2007.10.03
講談社「ミステリーの館」2007年10月号
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・:*:`☆ 【講談社ミステリーの館】2007年10月号 ・:*:`★。
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講談社ミステリージャンルのメールマガジンです(毎月1回3日配信)。
ノベルス・単行本情報が中心。
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★★..;☆.. 今号の目次 ..☆;..★★
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1【10月新刊発売情報】
2【今月の大広間】 ■1島田荘司さん登場!
■2綾辻行人さん登場!
3【こんな処に隠し部屋】 ■西尾維新さん新作!
4【壁に耳あり、障子に目あり】■古野まほろさん登場!
5【よもピーの大部屋】 ■中国に日本の本格ブームは来るか?
6【今月の別荘】 ■1清涼院流水さんサイン会“名古屋どーも”
■2ノベルス25周年記念サイン会情報8連発
7【雇われ管理人室から】 ■販売担当日誌
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★★..;☆..10月新刊発売情報 ..☆;.. ★★
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〈講談社ノベルス〉7点 10月6日頃発売
●『転生』篠田節子
謎の死から十数年、チベット・タシルンポ寺院霊塔で、突如金色のミイラ、パン
チェンラマ十世が甦った。中国政府に虐げられたチベット人民は救いを求めるが、
肝心のラマは食べ物と女にうつつを抜かし、かつての高僧とは別人のよう。寺院
の小僧・ロプサンは、何の因果かラマのインド亡命という危険な旅に付き合うは
めになって……!?
●『十津川警部 金沢・絢爛たる殺人』西村京太郎
都内のビル屋上で加賀宝生流に係わる男が能面姿のまま殺された。殺害前の男の
舞いを見た異国の大統領には学生時代に金沢滞在経験があるという。事件解決の
鍵が金沢にあると考えた十津川警部は現地へ向かうが、そこで大統領が昔愛した
女性の失踪を知る。さらには大統領の不審な行動が明らかに。限りなく広がる事
件の闇に迫る十津川であったが、彼の前に思わぬ難敵が現れる!
●『天帝の愛でたまう孤島』古野まほろ
名門勁草館高校・吹奏楽部と生徒会の面々は、子爵令嬢修野まりの誘いで、孤島
にそびえる「天愛館」で優雅なバカンスを過ごすはずだった。しかし次々とメン
バーが姿を消し、連続密室殺人劇の幕が上がる。犯人は血に飢えた死神仮面!?
事件の謎を追う古野まほろに突きつけられた、過酷な真実とは……!?
●『死都日本』石黒耀
20XX年、天孫降臨伝説で有名な宮崎県の霧島火山に噴火兆候が現れる。普通
の火山活動と思われたそれは、やがて驚くべき霧島の正体をあばきはじめた。高
まる緊張。募る不安。そして迎えたXデー……。多くの人々の災害観を圧倒的な
筆力と、怒涛の理論展開で覆し、火山学者に激賛された第一級のクライシスノベ
ル誕生! 第26回メフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞、日本地質学会表彰受賞作。
●『列車消失 綾辻・有栖川 復刊セレクション』阿井渉介
渓谷を走る7両編成の列車から、6両目だけが抜きとられ、36人の乗客と共に
消えた! 巨額の身代金の受け渡しに寝台特急「日本海2号」が指定され、日本
海沿いを走る列車に異変が続発。同じ男が2度列車に飛び込み自殺をし、あろう
ことか、轢断された胴体だけが車内を歩く! 大トリックの連打、逆転また逆転!
●『消失! 綾辻・有栖川 復刊セレクション』中西智明
高塔市――赤毛の人々が数多く住む奇妙な街で、その事件は起こった。美しい赤
毛の持ち主ばかりを次々に殺害し、忽然と「消失! 」する黒ずくめの男の謎。
痕跡ゼロ、関連性ゼロの完全犯罪に名探偵新寺仁が挑む! ミステリマニアの間
で伝説と化していた本書が今また甦る!
