2008.07.31
サキさんのチェンマイ日記
■529■ 7月31日
「ナイトバザー」
まだまだあります、タイの便利グッズ。
足裏マッサージは、今や世界的なブームですが、タイ・チェンマイでも盛んです。
先日久しぶりに市の中心「ナイトバザー」に行きましたが、去年の台風で屋根が
吹き飛ばされて、壊滅的な打撃を受けたと聞いていましたが、すっかり新しく立
て直されて、以前の雰囲気が全く失われてしまっていました。ここでも足裏マッ
サージがあちこちで行われていました。
聞くところによれば、新しい建物は、賃貸料がかなり高くなって、テナントが思
うように集まらず、そのせいで見た感じも閑散としています。やはりこの種のバ
ザールは、雑然とした雰囲気の中に、一種独特のにおいを醸し出すのが魅力的だ
ったので、ちょっと残念な気がします。
テナント料があがって、入店できなかった店は、従来の建物の裏手にあった駐場
のスペースに、大きなテントをつなぎ合わせた広大な場所で営業をしています。
しかし、平面になった分だけ雰囲気が損なわれて、今一歩、古いナイトバザーを
知っているものとしては、物足りなさを感じます。
売っているものは、従来とあまり代わり映えしない品物です。
同じような商品を、ところ狭ましと並べているのも同じです。何か変わったもの
がないかと注意して見ると、買い物に来ている人というか、そぞろ歩きをしてい
る人の、人種がおお変わりしています。従来からヨーロッパや、東ヨーロッパの
聞き慣れない言葉が氾濫していたチェンマイのナイトバザーですが、最近はアラ
ブ圏の人が多いのに驚かされます。
それも、黒布で全身を覆い、顔は眼の部分だけを細く出している人たちです。今
までイスラムの人というと、マレーシア、インドネシアの人たちは見慣れていま
したが、彼女らはスカーフで髪を覆ったり、スカーフもつけない、開放的な服装
をしている人たちを見慣れている僕にとっては、全身を黒い衣装で覆ったイスラ
ム圏の人の団体を見ると、ちょっと異様な感じに陥るのは、無理にないことかも
しれません。
宗教的な制約としても、高温多湿のチェンマイで、あの服装をしているのは、相
当な克己心がいるのではないかと想像してしまいます。それも全身、足首まで見
せないという徹底さに、裾は引きずっている状態で、それが土むき出しのチェン
マイでは、埃や、泥をかき集めている感じで、泥やほこりが裾について決してき
れいとは言えません。聞くところによれば、彼女たちは不意の雨が降っても、決
して衣装の裾を持ち上げるということをしないと言います。
宗教に根ざした民族衣装だと言ってしまえばそれまでですが、ここまで徹底する
と、少し変な気がしてくるものです。新聞などによれば、近づく北京オリンピッ
クにも、イスラム圏からの、女性の参加は極端に少ないということです。人に肌
を見せることがタブーであれば、近代オリンピックへの参加もそれだけ厳しくな
るのは、否めなせん。
僕がイスラム圏の本格的なバザールを見たのは、もうずいぶん前になります。訪
れた当時のイランでは、ハーレビー国王の最後の時期でしたから、もう30年く
らい前になります。
思い出すと、当時も世界的な不況で、唯一産油国だけが経済力を誇っており、世
界中のセールスマンがイランに集合していると言われた時代です。今と状況が酷
似しています。ホテルはどこも満室で、ブックするのが大変でした。テヘランは
土漠の中にできた町で、北から南へ、なだらかな傾斜の町だったことを思い出し
ます。
どこを見渡しても色彩がなく、建物はすべて薄茶色に塗られていました。ここで
は当然女性はすべてイスラムの衣装で、黒い布で全身を覆った人たちが沢山歩い
ていました。特に、町の中心地にあるバザールを訪れた時は、そんな衣装のイス
ラムの女性ばかりで、やはり世界中どこでもショッピングに興味を持つのは、女
性が主、などというごく当たり前の感想を持ったことが思い出されます。
そのとき、眼の部分だけを細く出した、イスラムの衣装を着た女性の目が非常に
きれいで、思わず写真を撮ろうとしたら、ちょうどそばを通りかかった、ペルシ
ャ絨毯を背負った、ひげだらけの男にカメラをたたき落とされそうになりました。
アラブの世界では、写真を撮ることは、魂を吸い取られることに等しく、僕の行
為はタブーだと知らされました。
その時は、イスラムの女性達を、イスラム圏で集団で見ても、黒ずくめの女性達
は、それほど奇異には感じません。それは、僕が今アラブ圏の国にいるのだとい
う強い自覚があるためでしょう。気候も関係しているかも知れません。乾燥しき
った空気の中では、案外暑さを感じないのかも知れません。しかし、チェンマイ
で見る、アラブの女性は、普段見慣れていない分奇異に感じ、あの服装ではさぞ
暑かろうと、同情すらわいてきます。傍らの、髭もじゃらの男性は、半ズボン、
半袖のT−シャツの砕けた格好だけに、その不公平にちょっと違和感を強くしま
す。対比して、チェンマイの女性の開放的な服装よ。
そんな団体さんが行き交うそばで、サンデッキを持ち出して、足裏マッサージを
している人が沢山います。観察すると、ここの客には、イスラムの衣装を着たご
婦人は、やはり一人もいません。足首だけではなく、彼女たちは足裏を人に見せ
ることもタブーのようです。露天の足裏マッサージは雨期の今、急に雨が降り出
したらどうするのだろうと、変なことを心配したりします。
そんなイスラムのご婦人にもお勧めしたいのが、写真の小さな器具です。チーク
ウッドでできたこの器具は、自分で足裏をマッサージできる優れものです。これ
と、足裏のツボを示した絵図があれば、どこでも、いつでも手軽に足のつぼをマ
ッサージすることができます。
ナイトバザーを歩き回って、アラブの女性もさぞかし足が疲れて、マッサージを
してもらいたい心境にあるのではないかと想像します。そこを我慢しているのか、
それとも、マッサージを受けた経験が全くないため、その快感をご存じないのか
はわかりませんが、人間の欲望というものも、人種が変われば欲望の種類も変わ
ってしまいものかも知れません。
禁断の木の実ではありませんが、マッサージの気持ちよさを知ってしまった僕な
どは、とてもその欲望を捨て去ることはできません。1週間に一度が習慣になっ
てしまいました。それとも、イスラムの女性には、僕がうかがい知ることができ
ない、その他の欲望や、快感がきっと存在するはずと、強く信じて疑わない、そ
んな感じがして仕方がありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■「サキさんのチェンマイ日記」
ホームページ では、写真入りのバックナンバーをお読みいたます。
http://newsaki.at.infoseek.co.jp/index.html
■お便り、ご感想お待ちいたします。
newsaki12@mac.com
お便りは、すべてBBSにて公開いたしますのでご了承ください。
■購読登録、解除は下記ページで。
http://www.mag2.com/m/0000010601.htm
シ友達にメールで教える
行政・政治・地域情報ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ
(C)まぐまぐ