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FK −−学校をめぐるコメント・コラム集


2008.06.16

FK


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* FK *          FK ――学校をめぐるコメント・コラム集          * FK *
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               第201号 2008年 6月 16日(毎月1・16日発行)

  目次

**学校をめぐるコメント**

        508.生徒たち


**日々雑感**

        605.読書・所感−2008年6月前半
        606.映画・雑感−2008年6月前半


**最近読んだ本

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**学校をめぐるコメント**


        508.生徒たち
                                          (2008年 6月14日 土曜)

 今月に入って放課後、よく生徒たちと話をしている(ような気がする)。
 放課後といっても午前の部(1部)の生徒たちがおおむね午後の5.6限で、
つまり3時前には授業が終わり放課後となる。私もその時間でモチコマが終了
するので、そのまま教室に残って何人かとおしゃべりをするのだ。もちろん授
業についての質問があり、その他もろもろの世間話もある。学校や先生につい
ての話題もよく出てくる。

 他の先生方の授業のやり方や生徒たちへの対応の仕方の巧拙についても、ま
た個人的な好悪についてもいろいろと話してくれる。もちろん口外はしない。
最高度の守秘義務が必要だ。生徒たちはそういうことで安心して私に話してく
れるのだから。しかし、聞いてると悩みは深く、問題は小さくない。何とかし
たい・してやりたいと思いつつも聞くだけに終わってしまうことがほとんどだ。
大げさだがここにも民主主義というものが定着していないことによる弊害があ
る。

 この時間はまだ7.8限の授業が行われている時間でもある。午後の部(2
部)の生徒がまだ受けている時間帯だ。これが4時半に終わり、5時20分の私
の勤務時間終了までが本当の放課後になる。
 今度の場所は1階のコモンホールと呼んでいるピロティというか正面玄関か
らのエントランスというか、そんな食堂横のスペースで少しは椅子とテーブル
もある空間で、また休講掲示板もある(今、私が管理しているので済んだ分を
剥がしに行く目的もあり)。

 ということで、ここでまた生徒たちにつかまったり・声を掛けられたりして
時間まで立ち話をすることとなる。そんな時帰って行く生徒と夜間の部の生徒
(3部)とが交差していく。二年前はこの3部の一年生の担任をしていたので
顔見知りが通り過ぎていく。時間があれば言葉を交わす。

                        *

 こんなわけで私の学校での楽しみは、授業をすることももちろんだが、その
後の生徒たちとのおしゃべりがまたいい。そんな深刻な話を立ち話で短時間の
うちにはできないものだが、ポロッと大事な話も出てくるのである意味気が抜
けない。
 ま、概してあどけない・たわいない話題が多いのではあるが、それが大事な
のだろう(トランプに付き合わされたこともある)。授業だけ受けて終われば
ハイ、サヨウナラではあまりに淋しい。おしゃべりしてから帰途につくのが望
ましい。一日に一つくらい楽しいことがなかったらやりきれないだろう。そん
な一助になればいいと私は思っている。だから放課後の教室に私をたずねて時
間つぶしにやってきた生徒たちのおしゃべり相手になり、また知らないどうし
であれば紹介して新しい友人を増やしてもらうという、いわばネットワーク作
りの応援をしている。

                        *

 ともかく楽しいことをいっぱい企画して、まずは私自身が生徒たちと一緒に
遊び・楽しむということで日々を過ごしている。
 先生と生徒という人間関係はなかなか厄介なものだが、なかには年若き友人
といえるような生徒たちにも出会え、私の教師生活の晩年(?)はなかなか面
白いものになってきている。生徒たちに感謝、である。


                         * FK * FK * FK *
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**日々雑感**


        605.読書・所感−2008年6月前半


2008/6/ 2(月)『壊れゆく医師たち』(岡井崇 岩波ブックレット 2008年 \
480)

 医師もひどい状況にあるということ。過労死も、自殺も。
 余裕がなければ良い仕事ができないのはわれわれ教師もそうだが、医師の場
合はもっと危険なことになる。手術等があるのだから。
 小児科と産婦人科の医師が少なくなったのは、今後少子化していくという目
算があったようで、なんともはやである。そのぶん減少したしたため現有勢力
でやるものだから、彼らの負担が増加していったということ。
 ともかく医師の世界もいろいろとどろどろしているようだ。解決策はまずは
労基法の遵守ということとは!

                --------------------------------

2008/6/ 7(土)『郷四郎無言殺剣 正倉院の闇』(鈴木英治 中央公論新社 2
008年 \648)

 名前が判明してから、つまり第二部の第三作。
 ゆったりと話が展開していき、大きく事件があって動くところは少ない。今
回もお終いでさっと刺客との対決があった。ままプロセスを楽しむということ
で。

                --------------------------------

2008/6/14(土)『新・装幀談義』(菊地信義 白水社 2008年 \2200)

 作品を、本という物に化すためのデザインが装幀です。装幀の目的は、本を
目にした人の心に、読みたいという思いを起こし、真に読むという場へ心をい
ざなうことです。(P.15)

