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国際派時事コラム「商社マンに技あり!」


2008.06.30

<国際派時事コラム>法治国家の主語は「議院」なり


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       法治国家の主語は「議院」なり


■■■■第230号■■平成20年6月30日発行■■■◆




 民主党の 菅 直人(かん・なおと)議員が、いい反面教師
になってくれた。

「法に基づき三権分立にのっとった振るまいとは何なのか」
を学ばせてもらった。


■ 商社マンなら懲戒免職もの ■


 花岡信昭さんの6月25日の産経コラム「政論探求」。

 「菅さんのカン違い」と題して、5月15日に 国家「行政」
機関に闖入(ちんにゅう)した「立法」権者の越権について
書いてあった。

(↓全文は花岡信昭ブログ「はなさんのポリログ」に収録)
http://hanasan.iza.ne.jp/blog/entry/621875/


≪やや旧聞に属する話となってしまったが、言うべきはきち
んと指摘しておかなくてはなるまい。

ことは国政調査権とは何か、という重大な問題にかかわるか
らだ。

民主党の菅直人代表代行らが5月15日、さいたま市の国土交
通省関東地方整備局を「視察」した。


ここがタクシーチケットを野放図に使っていたことは指弾さ
れて当然だ。

だが、

「チケットの半券を出せ」
「個人情報につながるので出せない」
「それなら個人名のところを黒塗りにして出せ」

などと長時間の押し問答やもみ合いまで演じたのはいただけ
ない。≫


 菅議員と同じことを一商社マンのコラム子がやったなら、

 「思い上がったエリート商社マン
メルマガのネタ作り? 国交省でとんだ乱心騒動」

と週刊誌に記事が出て、コラム子は役員補佐に呼びつけられ
懲戒免職の一歩手前まで行くのではないか。

 菅直人さんが確信犯として査察まがいをやったのは、
「国会議員にはそれが特権として許されている」
と考えていたからだ。


■ 津々浦々で起きている騒動か? ■


 もしこれがほんとに「議員の特権」ならば、日本の津々浦
々で、野党議員が思いおもいに似たような騒動を起こしてい
ても不思議ではない。

 しかし現実には共産党の議員ですら、このような騒ぎを起
こしている風でない。

 やっぱり、菅直人さんって、おかしい、のだろうか。


≪この模様は報道陣に公開され、テレビでもやりとりが流さ
れた。

菅氏は昨年10月にも薬害肝炎問題で厚生労働省に乗り込み、
地下倉庫を見せろと迫ったことがある。

よほどこの種のパフォーマンスがお好みのようだが、これが
国会議員の国政調査権に基づくものと認識しているのだとす
れば、大きな勘違いだ。≫


 議員は国会の会期中、国会論戦のために行政機関への質問
を小出しにして、いたぶる。

 常日頃、行政官僚が議員のところに質問取りをしに来て、
それをああだこうだといたぶるのが議員秘書の仕事になって
いたりすると、議員個人が直接的に行政の上に立つような気
分になってしまうのだろう。


≪憲法62条には

「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、
証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができ
る」

とある。

気をつけなくてはいけないのは、「両議院」、つまり衆院と
参院に 国政調査権があるということであって、 個々の「議
員」にあるとは書いていない。

「質問主意書」も議長に提出し、承認を得て内閣に転送され
る。≫


■ 主語は「議院」。組織で動く ■


 そう言われて、はたと腑に落ちた。

 なるほど、立法府の議員の面々が個々人勝手に行政機関に
出没して、捜査や査察の真似ごとを始めたなら収拾がつかな
い。

 国会法を見たら、第103条にもっと明確に書かれていた。


 「各議院は、議案その他の審査 若しくは国政に関する調査
のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣
することができる。」(国会法 第103条)


 主語は「議員」でなく「議院」。
 組織で、動くのだ。

 議員がちょろちょろと個人単位で動いて行政機関にあれこ
れチョッカイを出せる世の中になったら、三権分立は崩壊す
る。

 主語はあくまで組織としての「議院」だ。

 組織としての議院から「派遣」されてはじめて菅直人議員
も国土交通省関東地方整備局に乗り込める。

 議員個人がテレビカメラマンを引き連れて捕物帖まがいを
行うことを、国憲はまったく想定していない。

 一商社マンがやったら懲戒免職になるようなことを、国会
議員が法的根拠もなしにやれる世の中になったら、法治は崩
壊する。

 とんだ「人治」の国になってしまう。


■ 院外では、ただの人 ■


 花岡コラムを続けよう。


≪自民党の 笹川 堯(たかし)衆院議院運営委員長は

「国会議員に院外での捜査権、尋問権はないはずだ」

と苦言を呈したが、これは笹川氏の言い分が正しい。


民主党側は 国交省国会連絡室が この視察当日に現場で提示
すると回答していた、としているが、もともと国交省側には
「議員の国政調査権」に従う法的義務はない。

民主党にはタクシー使い放題問題を摘発した「功績」がある
のは確かだろうが、こうした視察ならぬ査察まがいのことま
で国会議員に許されているわけではない。

政権を担当するとしている民主党だけに、権力の行使には一
定の節度がほしい。≫


 法治社会たる日本で、菅直人議員がやったのと同じことを
商社マンがやったら、会社からどういう処分を受けることと
なるか、民主党は党として調査をなさってみてはいかがか。

