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サキさんのチェンマイ日記


2008.02.21

サキさんのチェンマイ日記


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■510■ 2月21日 2008

「冬の離宮」
 

フラワーフェスティバルが開かれる今の季節は、チェンマイでは一番花の美しく
咲き誇る季節です。

ドイステープにある王宮(BHUBING PALACE)が一般に開放れているというニュ
ースを聞き、出かけました。この王宮はロイヤルファミリーの冬の別荘として造
られたものです。常夏の国タイにあって、チェンマイは北部に位置する関係から、
冬の寒さを味わうことができる貴重な場所です。

タイで一番高い山ドイインタノンや、2番目のドイアンカンなどは冬の間、霧が
でて寒い朝にはセ氏5度以下になることがあります。寒さを求めてバンコクから
沢山の旅行者がチェンマイ経由で高い山に登ります。

僕も、家の近くにあるアマリリンカム・ホテルが主催するラリーに参加してドイ
アンカンに登りました。急坂をいくつも乗り越えて到着したリゾートホテルでは、
暖炉が燃えさかっていて驚きましたが、それほど寒く、翌朝は毛布を2枚掛け、
その上にベッドカバーを掛けても寒さがしのげなくて驚いたことを思い出します。

高い山は平地では想像もできないくらいすがすがしい毎日が続きます。だから、
今の時期ドイステープの頂上付近にある離宮は、花を咲かせるには絶好の気候で、
特に今は花が咲き乱れると言う感じになっています。

この時期、王室ファミリーが滞在していいない時は一般に解放しています。あれ
だけの百花総覧が見る人がいない間に散ってしまうのはいかにももったいない感
じがします。

案内で8時半から4時半まで毎日開園しているとの情報で出かけましたが、ドイ
ステープのお寺を過ぎて離宮の入り口に着いた時は午前11時32分、チケット
売り場には係の女性はいるのですが、時間が過ぎたので午後1時まで待つように
言われました。普段は昼休みをとらないタイの官庁の例にならえば、昼休みは存
在しないはずです。

事実入り口でもらったリーフレットには、開園時間が明記されていますが昼休み
はありません。注意をしてみると、チケット売り場の案内看板は、新しく取り付
けたようで、僕の推測するところでは、ごく最近昼休みをもうけた感じです。昼
休みは11時半から午後1時までです。

昼休みの1時間半をどう過ごすかが問題です。出がけにテレビを見ていた家人が、
なかなか腰を上げなかったのがいけなかったのだと、不理仁な怒りをぶつけます。
家人もこのタイでは珍しい杓子定規に疑問を持って、再度窓口に行って交渉しま
したが、頑として時間が来るまで待うに言われます。たった2分です。

さて、こんな山奥でどうして1時間半を過ごすのか、思案を巡らせました。駐車
場の下方になにやらビニールハウスの様な建物が何棟か見えます。何か珍しいも
のがあるのでは、とも覗いてみることにしました。ここはカセサート大学の植物
実験場で、主にシダ類を栽培研究している施設だという案内看板があります。

無人なのを幸いに中に入ってみました。多数のシダ類が栽培されています。中に
は今まで見たことのない巨大なシダが茂っています。高山でなければ栽培できな
い種類のようです。周りは湿気をと保つために、散水装置が作動しており水浸し
です。巨大な竹も茂っています。敷地の隅には大きなプールがあります。ここで
は水は貴重で、こうして雨期の雨や、山からしみ出すわき水を貯めている様です。

しかし、ここの見学もしばらくすると飽きてしまいました。元の入り口に戻って
周りを見渡すと、近くに土産物屋の様な店が何軒か並んでいます。覗いてみまし
たが、山岳民族の衣装や、簡単な手作りの工芸品だけです。これはチェンマイ地
方ではよく見かける土産物ですが、チェンマイ在住の我々には新鮮さにかけます。

待ち時間の間に夫婦で話す会話はすぐにとぎれてしまいます。真昼の太陽を避け
て、木陰にベンチを見つけ座って時間を待ちます。入り口からは午前中の見学者
がぞろぞろと出てきます。広い園内を徒歩で見学する人は、昼休みが来ても一斉
に出てくるとは限らない様です。この光景を見ていると、昼休みの存在がますま
す無味に見えてきます。

