2008.03.17
<国際派時事コラム>語学には、電子辞書より紙の辞書
ほぼ週3回更新の「ブログ」。
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語学には、電子辞書より紙の辞書
■■■■第217号■■平成20年3月17日発行■■■◆
小沢民主党が使えないはずの反対理由
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200803120000/
日銀総裁に武藤敏郎副総裁を充てる人事案に民主党が反対
している理由を見て、笑いが止まらなかった。
少なくとも「小沢民主党」が絶対に使えないはずの理由付
けではないか。
「財務省の次官だった人だから、日銀総裁にしたら日銀の
独立性を確保できない」
というのが民主党主張である。
すでに5年間も日銀副総裁をつとめたのに、それより前に
財務省にいたからダメというなら、小沢一郎氏はどうか。
自民党の本流らしきところにいた人物であり、こんな人物
に党の代表をつとめさせては民主党の独立性を確保できぬ。
現に「大連立」構想も出して、民主党の独立性なるものを
揺さぶる行動もしてるじゃありませんか。
武藤敏郎氏が5年以上まえの前歴ゆえにダメというなら、
まず小沢一郎氏を下ろすところから始めていただいたほうが
分かりやすい。
* * *
販売中の月刊誌『ダ・ヴィンチ』4月号の152〜153ページ
に、コラム子(し)のインタビューが載っています。
「紙の辞書の魅力」についてインタビューを受けたもので
す。
コラム子の顔を漫画にも描いてもらいました。(ブログで
ご紹介しています↓)
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雑誌の企画書を引用しますと
≪今回のテーマは「紙の辞書の(単なるノスタルジーではな
い)利点を再発見する」というものです。
10年ぶりに『広辞苑』が改訂されましたが、紙版と電子版の
両方が同時に刊行されて話題を集めました。
単純に検索速度やコンパクトさを考えると電子版のほうが優
れているように思えますが、それでも紙版を出すというのは
どういうことなのか。
紙辞書ならではの良さは何なのか……≫
■ 例文を読む習慣は、紙の辞書なくしては養えない ■
「紙の辞書を使え」と言い続けても、娘たちは一向に従わ
ない。英和辞典は各種4冊も与えてあるのに。
電子辞書で 発音記号と訳語をいくつか見るだけで済ませ
る。 嗚呼!
電子辞書を使うことに反対はしないけれど、その前にまず
紙の辞書を使うことに慣れてほしいのだが。
端的にいえば、単語を引いたら必ず例文も読む(できれば
音読する)習慣をつけてほしい。
例文を読む習慣は、紙の辞書を使って始めて身につく。
電子辞書では、小さな画面に情報をコンパクトに表示する
ために、例文はあくまで「別出し」になっている。
わざわざ「用例ボタン」を押さないと画面に表れない。
紙の辞書であれば、辞書を読み進めばかならず例文とその
訳文が目に入る。
よい生徒ならそれを読む。
平均以下の生徒なら読まない。
それでもせめて「辞書には例文がついているものだ」とい
う感覚くらいは得られるだろう。目には入るから。
紙の辞書で「例文を読む習慣」を養っておけば、電子辞書
を使う段になっても「用例ボタン」を一押しすることが苦に
ならない(……はずだ)。
■ アルファベット順、五十音順で単語を探す訓練 ■
紙辞書体験を積まずに「電子辞書ありき」で中学・高校を
過ごしてしまったら、やがてはアルファベット順や五十音順
に並ぶ単語を探すことさえ、おっくうになるんじゃないか。
大人になって、専門用語辞典を引く手際が不器用では
「学問の基本がなっとらん」
ということになりゃせんか。
これがまあ、親としての危惧であるわけです。
親は娘たちに背を向けて、机の左右に愛用の辞書を積み上
げて引きまくっておるのですが。
子は親の背中を見て育つ、なんて誰が言ったんだ!?