 そのうえで、それと同等の処分を菅直人議員に下すのが、
法治国の政党たる民主党の義務だと思うが、いかがか。


= = =


  ◆ 配信誌「商社マンに技あり!」の読者の集い ◆ 
 
(主催:配信誌主宰・泉幸男、協力:株式会社フェザード)


 お越しをお待ちしています。
            お申し込み、お待ちしています。


1.日時:7月19日(土)午後4〜6時(3時40分開場)

2.場所: 学士会館 203号室
      東京都千代田区神田錦町3−28
      (地下鉄「神保町」駅A9出口から徒歩1分)
   http://www.gakushikaikan.co.jp/info/access.html        
      
3.会費: おひとり 1,500円(会場代・資料代等)
      当日、会場でお支払いください。

4.プログラム:


第1部 語学のコツ講座 

    「英語のキモは句動詞 (phrasal verb) だ」

    語学に効果的な色ボールペンの使い方や
    辞書の選び方、使うコツについても解説します。


第2部 「現代詩の瞬間」

    7篇の詩の朗読をミュージカルふうに行う試み

    ロシア語、中国語、エスペラントの原詩と訳詩

    日本の戦後詩から ――

        吉野 弘 「夕方」
    谷川俊太郎「二十億光年の孤独」「顔」「間違い」


第3部 トーク 「17の質問」(ゲスト:香坂夏希さん)


ゲストの香坂夏希(こうさか・なつき)さんは、声優や舞台
のお仕事で活躍しているタレントです。

その舞台を拝見しブログでほめたのがきっかけで、所属プロ
ダクションさんとご縁ができました。

(香坂夏希さんのサイト↓)
http://www.feathered.com/talent/natsuki_k/


5.小学生およびそれ以下の児童の参加は、保護者の同伴が
  あっても一律にお断りします。ご了承ください。

6.参加申込み:

参加のお申し込みは以下のアドレスに、お名前(本名)と
お住まいの都道府県をお知らせください。定員は96名です。
mailto:t-izumi@f5.dion.ne.jp

(↑クリックするとメール画面がひらきます。
ないしは、この配信メールに単純に返信する形で送っていた
だいても、当アドレスに届きます。)


===


▲ 後記 ▼

 
  さいきんのコラム子のブログ記事から ――


「ふるさと納税」は使い道メニューを提示してもらってから
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200806050000/

 わたしがかりに「ふるさとと認識する市町村への、税金控
除を前提とした寄付」を行うとしたら、生まれ故郷で本籍地
でもある松山市ではない。

 もっと貧しい、 かつての上浮穴(かみうけな)郡 小田町
(おだちょう)大字寺村(おおあざ てらむら)だ。

 父の生まれ故郷であり、その生家に今もわたしのいとこが
住まっている。


ガソリンに水素をまぜる「水素カー」
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200806070000/

 水素を使う燃料電池車も、アナログ高品位テレビのような
ものではないかと思えてきた。

 白金(はっきん)などの高価なレアメタルの使用が災いし
て、燃料電池車は1台1億円とさえささやかれている。

 レアメタルの稀少性は増すばかりだから、燃料電池車とい
うのは原理的に無理なのではないか。


栄養不良幼児のための最良の援助物資は 
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200806150000/

 低開発国の飢えたる子供たちへの援助食糧として最良のも
のは何か。

 現状では、栄養強化した小麦粉が援助食糧の主力だ。
 国際機関による援助で使われる標準品になっている。

 栄養からいえば、とりわけ3歳までの子供たちには粉ミル
クが望ましいのだが、不衛生な水に溶かしてそのまま飲んだ
り、溶かしたミルクが腐敗したのを飲んだりして、そのため
にかえって命を落とす子供がいる。

 ミルクは援助に使えないのか?

 10年前にフランス人アンドレ・ブリアン(Andre Briend)
氏が考案した画期的な栄養食品がある。


タバコは衰退産業の極みだが
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200806170000/

 日本たばこ産業(世界第3位)が世界第5位の英国ギャラ
ハー社を2兆2500億円出して買収すると平成18年12月に発表
したときには、

「あぁあァアぁ、メリル・リンチの口車にJT勤務の無責任
官僚たちが踊らされて、よりによって衰退産業で日本経済史
上最大の会社買収のバクチかよ……」

と思ったものだ。

 先進国ではこれ以上儲からないから、英ギャラハー社が強
いロシア・東欧などで喫煙者を搾取して利益を上げようとい
う話で、無謀かつ不届きなる発想だ。


==


<泉 幸男 著>


   『中国人に会う前に読もう  第一線商社マンの目』 

『日本の本領(そこぢから)  国際派商社マンの辛口メモ』

               通 信 販 売 も 受 付 中
         http://homepage2.nifty.com/sai/mart/


==

■主宰   泉 幸男(いずみ・ゆきお)

http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/
(旗艦ウェブサイト。これまでの号もここで見られます)
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/
(週に3回ほど更新しているブログ)

■発行者への通信は mailto:t-izumi@f5.dion.ne.jp
 いただいたメールは、引用することがあります。
  引用内容が政治性を強く帯びたものについては、掲載につ
いて ご本人の事前了解をいただくつもりですが、 この辺の
采配は発行者にお任せいただくしかありません。
  発信者氏名は原則として公開しません。公開する際は、ご
本人の事前了解をいただきます。
  掲載するメールは、発信者の居住地名(市ないし県名)を
できるだけ書かせていただきたく、それについてお問合せを
することがあります。

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