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カエルニュース


2008.03.26

カエルニュース 第301号


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  社民党衆議院議員・小児科医・阿部知子のメールマガジン
 \^o^/「カエルニュース」 第301号  2008/3/26  \^o^/
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      ★☆医療を守る、地域を守る☆★

 少子高齢社会でどうやって出生率を上げるかが論議される一
方で、出産の出来る場所(病院・診療所・助産所)がどんどん
消えていく。

 「救急搬送で一時間以内」を目標に、高速道路などをつくる
ためにも、道路特定財源は必要と力説する政府・与党は、その
一方で容態急変に即座に対応できる地域の病院がどんどん潰れ
ていっていることに無為無策。救急搬送なのに10ケ所以上を
「たらい回し」される患者さんの多くが高齢者であるのに、4
月から始まる後期高齢者医療制度では絵に描いた餅に等しい
「在宅医療」へと誘導することしか念頭にない(在宅の孤独死
のいかに多いことか!)。

 なんだか矛盾だらけで見当違いの政治が「生命の現場」をど
んどん痩せ細らせていくことに、その昔医療の最前線にいた者
として憤りを禁じえない。現実を見ない机上の空論の厚労省、
規制緩和と医療費削減を金科玉条の如く掲げる財務省や経済財
政諮問会議、このまま放置すればかつては国民皆保険を誇り、
世界一の低い乳幼児死亡率そして長寿国である日本の医療は間
違いなく数年のうちに崩壊するであろう。

 その崩壊の予兆はすでにあちこちに現れている。その中で拍
車をかけるかのように、厚生労働省は「処分権」をちらつかせ
て、地域の基幹病院の保険医療機関の取り消しを行おうとして
いる。愛媛県宇和島市の市立病院と徳洲会病院に対する処遇で
ある。
 事の発端は一昨年に「発覚」した両病院での万波医師による
病腎移植で、これを問題視した厚生労働省がこれらの病院保険
診療報酬請求をチェックしたところ、多くの「不正・不当」請
求がみられたのだという。

 「不正・不当」と指摘された請求には、病腎移植に関わるも
の以外にも多数あり、病院の管理運営上重大な瑕疵であるから、
保険医療機関の指定の取り消しに相当とするいうのが厚生労働
省の考えだ。しかし、これには幾重にも問題があるだろう。

 これらの「不正・不当」とされる請求は、請求事務上の誤り
ではあっても意図的な詐取などとは違って、請求業務を請け
負った業者がその内容を熟知しなかった面もあり、病院もまた
アウトソーシング業務の正確さまでチェック出来なかったとも
言える。そうした誤りは「指導」と外部委託のあり方を見直す
ことによって今後十分是正されるものであり、いきなり保険医
療機関の取り消し処分を行うのは、処分権の乱用ではないか。

 保険医療機関を取り消された病院は、保険診療が出来なくな
る。地域住民にとっては受診できる医療機関がなくなることを
意味する。第三次救急も担う地域の中核病院である市立病院に
は毎日千人以上の外来患者さんが受診し、徳洲会病院でも透析
や200人以上の入院患者をかかえる。両病院で移植を受けた患
者さん達も移植後の管理が不可欠である。すぐ近くにこうした
機能を備えた代替病院があるわけでもないのに、患者・住民は
一体どうすればよいのか。

 そんな不安から市民の半数近くが地域医療を守れとする署名
に名を連ねている。その必死で切実な思いを切り捨てて、ひた
すら取り消し「処分」を振りかざす厚労省には、何のため・誰
のための医療行政であるのかが、まるで理解されていないよう
に思えてならない。処分のあり方の再考を求めてやまない。


                     阿部 知子 


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