●『聖女の島 綾辻・有栖川 復刊セレクション』皆川博子
修道会により、絶海の孤島に建てられた更生施設。盗みや恐喝を重ね、幼くして
性の歓びを知る31人の少女たちが聖女のもとで暮らしていたが、3人が死亡、
ホームは炎に包まれ、悪魔の罠ともいうべき悲劇に見舞われる! 28人になっ
たはずの少女たちが何度数え直しても31人いる……! 甘美な謎に満ちた傑作
幻想ミステリー。
〈講談社ノベルス〉1点 10月11日頃発売
●『不気味で素朴な囲われた世界』西尾維新
時計館が修理されない
上総園学園の二学期の音楽室。
そこから始まった病院坂迷路と、串中弔士の関係。
歪な均衡を保つ学園の奇人三人衆、串中小串、童野黒里、崖村牢弥。
そして起こってしまった殺人事件。迷路と弔士による探偵ごっこの
犯人捜しが始まり、崩れたバランスがさらに崩れていく……。
これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ!
〈講談社文庫ピックアップ〉10点 10月16日発売
●『暗黒館の殺人(一)』綾辻行人
山深い森の中、隔絶された湖の小島にその館は建つ。光沢のない暗黒色に塗られ
た異形の屋敷、暗黒館。浦登家当主の息子に招かれた学生・中也は奇妙な宴に参
加する。
●『暗黒館の殺人(二)』綾辻行人
初代当主浦登玄遙が建て、建築家中村青司が改築したという暗黒館。<ダリアの
日>という儀式で怪しげな肉を供された中也の目の前で、浦登家の暗部が口を開
ける。「館」シリーズ最大の話題作を四分冊で文庫化。
●『十角館の殺人<新装改訂版>』綾辻行人
大学ミステリ研究会の七人が訪れた十角形の奇妙な館の建つ孤島・角島。メンバ
ーが一人、また一人、殺されていく。「十角館」の刊行から二十年。あの衝撃を
再び!
●『プラトン学園』奥泉光
日本海の孤島にあるプラトン学園に赴任した木苺は、前任者の死をめぐる騒動に
巻き込まれ……。パソコン上のヴァーチャル学園に溶解するアイデンティティの
行方。ネット社会の陥穽を予言するサイコミステリ。
●『文庫版百器徒然袋−風』京極夏彦
京極堂こと中禅寺秋彦も閉口する、調査も捜査も推理もしない天下無敵の探偵・
榎木津礼二郎。理解を超えた行動が炸裂する『五徳猫』『雲外鏡』『面霊気』の
三編。薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が再び大活躍!
●『藁の楯』木内一裕
全ての殺意が一人の男に向けられる。2人の少女を惨殺した男に10億円の値が
ついた。守る価値のない男の楯になる5人の警官。良心の意味を問う極限の警察
小説。
●『『クロック城』殺人事件』北山猛邦
現在、過去、未来を刻む三つの大時計を戴くクロック城。世界の終焉の鍵を握る
この城で、謎の鐘の音と共に二つの首なし死体が現れた。メフィスト賞受賞の衝
撃作。
●『猪苗代湖殺人事件』津村秀介
湖畔で発見された美女と詐欺師の死体。ふたりの傍らにあった不可解な人物リス
トはなにを意味する? 浦上伸介が行き当たったのはあまりに入り組んだ犯罪だ
った!
●『街角の犬』鳴海章
ガソリンに溶ける新種の覚醒剤〇八八二。その密売組織を追う警視庁の宇崎の周
囲に不可解な出来事が……。正義と欲望のはざまに懊悩する男がたどり着く先に
は?
〈海外作品〉
●『ミラー・アイズ』アリソン・ゲイリン著 公手成幸訳
女教師・サマンサはハドソン河畔の不法投棄現場で不気味な眼光の男を目撃。や
がて発見された幼女の遺体は眼がくり抜かれていた。新星が描くサスペンスホラ
ーの快作。
●『殺人者は夢を見るか(上)』ジェド・ルーベンフェルド著 鈴木恵訳
二〇世紀初頭のニューヨーク、連続殺人魔に襲われた女性をたまたま米国で講演
をするために滞在中のフロイトが治療にあたるが……。ノンストップサイコミス
テリ。「このミステリーがすごい! 」我が社の隠し球、いよいよ登場。
●『殺人者は夢を見るか(下)』ジェド・ルーベンフェルド著 鈴木恵訳
美しき被害者のカウンセリングは思うように効果を上げず、同行者の弟子ユング
は不穏な言動を取り始める。フロイトの講演を妨害しようとする闇の勢力の狙い
は? フロイトが殺人者の深層心理を曝きだす!
