2007.11.16
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* FK * FK ――学校をめぐるコメント・コラム集 * FK *
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第187号 2007年 11月 16日(毎月1・16日発行)
目次
**学校をめぐるコメント**
494.『「学力世界一」がもたらすもの』
**日々雑感**
585. 読書・所感−2007年11月前半
**最近読んだ本から
――――――――――――――――――――――――――――――――――
**学校をめぐるコメント**
494.『「学力世界一」がもたらすもの』
(佐藤学 NHK出版 2007年 \950)
(2007年11月 8日 木曜)
元フィンランドの教育大臣オッリペッカ・ヘイノネン氏と佐藤学氏との対談
を中心に編まれた本――『「学力世界一」がもたらすもの NHK未来への提
言 オッリペッカ・ヘイノネン』。
この内容にはあらためて驚かされる。何か突拍子もないことをしての「学力
世界一」ではないということに気づかされて。ごく当たり前のことを当たり前
のように実践した結果だということに愕然とさせられる。
一体、この日本という国の今は何をしているのかと慨嘆させられるのだ。
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(深刻な不況下にあったフィンランドで)
企業に投資したとしても、その企業はいずれ他国に出ていってしまうかもし
れない。しかし、人という資源に投資した場合、その人はそこにとどまる可能
性が高いのです。
わたしは、不況から抜け出すには人という資源に投資するのがいちばんよい
方法だと思いました。(P.13 ヘイノネン)
【やはり国家百年の大計は教育にあり、だ。もっとも日本人の場合、他国へ逃
げないまでも裏切ってしまう人は少なくないのだが。とまれ不況対策には公務
員の増員と教育への投資、か。】
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圧力がそこに加わると、うまく機能しないのです。
なぜなら教育には自由が欠かせないからです。学ぶということは大変繊細で、
個人的で、また非常に複雑な事柄です。わたしたちは、それぞれの現場、つま
り生徒、教師そして校長に任せるべきであり、阻害してはならないのです。と
いうのも、最も重要なのはモチベーションだからです。教師の意欲、生徒の学
習意欲、それこそが核心なのです。厳しく管理すれば、モチベーションが失わ
れ、結局何もかもがだめになってしまうのです。(P.26 ヘイノネン)
【教育行政のあり方が説かれている。条件整備・管理がその職務なのに教師や
生徒を管理することと勘違いしているのが今の教育行政だ。そんな中でわれわ
れは窒息していっている。当然、モチベーションもあったものではない。
そんなことを分かった上でやっているのだから、たちが悪い。罪が重い。】
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教師が政府を信用しない。そして政府も教師を信用しないといった事態は国
にとってきわめて深刻な問題(P.29 佐藤)
【しかし、大衆はそうは思わない・気がつかないということ。】
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ヨーロッパのなかにはフィンランドの政策が民主的に立案されること――た
とえばわれわれが生徒や生徒組織と定期的に話し合いをもち、彼らの考えを知
ろうとすること――にとても驚く国もありますが、奇妙なことだと思います。
(P.32 ヘイノネン)
【私にしてもこの他の国々の反応には驚かされる。この真っ当な考え方がまだ
まだ一般的ではないのか、と。】
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そこ(アメリカ合衆国での交換留学で行った高校)で学んだ非常に大切なこ
とのひとつは、「なぜ?」と疑問をもつことでした。そこでは疑問をもつこと
を教えるのがとても上手だったのです。自明のことというのは何ひとつなく、
常に自分の頭で考えることを要求されたのです。教師たちは、なぜそうなのか、
なぜそうなるのか、と質問してきました。(中略)
頭に知識を流しこむだけではなく、どのように学ぶか、どのように自分の頭
を使って考えるかを学ぶということです。(P.49 ヘイノネン)
【私の教育方法は間違ってないのだと、これを読んで少し安心した。もっとも
私の生徒たちに対する要求・追求はまだまだ甘いのだが。】
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わたしたちは教育の機会の平等がなければ、教育の質の向上は不可能だと考
えています。教育を受ける機会の平等はすべての前提です。平等を保障する制
度は、わたしたちフィンランドの教育制度の礎となる最も大切な原則です。質
と機会の平等は決して矛盾するものではなく、片方がもう片方を可能にするの
です。(P.61 ヘイノネン)
【これも勘違いされていることの一つだ。まさに必要なのは平等なのだ。そし
てそれを具体化するための施策・方策だ。】
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(データ)