さて、考えをまとめる意味もあって、インタビューを受け
る前に想定問答を書いた。
(本業でもさいきんは想定問答集ばかり作っておりまして
な。)
『ダ・ヴィンチ』誌の記事のモトネタということで、配信
読者の皆さんにご披露したい。
▼「電子辞書は使っていますか?」▲
オフィスの机の引き出しには漢和辞典や英語、中国語、タ
イ語、フランス語、ドイツ語の辞書など17冊ばかりの辞書を
入れてますが、仕事でよく使うのは電子辞書です。
愛用しているのはセイコーの SR-E10000という機種です。
Oxford Dictionary of English とか 研究社の『和英大辞
典』や『英和活用大辞典』など、名著ながらさすがにオフィ
スに置くには余りにデカすぎる辞書に気軽にアクセスできる
点がありがたい。
例文検索機能が付いているので、英文を書くときに自分の
つかう表現が自然な英語になっているか確かめるのに重宝し
ています。
単語を引いたときも、例文ボタンを必ず押して、例文を読
むようにしています。
年間の3分の1は海外出張しますから、コンパクトな電子
辞書はほんとにありがたい。
▼「電子辞書派ですか?」▲
ところがオフィスでも、昼休みや終業後にはケンブリッジ
の英英辞典(第1版)を広げます。
日本で市販されている電子辞書には収録されていません。
この辞書は採録されている例文が面白い。
第2版では例文が減らされて面白みが減ったので、いまだ
に第1版が手放せません。
紙の辞書だと自然に目移りして、1語引くごとにいくつか
の見出し語をうろついてしまうので、ためになったという充
実感を感じることができるのが楽しい。
▼「自宅ではどうですか?」▲
圧倒的に紙の辞書派です。
自宅には160冊以上の辞書がありまして、その ほとんどが
現役として活躍してくれています。
この他に、日暮里のトランクルームと愛媛県の家内の実家
に二軍落ちした辞書が150冊以上はあるはずです。
数ある辞書のなかでも、いちばんいい位置に並べているの
が、上級者用の学習英英辞典です。
オックスフォード、ケンブリッジ、ロングマン、コリンズ
・コウビルド、マクミランの5冊。
大判のハードカバーで揃えています。
わたしにとってはほとんど神棚みたいなもので。
ほとんど5人の愛人をもっている気分で、日によって違う
辞書とお付き合いするのです。
本気で調べるときには5人の愛人に次々に声をかけます。
国語辞典なら『新潮現代国語辞典』と『新潮日本語漢字辞
典』ですね。
ともに、現代日本語が確立する明治・大正時代の用例を豊
富に採っていて、これはもう中毒になります。
▼「できる外国語はいくつぐらい?」▲
これがいちばんよく受ける質問で、しかも答えにくいので
苦手な質問です。
基本的な文法書をひととおり読んだことのある言語という
ことで数えると18ありました。
でも、これまで仕事で役立てたのは 英語、中国語、タイ
語、韓国語の4つだけです。
エスペラントは 日本語との同時通訳をやったり、脚韻を
踏んで詩を作ったりもするので、18の言語のなかでいちばん
得意なことばです。
響きがいちばん美しいと思うことばはロシア語で、これは
大学の卒業論文をロシア語で書いたときが実力のピークでし
たが、今でも六本木あたりで重宝することがあります。
外国語を使いこなせると言える基準は、英英辞典とか仏仏
辞典のような、その言語における国語辞典がいちおう使いこ
なせるレベルに達しているかどうかだと思っています。
そのレベルに達しているのは、英語、エスペラント、中国
語、韓国語、タイ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、
ロシア語の9つですね。
もちろん、わたしの愛用の辞書のなかには独独辞典や伊伊
辞典、露露辞典など、それぞれに揃っています。
エスペラントの単語をエスペラントで解説した大辞典、な
んてのもありますよ。マニアックでしょうか。
▼「外国語を学習するとき、紙の辞書のメリットは?」▲
学習に配慮した辞書であれば必ず、必須単語は詳しい解説
や多数の例文があり、おのずと行数も多いですね。
単語を辞書で引いたとき、記述の行数が多ければ、
「ああ、この単語はだいじな単語なんだな」
と、しぜんと納得感が得られるわけです。
この納得感というのは本能にビビッと来る。
だから辞書のページの風景のなかで多くの行数が充てられ
ている単語は、四の五の言わずに覚える気持ちになる。