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★★.☆今月の大広間1◆☆;.島田荘司さん登場! ★★
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10月9日(火)に御手洗潔シリーズ最新作『リベルタスの寓話』が発売される
島田荘司さん。新刊発売にあたりミス館読者のために、島田荘司さんからコメン
トを戴きました。それでは島田さん、お願いします!
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本書は最近多くなっている中編集で、現時点(二○○七年夏)においては最新
刊になります。「クロアチア人の手」と、「リベルタスの寓話」という二つの中
編で構成されており、広い意味では二十一世紀本格の作例ですが、そうした点ば
かりではなく、われわれの暮らす複雑な現代を描くことに、気分の重心がありま
した。
「クロアチア人の手」では、「底のつながったふたつの水槽」というイメージが
ずいぶん長く脳裏にあり、別々の部屋にあるふたつの水槽をめぐって、不可解現
象が起こるとしたら……というテーマをずっと考え続けていました。十年以上考
え続けてもなかなかできずにいましたが、「二十一世紀本格」という発想を得た
ことにより、いともたやすく実現できました。最新科学がこの謎を解いてくれた
のです。
「リベルタスの寓話」は、まさに二十一世紀本格の範疇だと思いますが、ここに
現れてくる医学の知識はかなり古典的なもので、二十世紀からよく知られていま
す。とはいえ、それほどありきたりなものではありませんから、中編のひとつく
らいなら充分支えられたでしょう。
さらなる二十一世紀型の科学として登場するのがコンピューター・ゲームで、国
境を越えて参戦するオンライン・ゲームのありようや、その中でのみ通用してい
たはずの仮想通貨がリアルマネーとして売買が始まり、ついに現実世界にはみ出
して威力を発揮しはじめた現実に、興味を持って書きました。
PC内部の仮想通貨が現実社会の浸食を始めたように、人間の生活も、文字に置
き換えたら仮想のものとの区別などは感じられず、どちらが現実かがみるみる不
明となります。鏡で作った迷宮のような、こうしたわれわれの二十一世紀も描い
てみたかったのです。
ちなみに本作に登場するドゥブロブニクという自治都市は欧州に実在し、小説に
描かれたような知的で精密な方法によって民族の平等と自由とを堅持したことは
事実ですが、プロローグののちに展開するブリキ人間リベルタスの伝承の物語は、
まったくの創作です。こちらは本書の後書きでも触れましたが、雑誌発表以降、
この点をたびたび尋ねられ、欧州史を学習しようとする読者諸兄姉に、この小説
に書かれている事柄をすべて事実と理解されると問題が生じそうなので、事実と
虚構との境界を明示しておきます。
これらの諸要素に、民族紛争という非常にやっかいな消耗戦を終えたばかりのボ
スニア・ヘルツェゴヴィナの一都市モスタル、これに今日も市民を縛す怨念の残
滓を重ね合わせると、複雑に絡み合う悲惨な物語が像を結びました。
まだあらゆるものが未発達だった中世、この地域に存在し得た高度な理想が、近
代に向けて人が成長するにつれ、民族愛という正義と道徳により、抗しがたく動
物以下の卑しさにと転落する仕組みも、このふたつの中編によって浮き彫りにし
てみたかったのです。
<島田荘司>
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★★.☆今月の大広間2◆☆;.綾辻行人さん登場! ★★
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8月に発売された『アヤツジ・ユキト 1996−2000』『アヤツジ・ユキ
ト 2001−2006』『復刻版 アヤツジ・ユキト 1987−1995』
が絶好調、そして2カ所で行われたサイン会も大盛況だった綾辻行人さん。
今回、ついに『暗黒館の殺人』が文庫化されます。文庫化にあたりミス館読者の
ために、綾辻行人さんからコメントを戴きました。また、あわせて講談社文庫出
版部の唐木からのコメントもお届けします。それではまず綾辻さん、お願いしま
す!
