2008.08.04
<国際派時事コラム>北京オリンピック報道に望むこと
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北京オリンピック報道に望むこと
■■■■第235号■■■平成20年8月4日発行■■■◆
先週、米国の下院は「中国よ、約束を守れ」という決議を
419 対 1 の圧倒的多数で可決した。
いまの中国は「ウソつき」だ、と言うとるのですな。
オリンピック開催国に名乗りをあげたとき、中国は約束し
たじゃないか。
平和の祭典のあいだ、開かれた国となり、人権を尊重し、
言論の自由を確保し、平和的政治活動を許すと。
たとえ、それを言ったほうも言われたほうも、本気にして
はいなかったとしても、約束は約束だ。
■ 歴史をもって鑑とする ■
そういう歴史的経緯があって北京開催が認められたことを
きちんとかえりみるのが、
江沢民(こう・たくみん)同志の口癖
“以史為鑑”
「歴史をもって鑑(かがみ)とする」
の実践であるはずだが、
江沢民同志の教えを守るのは米国だけだ。
下院決議に先立ち7月29日にはブッシュ大統領が、魏京生
(ぎ・きょうせい)さんら5人の民主活動家と会った。
オリンピックの開会式に何としても来てもらいたいから、
ブッシュ大統領のことを、いま北京政権は批判できない。
この辺のタイミング選択とバランス感覚を、日本はどうし
て見習えないのか。
和気藹々(わきあいあい)が座右の銘の首相ではムリと知
りつつ、ため息が出る。
■ 外国人記者のサイト閲覧も制限 ■
オリンピック開催にあたって、北京政権が約束したことの
数々が軒並み空手形(からてがた)だったとしても、
さすがにオリンピック村のプレスセンターのインターネット
接続にまで露骨に規制が維持されようとは、これは想定外だ
った。
プレスセンターに集まる2万人の外国人ジャーナリストた
ちは、チベット問題や天安門事件、民主化運動、台湾独立や
法輪功の関連サイトを、いまだに見ることができない。
プレスセンターがオープンした7月25日当初は、人権団体
「アムネスティ・インターナショナル」やBBC中国語版、
Radio Free Asia などのサイトも見られなかったが、多方面
からの抗議の末にこれらは8月1日になってようやく閲覧で
きるようになった。
いじましい、というしかない。
自由の国から来た2万人を、ほんのたまさか情報隔離した
ところで、北京政権は笑いものになりこそすれ何もトクをし
ないと思うが。
オリンピックでは選手たちの活躍ぶりもさることながら、
インターネットのサイト閲覧の制限状況を日々報道してもら
えないものだろうか。
■ 紳士は鼻であしらわれ ■
国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長
(Jacques Rogge, ベルギー王国の伯爵)は、7月なかばに
「外国人記者がつかうインターネットに検閲は行われない」
と言い切っていたのだが、このざまである。
プレスセンターのオープン後、多くのサイトが閲覧不可状
態であることに対して、中国当局は当初
「問題は個々のサイト側にあるのだろう。
中国側では接続制限は行っていない」
と、とぼけたことを言っていた。
こういう見え透いた、その場しのぎにもならぬウソを言う
ところがまた、いじましい。
7月30日になって中国当局は本性を表わし、
「オリンピック報道に不必要で、中国の法律に違反したサイ
トは、閲覧させないのである」
と居直った。
国際オリンピック委員会の抗議など鼻であしらう国で、紳
士・淑女の祭典を開くのは、やはり時期尚早だったのだ。
■ 台湾の先住民族の踊り ■
8月8日の開会式には台湾の国会議員の曲者(くせもの)
高金素梅さん率いる 100名あまりの先住民族ダンサーたちの
踊りが披露されることになっている。
たぶん、チベットやウイグルの踊りもあるのだろう。
どうせNHKやTBS、テレ朝などのアナウンサーたちは
「中国の少数民族の踊りです。
待ちに待ったきょうの喜びを表現しています」
みたいなことを言うのだ。
想像しただけで、気が滅入る。
台湾の先住民族は、けっして「中国の少数民族」ではない
が、この辺のポイントをしっかりおさえた解説をやれるテレ
ビ局が日本にあるだろうか。
要注目だ。
いっそのこと、
“北京奥運会”は漢人の祭典だ!
と、ホンネ丸出しでやってくれたほうが、気が楽だ。
中国では2度とオリンピックはやっちゃいかんと、世界の
人たちが気づくだろうから。
===
▲ 後記 ▼
さいきんのコラム子のブログ記事から ――
7月19日開催の「読者の集い」のアンケートから(3)
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200807280000/
つまるところ、初志貫徹です。
「ザ・マジックアワー」 伊丹十三映画の生れ変り
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200808030001/
不思議の国のようなセット。劇中映画のかずかず。
演劇気分が溢れ、映画を作ることへの愛が炸裂していると
ころは、まぎれもなく三谷幸喜作品だけど、ぼくには、伊丹
十三(じゅうぞう)映画の生れ変りのように思えた。
==
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『中国人に会う前に読もう 第一線商社マンの目』
『日本の本領(そこぢから) 国際派商社マンの辛口メモ』
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