 初めて氏の著書を読む。装幀家であることは知っていたが、このような文章
を書いているということは知らなかった。新鮮であった。

                        *

 読書という行為は、良きにつけ悪しきにつけ、ひとりの人の心をつくってい
く、あるいは鍛えていく道具だと思います。直接体験する家庭や社会。間接的
な目や耳の体験としてのテレビや映画、オーディオ。読書はそれらの体験や情
報を主体化する、心をつくる道具です。
 ちょっと観念的すぎるかもしれませんが、そのような読書で養われた心が実
生活で個々の体験を切り拓き、社会を変える力になると思います。
 すぐれた文芸作品とは、読んでいるときだけ、ある緊張感があって、読み終
えたときはいったいなにを読んだかわからなくなる。言葉のつくり出す空間や
時間に引き込まれ、読むという体験を生きているのです。(P.14)

【読み終えたとき、直後は感動して覚えているのだが、まもなくそれらが雲散
霧消していく悲哀を長年味わってきていた。そしてそれはもちろんよろしくな
いこととして。しかしこの一文を読んでホッとした。】

                        *

 文芸作品を読むということは、それを通して知識を得ることと、知識から自
由になるといった二面性があります。たとえば、「人とはそうしたものか」と
思うことと、「人とはわからぬものだ」といった正反対の感想によって、心に
幅が生まれるのです。固まっていた心が掘り起こされ、風が通るのです。
 人は、それぞれ現実の一瞬一瞬を生きています。知識だけでは生きられませ
ん。一瞬を抱き止める心の奥行きが大切で、それを形づくるのが読むという体
験を生きることだと思います。(P.15)

【知識を得て、そしてそれからまた自由になる、ということが大事であり、難
しいことだと思う。】

                        *

 人が目を惹かれ、目を止めるものは、その人の見たいものであって、その逆
はありません。装幀も、作品から読み出した文字や素材、色や図像のいずれか
は、人の目を止めるために使います。(P.167)

【実にその通りなのだ。見たいものしか見ない。見たいようにしか見ない。だ
から初めて見るときは過去の経験の中から自分にとって美なるもの、つまり見
たいものを見いだそうとしてしまっている。だからもう一度見なおすと、思い
とは違ったものであることに愕然とし、失望するのだ。人の顔を見るとき、特
にそう思う。】


                --------------------------------

2008/6/14(土)『相棒 season2 下』(碇卯人 朝日新聞社 2008年 \760)

 おもしろい。このうちいくつかはテレビで再放送されたものを観た。


                         * FK * FK * FK *


        606.映画・雑感−2008年6月前半


[炎の人ゴッホ]

 生徒さんからの紹介。
 1956年の作品なので私もかつて観ているかもしれない。しかし、ずっと観て
て結局は分からなかった。観たとしても忘れている。
 原題は「LUST FOR LIFE」。生への渇望? どんなニュアンスになるのか分
からない。

 ゴーギャンとゴッホの関係だが、この映画を観ている限りは、所詮芸術家ど
うしは同じ家に住むことはできないということ。芸術観も人生観も、言ってみ
ればすべてが違うのだから一緒に居られるはずがない。また一緒にいたらその
独創的な創作はある意味不可能だろう。

 ならどうしてゴッホはこだわったのだろうか。映画では彼が孤独を怖れて、
といった感じにしてあるが。

 知らなかったが、そもそも彼はその父の跡を継ぎ宣教師になろうとしたよう
だ。それが失敗に終わるわけだが、神への信仰もその後の彼の炭坑町での行動
もすべて狂的な感じを感じさせられる。それは芸術においてもそうなのかもし
れない。

 私たちはその生涯のディテールを知らなくても、その残された作品を見るこ
とでいいのではないか。どうせ芸術家の人生なんてわれわれ平凡人・普通人か
らしたらとても理解の及ぶ範囲にはないのだから。また、逆に知れば知るほど
観賞にも役立つというものだろうか。

 当面は私は何も知らなくてもその絵を見ているだけでいいことにしておこう。
他人の人生を知るというのはしんどいことなのだから。まして彼ら芸術家のそ
れは。

                --------------------------------

[椿山課長の七日間]

 現代社会の宗教や人生といったテーマのところで授業に使い、二回に分けて
生徒と一緒に観た。

 映画というのは何回も観ないと気付かないことがいっぱい散りばめられてる
ものだ。一度目には気がつかなかったディテールとか、俳優のしぐさなどにも。
 それにしても泣かされる映画であった。もちろん、私の年にしてそう思うの
かもしれないが。さあ、生徒たちにはどうであったか。次回の授業で聞いてみ
よう。


                         * FK * FK * FK *
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**最近読んだ本

2008/6/ 2(月)『壊れゆく医師たち』(岡井崇 岩波ブックレット 2008年 \
480)
2008/6/ 7(土)『郷四郎無言殺剣 正倉院の闇』(鈴木英治 中央公論新社 2
008年 \648)
2008/6/14(土)『新・装幀談義』(菊地信義 白水社 2008年 \2200)
2008/6/14(土)『相棒 Season2 下』(碇卯人 朝日新聞社 2008年 \760)

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FK −−学校をめぐるコメント・コラム集           マグマグID 26043
        (2000年 2月16日創刊)        kishidafumio@hotmail.com
                                            発行者  KISHIDA Fumio   
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  インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/)解除は http://www.mag2.com/m/000026043.htm/ へ。
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