2008.06.13
[ほぼ日刊日々是映画] vol.2307 ★ イースタン・プロミス
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-vol.2307--
ほぼ日刊 日々是映画 発行:cinema-today
http://www.cinema-today.net/
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2307号です。
昨日もうっかりeuroを見てしまい眠いです。
しかし、ドイツ・クロアチア戦面白かったです。ヨーロッパの
代表クラスの選手はみんなあっちこっちのトップレベルのクラ
ブでやっているのでやはり実力差が小さいですね。
やはり日本の選手ももっとヨーロッパで戦わないとね。
それはともかく、今年の夏は去年ほどではないにしても暑いと
いう予想だそうです。だからなのか、寝苦しい夜対策にガーゼ
ケットなるものが売れているそうです。ガーゼとはつまりガー
ゼですが、それが5重になっていて快適だとか。
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ガーゼはなんと言っても肌触りがいいですからね。
それに麻を加えて快適度をアップしたもの、
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ベビー用のオーガニックコットン
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などもあります。
エアコンなどに頼らず、涼しい夜を過ごしたいものですね。
さて今日は、明日から公開クローネンバーグの新作
『イースタン・プロミス』です。
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-------- 目次 --------
■ 今日の映画
イースタン・プロミス
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画 − イースタン・プロミス
--cinema2231------------
イースタン・プロミス
Eastern Promises
2007年,イギリス=カナダ=アメリカ,100分
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<キャスト&クルー>
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 スティーヴ・ナイト
撮影 ピーター・サシツキー
音楽 ハワード・ショア
キャスト ヴィゴ・モーテンセン
ナオミ・ワッツ
ヴァンサン・カッセル
アーミン・ミューラー=スタール
ラザ・ジャフリー
<評価>
☆☆☆☆(満点=5)
<プレヴュー>
クリスマス直前のロンドン、ロシア人の妊婦が病院に運ばれてく
る。子供は救えたが、母親はなくなり、助産師のアンナはその母親
が持っていたロシア語の日記をロシア人の叔父に見せる。同時にそ
の日記に挟まれていた“トランスシベリアン”というレストランを
訪ねるが、そこはロシアン・マフィアのボスの一人が経営している
レストランだった…
クローネンバーグが『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続い
てヴィゴ・モーテンセンを主演に迎えたサスペンス・ドラマ。リア
ルがゆえに血なまぐさいシーンもあり、心臓には悪いかも。
<レビュー>
クローネンバーグというとなんともどろどろあるいはぐちゃぐちゃ
としたちょっと気持ちが悪い映像を駆使した独創的なホラーやサス
ペンスである。そんな特徴がよく表れていたのは『ビデオドローム』
だったり『ザ・フライ』だったり『イグジステンズ』だったりする。
そしてそのどろどろぐちゃぐちゃしたものというのは基本的に人間
を中心とした現実の醜さを表現したものといって間違いはないだろ
う。
そのクローネンバーグが『ヒストリー・オブ・バイオレンス』で
見せたのはどろどろぐちゃぐちゃではなく、非常にドライな暴力だっ
た。しかし、その描写はグロテスクで、暴力が人に与える痛みと恐
怖を明確に描いていた。それはどろどろぐちゃぐちゃとした気持ち
悪さとは異なるものだけれど、われわれが抱えざるを得ない現実の
醜さを描いているという意味では一貫した彼の表現であった。『ヒ
ストリー・オブ・バイオレンス』によってクローネンバーグは、現
実を幻想的なものに置き換えて描くことから、現実を現実として描
くことへと物の描き方を変えたのだと考えることができる。
この『イースタン・プロミス』ではさらにもう一歩踏み込んで、
暴力と社会とを直接的に結びつける。『ヒストリー・オブ・バイオ
レンス』はそのタイトルの通り暴力そのものを描いたものだったけ
れど、この『イースタン・プロミス』においては暴力が社会の中に
置かれ、人がそれとかかわらざるを得ない現実の醜さを描いている。
この作品におけるクローネンバーグの描写は不必要なほどに過剰
に見えるかもしれない。話題にもなったサウナでの全裸での格闘シー
ン、全裸の体をナイフが切り裂くそのむごたらしさはショッキング
で、R18になったのも仕方がないと感じるが、このむごたらしさは決
して不必要なものではなく、このむごたらしさこそが暴力の真実な
のだ。
殴られても切りつけられても痛みを感じないかのように戦い続け
るハリウッド映画のヒーローは暴力を無痛化してしまう。そのヒー
ローに一撃で倒される敵役は死を無痛化してしまう。しかし暴力や
死というのはもんどりうつほど痛いものだし、体から流れる血は生
臭いにおいを放つものだ。クローネンバーグの映画はそのような痛
みや臭いを観客に感じさせる。彼の作品はそのようにして暴力にリ
アリティを取り戻すのだ。
それは観ているものに苦痛を感じさせ、決して気持ちのいいもの
ではない。しかしそのようにして暴力のむごたらしさを想起するこ
とは戦争や犯罪という暴力がメディアを介することによってわれわ
れの現実から遠ざけられてしまった現在においては必要なことなの
ではないか。
この作品が描くロシアン・マフィアという題材は私たちの現実か
ら遠く隔たった世界のことのように感じる。しかし、主人公のアナ
は私たちと同じように生活し、悩みを抱えた普通の人間である。そ
のアナがいやおうなく巻き込まれてしまう暴力、それは私たちの生
活のすぐそばにもそのような暴力が潜んでいることを示唆する。
ストーリーも秀逸。ただ仕掛けは比較的たやすくわかってしまう。
□ ヒビコレリンク
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
http://www.cinema-today.net/0607/17p.html
『ビデオドローム』
http://www.cinema-today.net/0409/11p.html
『イグジステンズ』
http://www.cinema-today.net/0102/21p.html
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:イースタン・プロミス>
『イースタン・プロミス』公式サイト
http://www.easternpromise.jp/
<今日のお勧め>
もちろんクローネンバーグです。
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
http://tinyurl.com/6m72tz
『クラッシュ 《ヘア解禁ニューマスター版》』
http://tinyurl.com/5zef3t
『スキャナーズ DVD-BOX デジタルニューマスター版』
http://tinyurl.com/66eegs
『ザ・ブルード/怒りのメタファー』
http://tinyurl.com/6fx3df
『ビデオドローム』
http://tinyurl.com/6qxx7d
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日々是映画第2307号
2007年6月12日発行
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