これは、紙の辞書を使うから得られる感覚ですね。
電子辞書ではそうはいきませんよ。
電子辞書では、単語が「風景」を構成しない。
ひとつひとつの単語が、ぽつんと荒野のなかにいる感じ。
だから、ことばの なかで その単語がどんな位置づけなの
か、どんな大事さを帯びているのか、直感的な納得を得るこ
とができない。
だから、外国語の学習段階で電子辞書に頼るのはお勧めで
きません。
2人の娘にも「紙の辞書を引け」と言うのですが、なかな
か言うことを聞いてくれず、残念に思っています。
▼「最近の掘り出し物の辞書というと?」▲
ソウルに出張したとき、書店に行くと小学生用の国語辞典
(韓韓辞典)のいいのが出ていて、嬉々として買いました。
字が見やすく、解説の書き方も分かりやすい。
カラーの挿絵のある単語を重点的に攻めてゆけば、学習に
めりはりもつく。
フランス語、イタリア語、スペイン語の小学生用の国語辞
典(つまり仏仏、伊伊、西西ですね)も愛用しています。
イラストやカラー写真がたっぷり入って、楽しいですよ。
紙の辞書は、メリハリがつくし、楽しい。
これに尽きます。
===
▲ 後記 ▼
コラム子を漫画に描いてくださったのはありがたかったけ
ど、そこでぼくが喋るセリフがちょっと間違っているんです
ねぇ。
≪こんな調子でヘブライ語にも手を出してみたんですが、ヘ
ブライ語って母音を省いて表記するんですよ。≫
ここまでは、いい。
≪だから元の言葉がわからないと辞書が引けない。
ガ ー ン ! ≫
……というところは、ちょっと違うんですね。
子音文字だけ並んでいるのでも、辞書は引けます。
問題はですね、コラム子の外国語学習の楽しみであるとこ
ろの「音読」がヘブライ語の場合、そう簡単でないこと。
いならぶ子音文字にどんな母音を添えて読むか、いちいち
文法知識を駆使しなければいけない。
他の言語は「意味が分からなくても音読はできる」世界が
あるけれど、どうもヘブライ語は「意味がわかっていないと
音読そのものが成立しない」らしい。
これで、めげてしまったのです。
さいきんのコラム子のブログ記事から ――
98歳の台湾老人 聖書を毛筆で「写経」34年
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200802250000/
この記事は、好評でした。
ご老人と写経の成果の写真もありますので、ぜひご覧くだ
さい。
“賓州大学” って、どこの大学だい?
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200803040000/
中国語の奥の深さです。米国にある“徳州”って?
漢字音訳超絶技 “蕾絲邊” つぼみの糸のあたり、って?
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200803060000/
これって「レスビアン」のこと。奥が深いぞ!
武内陶子さんの背中を擦(す)った道後温泉の守護神(?)
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200803120001/
NHKアナウンサーの武内陶子さんの、ちょっといい話。
==
<泉 幸男 著>
『中国人に会う前に読もう 第一線商社マンの目』
『日本の本領(そこぢから) 国際派商社マンの辛口メモ』
通 信 販 売 も 受 付 中
http://homepage2.nifty.com/sai/mart/
==
■主宰 泉 幸男(いずみ・ゆきお)
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/
(旗艦ウェブサイト。これまでの号もここで見られます)
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/
(週に3回ほど更新しているブログ)
■発行者への通信は mailto:t-izumi@f5.dion.ne.jp
いただいたメールは、引用することがあります。
引用内容が政治性を強く帯びたものについては、掲載につ
いて ご本人の事前了解をいただくつもりですが、 この辺の
采配は発行者にお任せいただくしかありません。
発信者氏名は原則として公開しません。公開する際は、ご
本人の事前了解をいただきます。
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