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カエルニュース


2008.04.06

カエルニュース 第302号


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  社民党衆議院議員・小児科医・阿部知子のメールマガジン
 \^o^/「カエルニュース」 第302号  2008/4/6  \^o^/
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     ★☆御高齢者から伺った三つのお話☆★

 2006年春の「医療制度改革関連法」の改正によって、本年
4月1日から後期高齢者医療制度が始まった。

 そもそも人間の一生を75歳以上であることを持って切り分け
て「後期高齢者のための医療」保険制度へと強制的に誘導する
こと自体、御高齢者の尊厳を踏みにじり国民として等しく医療
を受ける権利を侵すものではないか?そうした批判を恐れた福
田首相は突如「長寿医療制度」という通称を提案したそうだが、
問題は名称以上にその内容であり、あまりにも御高齢者の思い
や医療・生活の実態を知らないままにつくったことにある。

 私自身、この制度が小泉政権下で強行採決によって成立させ
られて以降、折あるごとにその問題点を指摘し地元等でも講演
を重ねてきたが、その中で伺った先輩諸姉諸兄の生の声、そし
て胸詰まる話の数々によって、さらに強くどうあってもこれを
廃止させねばならないと確信するに至った。

 ここに三話紹介したいと思う。
 昨年の12月、まだまだ世の中にはこの制度の名前すらほとん
ど知られていないころ、茅ケ崎徳洲会病院の医療講座として藤
沢駅近くの会場でこの話をさせてもらった時のことである。50
名余りが参加者され、皆さん熱心に聞いてくださった後、帰り
際にお一人の老紳士が私に質問をされた。「私はもう75歳を過
ぎていますが、いまだに会社勤めをしているので健保に加入し
ています。今後は新しい制度にいかざる得ないのだと思います
が、健保に扶養として入っている妻は一体どうなるのでしょう
か?」との問いに、私ははじめてこの制度がそれまでの老夫婦
の寄り添う絆すら切り離すものであることに気がついた。夫は
後期高齢者医療制度に75歳以下の妻は国民健保と分離され、別
々の制度を強要される。

 年が明け、1月28日の予算委員会で、私は自分の持ち時間の
全てをこの後期高齢者制度に絞って福田総理に質問した。総理
はその内容も名称すらもほとんどご存じなかった。

 この質問から間もなく一つの訃報が私に届いた。お一人暮ら
しの知人の女性が階段の下で亡くなって発見されたという。も
う80歳近くになっておられたが、最近私の集会にもよく顔を見
せてくれていた。彼女はこの7、8年、病む夫の医療や介護の場
を探し求め苦労に苦労を重ねられ、私も何度か相談にのったこ
とがある。

 やっと夫が受け入れられた特別養護老人ホームもそのお支払
いが決して安くはない故に、いつまで自分達の財力が続くのか
という不安も口にされていた。御夫婦別々の暮らしにはとても
お金がかかる。一昨年、夫が亡くなられてお一人暮らしに少し
慣れた矢先の今度のご不幸であった。現在の日本の医療や介護
の不備をもっともっと言葉にしたかったのではないかと思うと
無念でならない。

 そんな思いを受けて2月28日、私は衆議院で4野党共同で後期
高齢者医療制度の廃止法案を提出したが、その後間もなく私に
寄せられた相談は、やはり夫の転院先を探す80歳近い女性から
のものであった。ご自宅で胸苦しさを訴えた夫は「在宅では君
に負担がかかるから」と言い、救急車でのたらい回しを案じな
がらも救急車上の人となった。幸い近くの病院に搬送されたが、
そのまま意識が戻らず食事も取れなくなって胃瘻が設けられた。

 一ケ月経つや経たずで病院から転院を求められた妻は、あち
こちを訪ねたが、市内にはどこも受け皿となる「療養型」の病
床に空きなどない。車でも約1時間半かかる病院にやっと受け
入れられたが、車を運転しない彼女には会いに行くことすらま
まならない。転院後一ケ月、容態の悪化を伝えられた彼女は夫
を自宅に引き取り、夫は二日後に彼女に看取られ亡くなって
いった。

 福田総理も舛添厚労大臣もこうした引き裂かれるような死の
数々を一体どれ位知っているだろうか。「後期高齢者医療制度」
はこの現実を変えうるだろうか?断じて否である。2006年春の
改正は同時に療養型病床を減じ、その前年の介護保険法改正で
は特別養護老人ホームの自己負担を上げた。「後期高齢者」の
最後は、とにかく「家で死ぬ」ことのみが期待される制度であ
る。

 廃止署名は今や全国で500万人を超え、見直しや廃止を求める
自治体の請願は530以上となった。どうあってもこの理不尽さに
対し国民の総意で立ち向かいたいと思う。


                     阿部 知子 


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