジタルプレス=「デ
ジ・プレ」編集長。さすがに着るものがなくなったところにバーゲ
ンシーズンということを思い出して、いろいろ見て回ったものの、
今年の夏物にグッとくるものが見つからず。とりあえず船場にてシ
ョールもろもろの小物を手に入れて、GAP Woman で肌ざわりのよい
ジーンズをゲットできてほっとしました。しかして心斎橋の商店街
ゾーンはえらく工事中の建物ばかりでびっくりしましたよ。でもっ
てあの不二家がイートイン形式のセルフカフェになってるのもびっ
くり。これは他のお店でもやってほしいなぁ。てなことで、たまに
はIT以外のこともチェックせねばと思ったKIPコラム&ブログへ
の感想は「nono@digipre.com」宛にてよろしくであります。
●お知らせ
Cocoaでtouch! SafariでGo! Osaka
http://iphone-dev.jp/modules/pico/index.php?content_id=2
iPhoneで動作するネイティブアプリケーション開発やiPhone向けWebサイ
ト制作の勉強会を開催します。今回は初心者を対象に、Xcodeなど制作に
必要なツールや、アップルが提供しているiPhone関連情報を中心にご紹介
します。iPhone関係の開発や制作に興味がある方は、お気軽にご参加くだ
さい。(参加費無料)
※本イベントは公開イベントのためiPhone SDKの内容そのものに触れるこ
とはございません。
日時:2008/7/30 水曜日 19:00〜
場所:アップルストア心斎橋
http://www.apple.com/jp/retail/shinsaibashi/
【KIPカレンダーはこちらのURLからもご覧いただけます。】
http://www.google.com/calendar/embed?src=immqifkol7qr07e67gil1l0iso%40group.calendar.google.com&ctz=Asia/Tokyo
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「日刊! 関西インターネットプレス」http://www.digipre.com/kip
発 行 関西デジタルプレス http://www.digipre.com
発行人 野々下裕子 kip@digipre.com
配信協力 まぐまぐ http://www.mag2.com/
bloguru.com http://www.bloguru.com/kip
講読の変更・解除 >http://www.mag2.com/m/0000000122.htm
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
(c) Kansai Digital Press. All rignt reserved.
シ友達にメールで教える
ニュース・情報源ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ
(C)まぐまぐ