2008.06.16
[ほぼ日刊日々是映画] vol.2310 ★ 鎮花祭
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-vol.2310--
ほぼ日刊 日々是映画 発行:cinema-today
http://www.cinema-today.net/
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2310号です。
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もうすっかりサンダルの季節ですが、いまさらcrocsというのも
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今日の映画は『鎮花祭』、60年の日本映画です。
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-------- 目次 --------
■ 今日の映画
鎮花祭
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画 − 鎮花祭
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鎮花祭
1960年,日本,87分
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<キャスト&クルー>
監督 瑞穂春海
原作 丹羽文雄
脚本 松浦健郎
撮影 中川芳久
音楽 池野成
キャスト 若尾文子
根上淳
吉川満子
山内敬子
川崎敬三
<評価>
☆☆☆(満点=5)
<プレビュー>
BGの朝比奈公仁子はテレビ・ディレクター古田の目に留まりC
Mガールになることになり、古田のアパートの部屋で演技の個人教
授を受けることに。公仁子の兄で父の工場を継いだ正方は公仁子の
友人で家に下宿している陽子を嫁にもらうことにするが、陽子は新
婚初夜から夫を拒み、正方は不満を募らせる…
若尾文子が小悪魔的なヒロインを演じた大映らしいどろどろとし
たドラマ。
<レビュー>
日本映画の黄金期といわれる昭和30年代、日本には、松竹、東宝、
日活、大映、新東宝という5つの映画会社があった。大まかに言え
ば、松竹は小津に代表されるホームドラマ、東宝は社長シリーズな
どのサラリーマン喜劇、日活は裕次郎などのスター・アクションと
色分けがされていたわけていた。新東宝は昭和36年に東宝に吸収さ
れるが、昭和30年代には際物的な作品が多くなっていた。
これに対して大映はサスペンスやメロドラマを得意とし、大手3
社よりも“大人な”作品を多く作っていた。サスペンスでもドラマ
でもどろどろとした男女関係を描くという作品の印象が強い。
この作品はまさにそんな大映ドラマのひとつである。主人公の若
尾文子演じる公仁子はCMガールになることが決まるとディレクター
の古田に取り入ろうとする。公仁子は古田と結婚しようと考えてい
たわけだから必ずしもこれが“女の武器”を使って成り上がろうと
いう意図とはいえないわけだが、それを利用したことは間違いない。
相手の古田のほうも結婚していることは隠しながら、立場を利用し
て公仁子を誘惑する。こんな話は今でも昼ドラなんかに使われるが、
今も昔も人々の気を引いたのだろう。
また、公仁子の友達の陽子が公仁子の兄の正方と結婚するのもよ
くある話で、松竹ならその夫婦は円満にいくのだが、大映だとその
夫婦はだいたい問題を抱えることになる。この作品では陽子が夫と
のセックスを拒むことで夫が暴力的になると同時に、外に女を作る
というさもありなんという展開、さらにその外の女というのが立場
を利用してなりあがろうとするわけだから話はややこしくなる。
この複雑に絡み合った男女の欲望と策略がドラマを面白くしてい
く。そしてこの作品にはさらに正方の戦争経験というのが絡んでく
る。昭和30年代のドラマには戦争が影を落とすことがまだまだ多い
が、それは見る人のほとんどが戦争を経験しているからだ。戦争経
験者に対する見方も今とは異なって、この作品で正方は戦争によっ
て恐ろしい人間に変わってしまった男として描かれている。そこは
今見るとちょっと違和感を感じるけれど、今はそれだけ戦争が遠く
なったということ、ほとんどの人が戦争を経験している社会という
ものをこのような作品から想像することも出来る。
それらのすべてをひっくるめて、この作品は昭和30年代の大映ら
しい作品といえる。ヒロインを演じる若尾文子はデビュー時に“低
嶺の花”と言われたように美人ではなく親しみやすく、リアリティ
のある女性であり、そのキャラクターがこの作品でも生かされてい
る。決して“魔性の女”というわけではないが、非常に現代的でさ
ばけている。それに対して美人という設定の陽子は古風で不器用だ。
この女性の生き方の変化というのもドラマの重要な要素になる。
特に素晴らしい作品というわけではなく、監督の瑞穂春海も名監
督というわけではない。若尾文子は数え切れないほどの作品に出て
いるから、特にこの作品がということもない。しかしさすがは日本
映画の黄金期といわれる昭和30年代の作品だけあって、このまま埋
もれてしまうにはもったいないような作品だ。
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:鎮花祭>
原作:『鎮花祭』
http://tinyurl.com/5lkux8
<今日のお勧め>
若尾文子に注目
『しとやかな獣』
http://tinyurl.com/34qoo3
『卍(まんじ)』
http://tinyurl.com/5t4xdy
『瘋癲老人日記』
http://tinyurl.com/56zvvp
『獣の戯れ』
http://tinyurl.com/5wzwl8
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日々是映画第2310号
2007年6月16日発行
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