2008.06.10
[ほぼ日刊日々是映画] vol.2306 ★ 茄子 アンダルシアの夏/スーツケースの渡り鳥
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-vol.2306--
ほぼ日刊 日々是映画 発行:cinema-today
http://www.cinema-today.net/
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2306号です。
昨日はうっかりeuro2008を見てしまったので眠いです。
やはりヨーロッパのイベントは時差がつらい…
オリンピックは北京なので、そんなにつらくはなさそうですが、
今度のW杯は南アフリカで、時差はヨーロッパと同じなので、
これまたつらいでしょう。
今日は『茄子 アンダルシアの夏』と『茄子 スーツケースの
渡り鳥』の2本立て。図らずも昨日から自転車つながりです。
私が今年の1月に買った私の愛車↓は快調です。
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やはりいい自転車だと長距離も楽。30分くらいの距離なら楽々
です。メタボが気になるという方、会社が10km程度の距離なら
通勤にどうぞ。
私は悪路を走ることもあるのでMTBにしましたが、街だけを走る
なら、シティ仕様のこちらがオススメ。
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ディスクブレーキなので、少々の雨でも安心です。
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自転車映画特集は多分今日までです。
ほぼ日刊日々是映画 ブログ版
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-------- 目次 --------
■ 今日の映画1
茄子 アンダルシアの夏
■ 今日の映画2
茄子 スーツケースの渡り鳥
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画1 − 茄子 アンダルシアの夏
--cinema2229------------
茄子 アンダルシアの夏
2003年,日本,47分
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<キャスト&クルー>
監督 高坂希太郎
原作 黒田硫黄
脚本 高坂希太郎
撮影 白井久男
岸克芳
音楽 本多俊之
キャスト 大泉洋
筧利夫
小池栄子
平野稔
<評価>
☆☆☆☆(満点=5)
<プレビュー>
スペイン、アンダルシア地方のバルでは自転車レースが目の前を
通過するのにあわせてテレビを導入。その日は地元出身のぺぺ・ベ
ネンヘリが“ブエルタ・ア・エスパーニャ”を走る日だった。そし
て、その日は折りしもぺぺの兄アンヘルの結婚式の日でもあった。
ぺぺはチームのエースとともに集団を抜け出しスパートをかける…
スタジオ・ジブリ出身の高坂希太郎が黒田硫黄の同名マンガを映
画化。47分の中篇ながら十分なドラマを描きこんだ好作品。
<レビュー>
自転車レースというのはヨーロッパではサッカーに次ぐくらいの
人気のスポーツだというのはよく聞く(とはいっても、サッカーに
次ぐ人気だというスポーツはラグビーやアルペンスキーやF1など
たくさんあるのだが)。しかし日本ではあまり人気のないこのスポー
ツを映画にしようと考えたのは好きだからこそなのだろう。
そして、その試みは成功していると思う。ニュース映像なんかを
見ていると、ただ集団で走っていて最後だけみんな一生懸命こぐみ
たいな印象がある自転車レースの中にある駆け引き、チームの思惑、
チーム内の関係なんていうものを主人公のぺぺの視点からしっかり
描き、うまくまとめている。もちろんこれは非常に小さい話で、だ
からどうしたといわれてしまえば吹き飛んでしまうようなエピソー
ドなんだけれど、私はこういう小さい話は好きだ。
映画、特にアニメというのは何か壮大な世界観のようなものがあっ
て、その世界の中である種のスペクタクルが展開されるというよう
なものが観客から期待されているような気がする。スタジオ・ジブ
リの作品(というよりは宮崎駿作品)だって牧歌的な絵を描きなが
らも、描く世界はどれも現実を凌駕した壮大なものである。
それに対してこの作品はプロスポーツというスペシャルな世界で
はあるけれど、自転車しかとりえのない普通の男が悪戦苦闘すると
いう非常に日常的な物語だ。サブプロットとして展開される兄の結
婚式にまつわる過去の物語もこの物語の日常性と、ぺぺの普通さを
補強する。
つまり、この作品は確信犯的に小さな物語を作っているのだ。宮
崎駿のような作品を期待するジブリファンにはまったく持って物足
りない作品だろうとは思うが、私はこういう小さな作品にこそ映画
の真髄があるような気がする。この作品のディテールはアニメとい
うよりは実写的で、感心する。アニメだから映像は自由に作れるは
ずなのに、この作品はまるで物理的なカメラで撮影しているかのよ
うな映像の制約に従う。空撮も実際にヘリで撮ったようにしか動か
ず、目の前を通過する自転車も固定カメラの首が触れる範囲でしか
被写体を追わない。アニメであるにもかかわらずそのようなリアリ
ティを追求するところにもこの作品のあくまで日常的であろうとい
う姿勢を感じる。
しかし、最後の最後で映像は劇画に転調する。この転調が非常に
