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2008.03.22

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-----------第二百八号-21/03/2008-------
考える・参加する・何かできる・・そんな為のヒントが
こっそり詰まった、世界中から届く"お楽しみ"です。
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<<<今号の内容>>>
この音と一緒に・・・Rockin' in the free world
「 独自独創 」- アレ好きコレ好き・・・noblesse
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この音と一緒に
Rockin'in the free world / Neil Young (1989)
http://www.neilyoung.com

音や楽曲にまつわるできごとを紹介して行く連載です。
「この曲を紹介」にて書いた作家のものも、紹介しきれ
なかったものも登場します。

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歌い続けている男といえばニールだ。脳梗塞をやり
損ねたとかなんだかであったが、先日ロンドン公演
を展開してみせたというではないか。怪物みたいな
姿で写真に納まって、新聞に出ていた。若い時分
には美形と呼ばれる機会を逃し続けたであろうが、
今は大層に味わい深い形相をしている。

英語を発音しようが、西洋音階で歌おうが、電気で
音を増幅する楽器を操ろうが、ニールがやっている
ことは、羽生善治(棋士だ)の指摘した、才能という
観点で珍重するに値する、「平凡な(とはいえ、ここ
では、平凡に見える、という内容だ)ことを淡々と続け
ていくこと」という、何だか筆書して欲しくなることに
思えて仕方ない。ポーズだの演出でその姿を形
作ってみせているのだとしたら、奴はやはり、怪物
なのだ。あの姿が演出の末のものなのではないのだ
としたら、淡々となにかを続けることは怪物級の人間
のやることなのだ。

近頃、御自分様の存在の大きさを過信しているひと
ならよく見かけるが、ニールのように「やり続けるしか
ない」とだけ考えているひとを検出できることは減った
と感じる。ニールのこの歌は1989年の作で、そこから
そうシャカイだのニンゲンに変化が生じた気はしない。
そうなるとニールは、歌い続けたところでどうにもなら
なかった自分を晒している訳で--自分の歌を喜ぶ
お客をどう見ているのだろうか。

自由な世界だ。勿論、己の存在の大きさを信じるも
よし、歌い続けるもよし。だが私は、立派そうな成功
者ではなく、怪物と化してなお潔く見えるニールを
支持したい。・・・とはいえ、パリ公演を見逃して
しまった。俺を拝んでいる場合ではないぞよ、という
ことか。

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「 独自独創 」- アレ好きコレ好き

48. noblesse
=====
このところつとに減ったものといえばこれではないか。
辞書意味通りに貴族階級などというものととらえれば
確かにそれも減ったに違いないが、むしろこの語を
ここでは、気品と訳したい。資金繰りの調子よさでも
なく資産の多少でもない。そうかといえば、清貧など
という教義とも少々異なる。最も使い古された表現に
なるが、カネで定量できぬもの。

どれだけ丁寧な言葉を使おうが、これを漂わせるには
至らぬこと多々、しかし逆に、何を語ろうが少々荒く
振舞おうが、これを振りまいてしまうひとも居る。
とある追悼文集を読んでとある人が感想を漏らして曰、
「面白いひとのことを書いた追悼文は面白い」と。
なるほどここに横たわるものと同様の原理を適用して、
気品を備えた人のことを文にしようが写真に捕らえよう
が気品は出てしまう、と考えてもよさそうだ。

このご時世だ、気品の存在を感知することは諦めると
するか。それにしても気品の存在を消極的に認識(
気品と程遠い言動が、気品をまるで影のように浮かび
上がらせる)させられることは辛い。非常に消耗する。
この消耗から回復するには、やや下品な手ではある
が、カネをバラまくとよいように思う。カネは、気品を
つくってくれやしないが、気品を踏みにじるものに蓋
をしてくれる。

ヘッセが作中でシッダールタに言わせた「wisdom 
cannot be communicated」のwisdomとは、或いは、
気品を指してもいる。また、ベケットがやはり作中で
示した「the tears of the world are a constant 
quantity」というときのtearsなるものも、気品のこと
であったかも知れない。気品はどこで育つだろう。
ニンゲンの数は増え続けている。気品はどこに隠れ
ているだろう。


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感想・質問・意見・投書はお気軽にどうぞ!お待ち
いたしております。

AVANCE! --考える種--
21/03/2008 発行・第二百八号
発行責任者/編集・伴真伊・ima19_at_bigfoot.com

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