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「館」シリーズNO.7『暗黒館の殺人』が文庫になります。4分冊で、2カ月
にまたがっての刊行です。
こう云うと「えー?」と目を剥く人が多そうですが、初めて読む「館」が『暗黒
館』であっても良いはず、と僕は考えています。これまでのシリーズが未読でも、
単体で充分に楽しめるように計算して書いた作品でもあるからです。
シリーズの集大成的な大長編なので、これまでの作品を読んでいればなおさら楽
しめる、という部分は確かにあります。しかし逆に、最初に『暗黒館』を読んで、
そのあと『十角館の殺人』から始まる作品群を読んでいくと、普通のシリーズ読
者とはまるで異なる妙な体験が得られることになるはず、なんですね。
今この文章を読んで「それは違うだろう」と思った人、あなたはすでにシリーズ
の他作品を読んだうえで『暗黒館』を読んでいますね? そのように読んでしま
った以上、そうではない場合を実体験することはもはや不可能、従って本当に
「違う」のかどうかを正しく判定することもまた不可能……でしょう? これを
「暗黒館のパラドックス」といいます(笑)。
ゴシックロマン調の長大な小説がお好きな方、ここは思いきって一度、『暗黒館』
から「館」シリーズに入ってみてはいかがでしょうか。いきなりこんな長い小説
を読むのはちょっと腰がひける、という方は、この10月に〈新装改訂版〉が出
るシリーズ第1作『十角館の殺人』から、ぜひどうぞ。
<綾辻行人>
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「ミステリーの館」読者の方には、久しぶりのご挨拶となります。講談社文庫の
唐木です。この10月に綾辻行人さんの『暗黒館の殺人』がいよいよ文庫となっ
て登場いたします。個人的な話で恐縮なのですが、『暗黒館の殺人』のノベルス
が出版されたときは、私は文芸図書第三出版部(講談社ノベルスの出版部です)
におりました。そして、文庫版がでる今、ちょうどタイミングを計ったかのよう
に文庫出版部に移ってきました。そんなこともあって、この本とは深い縁がある
と勝手に思っております。
ノベルス版を出版したときの感激は、いまでも明瞭に覚えております。完成を伝
えてくださった綾辻さんの声も、サイン会であった皆さんのことも、刊行のプロ
モーションとして綾辻さんが出演した「クイズ!ヘキサゴン 東大vs京大大会」
のことも。
あれから3年がたって、文庫版を刊行するにあたり、『十角館の殺人』の新装版
を出させて欲しいと、綾辻さんにお願いしました。ずっと長く版を重ね続けてい
る作品ですが、今の若い読者に、あらためて「あの一行」の衝撃を味わってもら
いたかったのです。ちょうど今年は、綾辻さんのデビュー20周年=「新本格」
20周年にあたります。ミステリーの世界に限らず、一群の作家とその作品がム
ーブメントとなり、ネーミングがされることは今までも何度もありました。ただ、
これほど定着し、その後も影響を与え続けたのは、「新本格」以外にないと思い
ます。
この10月から、全国の書店で「新本格20周年フェア」を行います。このメル
マガの読者にとっては、既にお読みになっている作品ばかりかもしれませんが、
万一まだお読みになっていないものがあったら、この機会にぜひ。
<講談社文庫出版部部長 唐木厚>
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★★.☆こんな処に隠し部屋◆☆;.西尾維新さん新作! ★★
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今月の西尾維新さんはすごい。新刊『不気味で素朴な囲われた世界』を講談社ノ
ベルス版とハードカバー版で同時刊行、そして『きみとぼくの壊れた世界』もハ
ードカバー版で刊行します! さらに『西尾維新スターターパック』の発売、デ
ビュー5周年フェア開催と、本当に盛りだくさんです。
今回は『不気味で素朴な囲われた世界』の発売にあたり、ミス館読者のために、
西尾維新さんからコメントを戴きました。また、あわせて講談社BOXの太田、
文芸図書第三出版部の安藤からのコメントもお届けします。それではまず西尾さ
ん、お願いします!
