2008.06.26
【出たっきり邦人 欧州編】765 イタリア
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
□■□■□ □■□■□
■□■□■ 出たっきり邦人・欧州編・2008・06・24・765 ■□■□■
□■□■□ □■□■□
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
◇◆乙編◇◆
〓イタリア・ヴェネツィア発〓
水、ゆらりゆらり
その28
知られざるイタリア
まず、配信が遅れたこと、お詫び申し上げます。
6月に入っても雨がちで、なんだか日本の梅雨みたい、例年なら6月はもう真夏
モードなのに・・・と言っていたら、先週末から突然、真夏を飛び越えて猛暑、
熱射病に注意という暑さになりました。暑くて暑くて、何もやる気にならず、
思考も完全停止。それで配信が遅れた言い訳をしているわけではないのです
が・・・。
先々週末、プラハを旅行してきました。今となっては涼しかったプラハがなつ
かしい!詳細は拙ブログに延々と綴っているので興味のある方はそちらをのぞ
いていただくとして、つくづく感じたのは、同じ観光地としてのイタリアとの
違い。公共交通網の発達とその使いよさ、公衆トイレなどの衛生度、人々の対
応・・・イタリアは日本とは比べてはならないのは最初からわかっているにし
ても、「世界の観光地だから仕方ない」とあきらめて、この現状に甘んじている
イタリア人や、それに慣れている自分に、疑問を感じました。
住んでいると、ついつい、イタリアってほんっとにダメ!・・・なことばかり
目についたり、書いたりしてしまいます。何を、どこをとっても、世界のトッ
プ、いや、標準からしても遅れていることばかりで、「世界一」を誇るのは、世
界遺産の数くらい。
ところが、これがまさにイタリア、と思うのは、何もかもダメダメみたいな国
なのに、時々、わりと不思議なところで、「世界一」とか「世界初」とかいうこ
とがあったりします。たいていは、突然変異みたいに現れた、強い信念を持つ
人が主犯。一歩間違えればヘンな人、ですが、ずばぬけた能力に高い人望と実
行力で、「ありえない」とか「絶対に無理」ということを推し進めていってしま
うのです。
ヴェネツィア出身の精神科医、フランコ・バザリアも、まさにそんなカワリモ
ノな1人。
私がイタリアに留学しようと決めたころ、だから2000年のことだがイタリア通
の友人がある日「イタリアって、精神病院を廃止したから、町中にアブナイ人
がいっぱいうろうろしてる」と言ったことがあります。
そういえば最初の留学先、ペルージャ外国人大学の校舎の1つは、確か「元・
病院」だったし、ほかの町でも「元・病院」が学校関係の施設に再利用されて
いることが多い、となんとなく気づいたこと以外、その日から今まで、私のイ
タリア生活で特にその問題を考えることはありませんでした。
その改革を推し進めたのが、このフランコ・バサリア。
精神を病む人々を、閉鎖病棟に押し込めるのではなく、地域の「センター」で
ケアをしながら治療する。ベッドに縛り付けたり、外からカギをかけた部屋に
閉じ込めるのなんて論外、それぞれの根底にある問題も含めて、その人そのも
のを尊重しながら、社会に適応できるように手を貸す。そういう発想です。
1つの病院を改革するのは、頑張ればできるかもしれません。が、驚くべきこと
にこの人の信念は多くの人を動かし、1978年、とうとう「精神病院廃止」の法
律まで実現してしまったのです。
簡単なことではありません。法律の制定はもちろんのこと、実践にはさまざま
な困難が伴います。法律施行から30年、バザリアの精神が受け継がれ、大きく
花開いたところ、あるいはまだまだ、理想と現実は遠いところ。
そんなイタリアの現状を取材し、昨年から今年にかけて、週刊金曜日に「精神
病院をぶっこわした国イタリア」という記事を連載した日本人ジャーナリスト、
大熊一夫さんが、昨24日、ヴェネツィアで「バザリア賞」を受賞されました。
「バザリア賞」は、フランコ・バザリア財団とヴェネツィア県により創設され
たもので、国境を越えてバザリアの志を伝える調査や研究に対して、その研究
資金として与えられます。
大熊一夫氏は、元・朝日新聞記者、自らアルコール中毒者を装って潜入した精
神病棟の内情をつづった「ルポ・精神病棟」をはじめ、精神医療、老人医療問
題など扱った記事、著作で知られています。このイタリアの調査を、週刊誌連
載にとどまらず、改めて1冊の本にまとめる計画に、財団の期待がこめられた
ようです。
料理やファッションだけでないイタリアと、ハイテクやアニメだけでない日本
の、一風変わった交差点でした。
それではまた次回。
萌香
ご意見、ご感想をお待ちしております。
moeca-ve@hotmail.com
日々の生活はこちら:http://fumiemve.exblog.jp/
◆次回は6月27日(金)オランダ、アイントホーフェン郊外から配信予定
です◇◆
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【北米・オセアニア編】【中南米・アフリカ編】【アジア編】
【出戻り邦人】もよろしくね
◇◇◇詳細は下記のHPで◇◇◇
http://www.geocities.jp/detahome/
各種問い合わせ先:detahou@hotmail.com
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
電子出版 :出たっきり邦人【欧州編】
<まぐまぐID:0000023690>
発行協力 :まぐまぐ http://www.mag2.com/
発行責任者:欧州編ライター一同 連絡先:oushuhen@hotmail.com
H P :http://www.geocities.jp/detahome/
BBS :http://b.dklog.jp/detahoubbsの末尾に1024/を書き足してくだ
さい。
登録・解除:http://www.geocities.jp/detahome/
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
シ友達にメールで教える
行政・政治・地域情報ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ
(C)まぐまぐ