2006.05.10
野菜果物大百科 第137号
野菜果物大百科 第137号 「岐阜県の在来唐辛子」
岐阜の田舎百姓がお届けする、野菜・果物・薬草等「有用植物」の
メルマガです。
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前回、新潟のカグラナンバンを紹介しましたが、私の住む岐阜県
にも、在来種の唐辛子が伝わっています。「アジメコショウ」と
「ドジョウナンバン」です。
アジメコショウは旧恵那郡福岡町(現在、合併により中津川市)
に伝わる唐辛子です。コショウというのは、唐辛子のことで、九州
地方では今でもこの呼び名が使われるようですが、岐阜県東濃地方
から長野県でも使われています。
アジメというのは、「アジメドジョウ」という小型のドジョウの
こと。福岡町には付知川という川があり、そこに生息しているそう
です。
アジメドジョウに似た形の唐辛子なので、アジメコショウという
のだそうです。
この唐辛子は7〜11月が収穫期で、普通の唐辛子より細長い形
をしています。京野菜の伏見甘長唐辛子をもう少し細くしたような
感じです。程好い辛さと風味で、若採りすると辛味が比較的少ない
ので、焼いて醤油を付けたりして食べられます。 ピリッと辛くて
美味しいですよ。
赤く熟した物も、通常の唐辛子と同じように使用できます。前回
のカグラナンバンのように唐辛子味噌にしても良いと思います。
岐阜県の「飛騨・美濃伝統野菜」にも指定されていますので、
県外にも名前が知られるようになってきたようです。
「ドジョウナンバン」は旧郡上郡明宝村の寒水(かのみず)地区
に伝わる伝統野菜です。名前の由来は、先のアジメコショウと同じ
です。ナンバンというのは前号の新潟カグラナンバンと同じで唐辛
子のこと。同じ岐阜県でも、この地方ではコショウと呼ばずにナン
バンと呼びます。つまり、ドジョウの形の唐辛子ということです。
(合併で郡上市になったことから、最近は「郡上ナンバン」とも
呼ぶようです。)
9月頃が収穫期で赤く熟した物を利用します。アジメコショウよ
りも太く、少し大き目の唐辛子です。辛味は程好く、風味がありま
す。
ドジョウナンバンは、生で唐辛子味噌にしたりもしますが、
特徴的なのは、乾燥させて「つぎ汁」という郷土料理に使うことで
す。
つぎ汁は報恩講等の冬期の、人が集まる時に作られます。
(報恩講は、浄土真宗の行事で、親鸞聖人の法要です。旧暦11月
28日ですが、新暦になおして1月16日、もしくはこれらに近い
日に各真宗寺院で行われます。)
昆布とかつおで出汁をとり、これに、焼いたドジョウナンバンを
入れます。(辛味を出したら取り出します。) 具は小さく切った
豆腐だけ。醤油で味付けした、辛い汁です。寒い時期にこれを飲め
ば、体がポカポカ温まります。
このつぎ汁は、岐阜県郡上市の道の駅「磨墨の里」にある「おか
みさん」という店で味わうことができます。私も味わって来ました。
辛いけれども美味しい汁です。甘味が強く、たぶん味付けに砂糖か
味醂を使っているのではないでしょうか。 個人的には、もう少し
甘味控えめが好みですが、郷土料理ですので、この地方の伝統的な
味付けなのだと思います。
郡上へ行かれる機会がありましたら、是非味わってみて下さい。
ちなみに、お隣の長野県にも在来種の唐辛子があります。以前に
も紹介しましたが、「青コショウ」とか「太長コショウ」と呼ばれ
るもので、ドジョウナンバンに似た感じの唐辛子です。 こちらは
未熟な状態で収穫し、焼いて醤油を付けて食べます。
なお、上記3種類の唐辛子の苗、現在準備中で、もう少ししまし
たら販売開始できます。
(5月20日くらいから発送開始の予定です。)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~kanou/tane.htm
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今、食文化の変化によって、消えかかっている地方の伝統野菜が
多くあるようです。一度絶えてしまったら、もう復活出来ません。
先祖から受け継いだ大切な「文化」の一つですので、絶えさせずに
守り伝えていって欲しいものです。
こういった伝統野菜に関しても、このメルマガで出来るだけ取り
上げたいと思っています。 しかし、私一人の知っている情報には
限界がありますので、皆さんからの情報を戴きたいと思っています。
あなたの地域の伝統野菜を、有名にしましょう!
情報、御願いします。
katuya-kanou@mui.biglobe.ne.jp
なお、このメルマガ上で取り上げた伝統野菜について、ホームペー
ジにまとめています。宜しければ御覧下さい。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~kanou/dentouyasai.htm
横浜の新妻様の伝統野菜ページはこちらです。
http://niitsuma.infoseek.livedoor.com/s-plant/jibasan/jiba.html
私の知らない関東以北の伝統野菜の情報も出ています。
伝統野菜に興味のある方は、一度御覧下さい。
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