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こんにちは、西尾維新です。
『不気味で素朴な囲われた世界』がついに発売の運びとなりましたので、ご挨拶
にうかがいました。『不気味で素朴な囲われた世界』、略して『ぶきそぼ』。ま
あ2003年に出版していただいた『きみとぼくの壊れた世界』と同系統のお話
なのですが。
多少裏話をしますと、当初『きみとぼくの壊れた世界』の世界観はシリーズ化す
るつもりはまったくなく、単発で終わらせるはずだったのですが、その本の表紙
及び扉絵を担当してくださったTAGRO先生のイラストに惚れ込んで、「また
TAGRO先生にイラストを担当して欲しい! 」という気持ちから続編タイト
ルを予告したというのが、『不気味で素朴な囲われた世界』執筆のきっかけです。
タイトル発表から発売まで、結構時間が経ってしまいましたが……また、その内
にミステリーシーンを取り巻く環境も随分とまた変わってしまいましたが、しか
しまあそれはともかく、『不気味で素朴な囲われた世界』に対して描いていただ
いたTAGRO先生の素晴らしい仕上がりのイラストを見て、僕の判断は間違っ
てなかったのだと安心しました。探偵役の病院坂迷路を始めとする、描かれたキ
ャラクターを見せてもらったときは、「ああ、この小説を書いてよかったなあ」
と、作家冥利に尽きる思いでした。その上今回は前作と合わせてやたら格好いい
ハードカバー版も一緒に出していただけるということで、なんというか、とても
幸せですね。
しかしこうなるとまた同じ気持ちになってしまうのが人情というもので、『きみ
とぼくの壊れた世界』・『不気味で素朴な囲われた世界』は二部作で終わらせる
つもりだったのですが、もう一回! 同じ世界観で推理小説を書いてみたくなっ
てしまいました。
タイトルは『きみとぼくが壊した世界』。
発表がいつになるかというのは例によってわかりませんが、それまで『不気味で
素朴な囲われた世界』を読みながら、お待ちいただければと思います。
それでは。
<西尾維新>
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『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』
ハードカバー版の出版によせて
僕が編集をするときには、たいていの場合は、原稿を読んでいる瞬間瞬間に、本
の完成形のイメージが矢継ぎ早に届いてきます。そして2003年の秋、今や
「西尾維新の最高峰」との呼び声も高い傑作である『きみとぼくの壊れた世界』
の原稿を読んでいたときに浮かんできた本のイメージ、それはハードカバーのも
のでした。
あの作品は、すべてが過ぎ去った今になって正直に告白すれば2003年当時の
我々(と、あえて呼ばせていただきたい)にとってはあまりにも巨大だったミス
テリ・シーンという状況に対する捨て身のカウンターでした。そして自滅覚悟で
渾身のカウンターを放つならば――相手の心臓しかないだろう、というお互いの
ぎりぎりの思いに則って、当時から一貫してミステリの牙城であり続けてきた講
談社ノベルスを発表の場としてあえて選ぶことを最終的に決断しました。その判
断は今でも正しかったと考えています。
しかしその日以来、編集者としての僕は、本作りを行っていく上でこの上なく大
事にしている自らの直感を自らの都合で捻じ曲げ、そのエゴによる判断を著者で
ある西尾さんと読者に一方的に押し付けてしまったのではないか、という忸怩た
る思いに囚われ続けてきたというのもまた厳然たる事実でした。
ですから西尾さんのデビュー五周年を機にしたこの『きみとぼくの壊れた世界』
のハードカバー版のリメイク出版、そして続編である『不気味で素朴な囲われた
世界』のハードカバー版(のノベルス版との同時)出版は、あのときの編集者と
しての僕の直感の四年越しの現実化であり、西尾さんとの四年越しの約束の現実
化でもあります。その四年間の思いをこめてこだわり抜いたデザインは、講談社
ノベルス版『きみとぼくの壊れた世界』のデザインも手がけていただいたデザイ
ナーの斉藤昭さんの手腕によって、いつまでも本棚のいい位置に置いておきたく
なるような最高の本として仕上がっています。
『きみとぼくの壊れた世界』と『不気味で素朴な囲われた世界』。
この二作品は、この時代に今あえて問う「本格ミステリ」の傑作です。
「本格ミステリ」を愛するすべてのあなたに。
そして西尾さん、デビュー五周年、本当におめでとうございます。
<講談社BOX部長 太田克史>
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西尾維新さんが『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』でデビューして、
今年で五年を迎えます。小説界をデビュー以来全力で駆け抜けてきた、そんな西
尾さんへの感謝の気持ち、そしてここまで西尾さんを応援して下さったファンの
皆様へ「これからも西尾維新をよろしく」という気持を込めて、「西尾de G
O!デビュー5周年フェア」をこの10月から全国各地の書店で展開いたします。
西尾作品の全作品展開ほか、「The Text of NISIOISIN」
と銘打った、西尾さんの5年が分かる小冊子、西尾さんご自身に掲載キャラ
クターと、名台詞を選んで戴いた特製しおり(10種類)が書店店頭で配布され
ます。「戯言シリーズ」と、「刀語」の等身大ポップもついにお目見えです。