効果的でいい。宮崎駿の作品では決して見ることの出来ない生々し
くておかしい描写、これが最後にぴりりと効いている。
さて、主人公の声は大泉洋。この作品は2003年だから、彼が全国
的に名の知れる前の作品である。実はジブリ作品には『千と千尋の
神隠し』ですでに出演しているが、それはスタジオ・ジブリの人た
ちが「水曜どうでしょう」のファンだったからだという。特にこの
作品の監督高坂希太郎は「水曜どうでしょう」の熱狂的なファンで、
どうでしょうファンにはお馴染み藤村Dも声の出演を果たしている。
そしてエンディングは小林旭の「自動車ショー歌」の替え歌である
「自転車ショー歌」でこれを自転車好きで有名な忌野清志郎が歌っ
ているわけだが、「自動車ショー歌」も実はどうでしょうファンに
はおなじみの歌というわけだ。
つまりは好きなもので映画を作れる、こんな幸せなことはないと
いう話。しかし、それできちんと面白い作品を作れるんだから凄い。
■ 今日の映画2 − 茄子 スーツケースの渡り鳥
--cinema2230------------
茄子 スーツケースの渡り鳥
2007年,日本,54分
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<キャスト&クルー>
監督 高坂希太郎
原作 黒田硫黄
脚本 高坂希太郎
撮影 加藤道哉
音楽 本多俊之
キャスト 大泉洋
山寺宏一
大塚明夫
藤村忠寿
<評価>
☆☆☆1/2(満点=5)
<プレビュー>
イタリア人の国民的スターレーサーであるマルコ・ロンダーニが
自殺、ぺぺのチームメイトでマルコと同郷のチョッチは落ち込むが
日本への遠征には参加すると言う。マルコの葬式に立ち寄り日本へ
降り立った一行はレースの日を迎えるのだが…
『茄子 アンダルシアの夏』の続編、舞台を日本に移し、ぺぺを
取り巻く人々の友情を描く。日本のアニメとして初めてカンヌ国際
映画祭の監督週間に正式出品された。
<レビュー>
前作から4年の歳月を経て作られた続編。舞台を日本に移すが、
その前にぺぺの新しいチームメイトであるチョッチと旧知であった
スターレーサーの自殺というエピソードが語られる。レースでも疲
れた表情で、マルコの葬儀も遠くから見つめるだけのチョッチの姿
は彼の悩みの深さを言葉を使うことなく語る。そして、日本でコー
スを下見しているとき、彼の頭にマルコとの思い出がよみがえる。
これは前作のぺぺと兄の関係に似ている。チョッチとマルコの間
に距離が出来てしまった理由は語られないが、重要なのはそのこと
ではなく、チョッチがマルコを尊敬し続けていながらどこかで自ら
彼を遠ざけてしまっていたことなのだ。そのことと彼の自殺から生
じる自責の念、それは本当は根拠のないものなのだろうけれど、
チョッチにとっては人生を見つめなおす大きなきっかけとなるのだ。
自分の才能のなさを無視できなくなって引退しようかと考えるチョッ
チと、才能がないことを認識しながら夢を追うぺぺ、このふたりの
間の友情がマルコとの間の友情に挫折したチョッチを救う。
複雑な人間の心理を地味に描くという点では、前作と同じく小さ
な世界を描いた好作品と言えるだろう。しかし、前作と比べるとど
うもリアリティが失われてしまったように思う。新たにレーサーの
視点からの映像が加えられ、レースのリアリティは十分なのだけれ
ど、日本という異国にいる彼らをその異国にいるわれわれが見ると
いう形になったことで彼らとの間に距離が出てしまったように思う。
それによって今ひとつ入り込めない話になってしまったかもしれな
い。
ただ、「水曜どうでしょう」のファンには前作よりもさらに楽し
める内容になっている。藤村Dは監督役になったことで格段にセリ
フが増え、彼とぺぺのやり取りではどうでしょうでのやり取りを思
わせる会話が多数登場する。
もちろん水曜どうでしょうファンに向けた映画ではないので、そ
れで映画として面白くなるというわけではないのだけれど、こうい
うわかる人にしかわからないくすぐりがわかるとうれしいものであ
る。
原作にぺぺのエピソードは2話しかないそうなので、もう続編は
なさそうだが、もっと続いても面白そうな話だ。
□ ヒビコレリンク
「水曜どうでしょう official website」
http://www.htb.co.jp/suidou/
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:茄子 アンダルシアの夏/スーツケースの渡り鳥>
『茄子 アンダルシアの夏』
http://tinyurl.com/5arfm5
『茄子 スーツケースの渡り鳥』
http://tinyurl.com/5b5doq
<今日のお勧め>
大泉洋に注目
『HONOR〜守り続けた痛みと共に』
http://tinyurl.com/59xw9t
所属するTEAM NACSの最新ステージ
『いぬ会社 24時間は働けません 編』
http://tinyurl.com/6hu9nv
『ロス:タイム:ライフ Life in additionaltime』
http://tinyurl.com/66szo2
『ハケンの品格 DVD-BOX』
http://tinyurl.com/6oxqk8
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日々是映画第2306号
2007年6月10日発行
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