無為にこのまま午後の開園を待つよりは、日を改めた方がいいのではないかとい
う会話になるほど、ここには全く何もありません。昼休みの存在を知らない人た
ちが、次々と登って来ます。大半は乗り合いトラック・ソンテウの客ですが、自
転車をこいでこの高地まで登ってくるヨーロピアンもいます。車で一気に上って
来た僕に比べて、何倍も時間と体力を使って登って来るのはさぞ大変な努力と、
強い意志がいるだろうと思うと、想像はどんどんふくらんで、地球温暖化の問題
に行き当たります。

自転車はヨーロッパで盛んな乗り物で、これはガソリンをまき散らして疾走する
アメリカに対するアンチテーゼではないかと思われます。エコロジーを大切にし、
車も小型車が発達してエネルギーの節約を心がけます。イタリアのフィアットな
どいう車は、大人4人が乗れる設計ではありませんが、ローマでは平気でぎゅう
ぎゅう詰めで4人が乗っている光景に出会たりしました。こうしてエネルギーを
節約しているのでしょう。

しかし、それは短絡した見方で、慢性的な駐車場不足の街では、大型車には乗れ
ない事情があります。こんな道路事情から、公共交通が発達し、人々は車を捨て、
電車やバスなどの公共交通を使うようになります。その決断にはそれほど強い決
断はいりません。ちょっとした意識の変革で充分です。

ヨーロッパは小国の集まりで、普段の行動半径はそれほど大きくないようです。
一方、広大な国土を持つアメリカでは、自動車を手放すことは、僕など想像もで
きないくらいの生活の不便を覚悟しなければなりません。

そんな事情を抜きにして、地球温暖化防止のため、排ガス規制を一律に語っても
それは空論に過ぎないのではないかと言う考えに行き着きます。その昔、ロサン
ジェルスでもう90歳くらいになる老人が、危なげな運転で車に乗っているのを
目撃しましたが、同行のアメリカ人の友人が「あの年になっても自分で車を運転
しなければならないのは、人生の負け組だ」といったことを思い出します。日本
ではまだ負け組、勝ち組などという話がないかなり昔のことです。公共交通の発
達しないアメリカでは、今でも状況はそんなに変わらないでしょう。

家人は車を運転しません。だから彼女のお気に入りの街は、公共交通の発達した
街です。今まで住んだ経験のあるところでは、東京、香港、サンフランシスコな
どです。これらの街は、公共の乗り物が発達しているので、街中に住んでいる限
り自動車は不要でしょう。ヨーロッパの街は、彼女がきっと気に入るだろう未知
の魅力を秘めています。

タイも、車を降りることは不可能に思えます。バンコクには、一部地下鉄や高架
鉄道が走っていますが、まだ車を捨て去るまでには発達していません。前首相タ
クシン時代に手をつけた、公共交通の整備(メガプロジェクト)は、今度発足し
た新政権でも継続するようですので、近い将来バンコクが車のいらない街に変身
することを夢想しています。そうでなければ、慢性的な混雑と、空気汚染から逃
れるすべはありません。

物事を考えるのは、一方的な見方ではその真実を見抜けないと思います。複眼の
思考が大切です。自分の立場や、考え方を声高に語っている間は、ものの真髄に
は迫れないものだと言うことを肝に銘じなければなりません。

時間が来て、切符を売り出しました。時間は12時57分、3分はやめです。だ
ったら昼休みの2分過ぎに到着したことに気を利かせてくれればいいと思います
が、そのあたりがタイのわからない部分です。

離宮の中は、長時間無為の時を過ごして開園を待った甲斐がある美しさでした。
バラの花が今を季節と咲き乱れています。200種類のバラが一同に集められて
栽培されていると言うことです。中には珍しい希少品種もたくさんあるというこ
とです。

広大な園内は、ゴルフカートを使った遊覧サービスがあります。料金は300バ
ーツ。ちなみに入園料はタイ人10バーツ、外国人50バーツです。園内一周に
は50分か掛かります。

11カ所のビューポイントは停車して説明があります。園内に散在する建物は、
ロイヤルファミリーにまつわる建物と、そのゲストハウスですが、それぞれに花
の種類を異にした庭園が付いています。主にバラが多いのですが、タイの珍しい
ランなども咲き乱れています。

広大な離宮は数多くの維持管理するスタッフが働いています。その精進が夢のよ
うな花園を作り上げ、満開の花で埋め尽くしています。こんな花園が市内から
30分ドライブの場所にあることは、心を豊かにしてくれます。今度は季節を違
えて来てみたい場所の一つではあります。







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