2008.08.14
【ドクター桜井の日本診療〜556号〜】
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☆ドクター桜井の日本診療☆ 〜556号〜 08.08.14
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◇予防医学
メタボ検診が始まった。でも、メタボ検診で得られるものは何だ
ろう。動脈硬化の危険因子を発見することはできるが、癌の予防に
はならない。動脈硬化を予防するのであれば、禁煙するほうが効率
的。何故ならば、検査の必要が無いから、お金がかからない。さら
に、癌の予防にもつながる。
ところで、検診というと、体の健康ばかり注意しているが、最近
は、心の健康をチェックするほうが大事なのではと思っている。そ
の理由は、精神的な疾患を抱えている人が増えていること、精神的
に追い詰められて犯罪に走る人が増えていること、自殺者の数が3
万人を超えていること、そして、精神的な悩みを抱えていると労働
生産性が低下すること等、数え上げればきりがない。
しかし、検診で心の健康がチェックされることはほとんど無い。
それは、日本において、精神的な疾患に対する理解が低いからであ
る。私は、心の検診を始めるべきだと思っているが、検診の費用は、
結局は企業が負担しなければならず、これ以上検診項目を増やすの
は難しいのである。
検診と並んで考えたいのは、産業医の役割である。ある人から、
日本の産業医は、保健室に毛が生えている程度といわれたが、言い
えて妙である。私もいくつかの企業の診療室に行ったことがあるが、
研修医時代、他の病院でバイトするには、まだまだ未熟だった時で
ある。そのレベルの医師が診療に来ているのでは、診療の内容は言
うまでも無い。
本来の産業医の役割は、その企業労働者の心身の健康を維持する
ことである。健康の維持は、本人のためでもあり、企業のためでも
ある。企業のためというのは、心身ともに健康でなければ、労働生
産性が落ちるからである。
このような視点で今のシステムを考えると、無駄が多いだけでは
なく、必要な機能が果たされていない。検診や産業医というように、
健康維持の目的のために個人や企業が投資するのであれば、そのシ
ステムを根本的に変える必要があると思う。
参議院議員・医師 桜井 充
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