2008.05.27
【出たっきり邦人 欧州編】757 番外編・イギリス
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のんきぃのんの回顧的ロンドン駐在妻らいふ
その36
「お土産にまつわるホンネのお話」
海外にいると、日本からの出張者の方によくお土産をいただきます。
どれもありがたいものなのですが、なかには「うーん、やるなぁ」とうなりた
くなる、気の利いたお土産をくれる人がいます。
たぶん、こういう人は駐在経験者。
日本にいるときにはなかなか気づかない、海外生活ならではの「つぼ」な食品
(ええ、絶対に食品です)を買ってきてくれるんですねぇ。
海外にいる人を訪ねるとき、たいていの方はお土産を用意するでしょう。
軽くて腐らず、それでいて日本を感じて喜んでもらえるものを。
どれにしようか、どの人もとても気を遣うはず。
。。。すみません、そのお気持ちをありがたくいただき、なおかつ「いただくも
のに難癖をつけるなんて」というご批判を覚悟で、お土産をもらう側の本音の
話をこれからさせていただきます。
ちなみに私が「何がいい?」と聞かれたときには、「カステラ」と答えることに
してます。なぜなら、空港に必ず売っていて、値段も重さも負担にならない範
囲。そして、とっても日本を感じる味だから。
今住んでいるタイ・バンコクの日本人エリアには、恵まれたことに日本人向け
の図書館があるので、ありがたく利用しています。
先日、「カステラ・カステラ」という子供向けの薄い本を見つけて、つい手にと
ってしまいました。
私がロンドン時代からなんとなく心に留めていた疑問を、この本がすっかり教
えてくれました。
カステラは長崎に入ってきたポルトガルのお菓子だというのは良く知られてい
ますが、名前の由来はたぶん、「カステーリャ」地方からなんだろうなぁ、と思
っていたのです。やっぱりそれが第一候補。第二候補は「お城」の「カステロ」。
ロンドンで美味しいお菓子に本当に飢えていたとき、近くのお店で「マデイラ・
ケーキ」なるものを見つけて、大喜びで買ったことがあります。
外見が、カステラそっくりだったからです。
しかし、食べてみてがっかり。
しっとりしたあの日本のカステラとは似てもにつかない、これはまさしく「フ
ェアリーケーキ」ではありませんか。
フェアリーケーキはイギリス人は好むのでしょうが、日本人はあまり好きでは
ないかもしれません。なぜって、水分がなくてぱさぱさな感じだから。
それを「軽い」という意味で「フェアリー(妖精)」と名づけているんですね。
マデイラ・ケーキのマデイラとは、イベリア半島の先の風光明媚な島の名前で、
イギリス人が大好きなリゾート地でもあります。
たぶん、「マデイラ・ケーキ」と「カステラ」は、源は同じポルトガル菓子だっ
たに違いありません。
しかし、一方はイギリス人好みのぱさぱさフェアリーケーキ風に。
そして他方は、日本人好みのしっとりスポンジ風に。
そう、たとえ「洋菓子」と名前がついていても、日本にあるお菓子はみんな、
当然ながら、日本人の口に合うように改良されているものです。
だから、それは正確には外国のものではありません。
外国が発祥の、日本のお菓子です。
本当に日本人の口にあう洋菓子は、実は日本にしか売っていないのです。
で、何が言いたいかといいますと、ヨーロッパに住んでいた頃、お土産にいた
だくものは、みんな「和」のものばかりでした。
筆頭は、佃煮。漬物。それに羊羹。和菓子に干物。お茶漬けの素。
海外に住んでいるのだから、特にヨーロッパにいれば洋の本場なのだから、洋
のものは間に合ってるはす。やっぱり「和」のものが喜ばれるだろう。
そういうご配慮はいたいほど分かります。
どれもありがたいものなのですが、しかし、当時私は幼児を抱える若い世代。
これが日本にいるのなら、そういう若い世代の家庭にお土産に持っていくのに、
佃煮とか、お茶漬けの素とかを選ぶでしょうか。
海外にいるのだから、というフィルターがかかってしまい、日本にいたときな
ら気がつくような、相手の世代とか、家族構成に応じた選択というものが見え
にくくなってしまうのかもしれません。
本音をいえば、2,30歳代の女性が海外にいるからといって、急に佃煮好きにな
るわけではありません。この世代なら、佃煮よりは洋菓子のほうが嬉しい。
日本でもらって嬉しいものは、海外にいるときにはもっと嬉しい。
しかも本当に美味しい洋菓子は、日本にしか売っていないのですから。
和のお土産も、たまにいただくにはとてもありがたいのですが、くださる方は
そのたびに違うのに、やっぱり毎回毎回、同じようなもの。
日本の味には本当に飢えているだけに、がっかり感はより大きくなります。
もちろん、先方にはそんなこと口が裂けても言えませんが。
では、実際に、世代別、家族構成別に「もらって涙が出るほど嬉しい」お土産
をあえて具体的にあげるなら、こんな感じでしょうか。
もちろん、個人の嗜好はさまざまなので一概に言えませんが。
独身男性なら:
新発売のビール、おつまみ、新作カップラーメン、新刊週刊誌
子供のいる家庭向けなら:
ポッキーなどのお菓子、スナック菓子。新発売の珍しいものならより喜ばれる。
若い女性向けなら:
選ぶのなら、和菓子よりは断然洋菓子。
よくもらう佃煮セットや和菓子などは、比較的上の世代の方に差し上げるのな
ら、とても喜ばれるに違いありません。
ロンドンにいた頃、友人が来るたび頼んだカステラを大切に冷凍保存して、近
所の奥さんたちを呼びました。みんな大喜びで集まってきました。
ある一人が、しみじみと言いました。
「日本にいるときはさ、カステラなんてそれほど大喜びするお菓子じゃなかっ
たのよね。どちらかというと地味な感じでしょ。」
うんうん、とみんな。
「でも、海外にいるとその価値が分かるよねぇ。このしっとりしたスポンジ。
これはやっぱり、日本でしか買えないよ」
今度海外に出張する機会があって、お世話をしてくれる若い駐在員家庭に何を
お土産に買おうか迷ったら、ためしに一度、美味しい洋菓子の詰め合わせを持
っていってみてください。
「この方、デキる」
と先方の奥さんに感心されること、請け合いです。
のん
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◇◆次回は5月30日(金)ギリシャ・スパルタから配信予定です◇◆
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