人口56万のヘルシンキには図書館が38館あり、国民の77%が毎日平均1時間
以上読書をしている、とのこと(P.44)
学校規模――小学校は平均70名、1学級20名程度。
中・高校は150名程度、1学級16名が標準。(P.66)
【この学級定員の少なさを見よ! これがすべてだとは言わないまでも、いや、
やはりこれがすべてか!】
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**日々雑感**
585. 読書・所感−2007年11月前半
2007/11/5(月)『さよなら、そしてこんにちは』(荻原浩 光文社 2007年 \
1500)
荻原の最新作。といっても1999年から今年までの7短編を集めたもの。
帯に「世のため、人のため、そして家族のため、働き者の悲哀を描く、著者
独壇場の傑作集」とある。そのとおりだろう。
ちなみに他の6編の題名は、「ビューティフルライフ」「スーパーマンの憂
鬱」「美獣戦隊ナイトレンジャー」「寿し辰のいちばん長い日」「スローライ
フ」「長福寺のメリークリスマス」。
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2007/11/6(火)『沈底魚』(曽根圭介 講談社 2007年 \1600)
安見から。今年の江戸川乱歩賞受賞作。
要するに警察もの。もっともこれは公安警察のそれで対中国がメインで政治
家がからみ、アメリカがからみと錯綜している。読んでいて楽しくなるような
話ではないのだが。
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2007/11/10(土)『もっとゆっくり登りたい』(伊藤幸司 学習研究社 2007年
\1200)
いくつか参考になることあり。まずは登山靴。常識では山には山靴なのだが、
著者は運動靴で良いとする。雨具では少々の雨なら90リットルのゴミ袋を二枚
用意して、ということに。日本の山ではどちらかというと方位計よりも高度計
が実際には役立つと、これは同感。紹介されていたフィンランドのスント社製
のエスケープ203という製品をインターネットで検索したが、出てこなかった。
その他いろいろと。一つ100%は同感しかねるのはストックの使用の推奨に
ついて。また再読を。
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2007/11/12(月)『朝顔はまだ咲かない』(柴田よしき 東京創元社 2007年
\1500)
ひきこもりの19才の女の子が主人公の話。
なるほど、ひきこもりの感じってそういう感じかなと思わせられる。青春期
の彼女たちなのでそれ相応の話題・エピソードがあって。
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2007/11/15(木)『烏金』(西條奈加 光文社 2007年 \1400)
氏の本としては 2006/4/22(土)『金春屋ゴメス』(西條奈加 新潮社 2005
年 \1400) に続く二作目。私としてはこちらの方があっている。
単なる金貸しではなく、つまり金儲け・仕事としてだけの金貸しではなく人
助けにするところなど、なかなか良い発想だと思う。もちろん江戸時代の当時
にそんなことが実際にあったかどうかは難しいところだが。
要するに金を返せる算段まで相談に乗るということ。これをやるのが主人公
の24才の「浅吉」という男。なかなか魅力的なのは少し(?)ワルのせいもあ
るか。そして何か秘密をかかえているということで。金貸し婆さんである「お
吟」さんの造型はやや画一的かもしれないが。
おしまいに近づくにしたがい、何とか続編が書き継がれていくように設定さ
れてないかと気が気でなかった。幸い何とかその余地だけは残して終わってい
るのでほっとした次第。
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**最近読んだ本から
2007/11/5(月)『さよなら、そしてこんにちは』(荻原浩 光文社 2007年 \
1500)
2007/11/6(火)『沈底魚』(曽根圭介 講談社 2007年 \1600)
2007/11/8(木)『「学力世界一」がもたらすもの NHK未来への提言 オッ
リペッカ・ヘイノネン』(佐藤学 NHK出版 2007年 \950)
2007/11/10(土)『もっとゆっくり登りたい』(伊藤幸司 学習研究社 2007年
\1200)
2007/11/12(月)『朝顔はまだ咲かない』(柴田よしき 東京創元社 2007年
\1500)
2007/11/15(木)『烏金』(西條奈加 光文社 2007年 \1400)
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FK −−学校をめぐるコメント・コラム集 マグマグID 26043
(2000年 2月16日創刊) kishidafumio@hotmail.com
発行者 KISHIDA Fumio http://fkfk.infoseek.ne.jp
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/)解除は http://www.mag2.com/m/000026043.htm/ へ。
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