そして『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』『刀語 第一話 絶刀
鉋』、特製しおり(10枚)、スペシャルシールと竹さんの描き下ろしイラスト
が入った特製袋をセットにした『西尾維新スターターパック』を限定5555部
で発売いたします。これらか西尾さんファンになるのであれば、まずこの2冊か
ら、ということで作らせて頂きました。店頭で見かけたらぜひお手にとってみて
ください。
また、このたび講談社ノベルス20作目となる『不気味で素朴な囲われた世界』
が刊行されます。本作は『きみとぼくの壊れた世界』に続く2作目。内容もさる
ことながら、デザイナーの斉藤昭さんには、今回もTAGROさんの素晴らしい
イラストを最高に格好良くデザインして戴きました。このような記念すべき作品
が本格ミステリーであることに、「ミステリーの講談社ノベルス」を作っている
身としては非常に嬉しく思っております。
同時に、講談社BOXより『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われ
た世界』のハードカバー版も出版されます。これが出版される経緯については
「『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』ハードカバー版
の出版によせて(講談社BOX部長 太田克史)」をお読み戴ければと思います。
こちらも、この両作品の内容に相応しいとても素晴らしい造本となっております
ので、ぜひお手にとって戴ければと思います。
すでに西尾さんのファンの皆様も、まだその作品を読んだことのないこれからの
ファンの皆様も、この機会に西尾維新さんの作品にぜひ触れてみてください!
<文芸図書第三出版部 安藤茜>
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『西尾維新スターターパック』の詳細はこちら↓今すぐチェック
http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/nisioisin/
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★★.☆壁に耳あり、障子に目あり◆☆;.古野まほろさん登場★★
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第35回メフィスト賞を受賞した『天帝のはしたなき果実』でデビューした古野
まほろさん。今月はやくも第3作目『天帝の愛でたまう孤島』が発売となります。
発売にあたり、ミス館読者のために、古野さんよりコメントを戴きました。それ
では古野さん、よろしくお願いします!
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秋のそらは怖いほど澄んで、旧市街の石畳はたちまちに秋色。マロン・ショー
の恋しいときが、またやってきました。
さて、前回も申し上げましたが、探偵小説は何よりも遊技です。
つまりそれは、伝統芸能としての型が支配する夢です。
だから、こだわってきました。クローズド・サークルにこだわってきました。
コンサートホール。寝台列車。
そしてお届けするのは、孤島です。
孤島こそ探偵小説が道成寺。この大曲を、型破れに、形無しとなることなく。
それはまた自分の夢でもあります。
そして唐突ですが、人間は哀しいものです。たがいに理解しあいたいと願いな
がら、けっしてたがいに理解しあえることはない。あらゆる善意は、破局のため
に用意されています。しかしすべての破局は、断じて人間の性、悪たることを証
明するものではありません。人間は、生きている限り独りです。芥川のいうよう
に、莫迦莫迦しい気を遣いながら、破局のために善意を積むものです。だからと
いって、いやだからこそ、人間は崇高なのです。だから、悲劇になりました。こ
れも因果でしょう。
そして最後に。
今回の作品、最大の妥協の在り処を察してください。ひとの善意が罪となって
ゆく、その様をどうぞ御覧ください。しばらくはこれで失礼します。御健勝と御
発展を祈念しつつ。
古野拝
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★★.☆よもピーの大部屋◆☆;.中国に日本の本格ブームは来るか? ★★
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先日、北京の出版社を訪れる機会があり、小さい新興の出版社ではありますが、
日本のミステリーに興味を持っている若い経営者や編集者の方とお話しすること
ができました。
全般的に言えば中国では韓流ブームが終わり、次はミステリーか? ライトノベ
ルか? という感じだそうですが、そういう流行とは別でも、クリスティなど欧
米の翻訳ミステリーを読んできた若者、特に大学生などのインテリ層が次に読む
本格ミステリーを求めているそうで、台湾からの影響もあり(字体は違うとはい
え中国語に訳されているものも多いので)、日本の本格ミステリーへの期待を非
常に強く感じました。
島田荘司さんの翻訳をシリーズ化したいという若い女性の編集者は、島田さんの
本を出すためにその出版社(早川書房さんのポケミスのようなシリーズを刊行中、
今後は日本の本格ミステリーを出したいという出版社)に入ったと言っていまし
たし、ミステリー専門雑誌の編集部にはミステリー作家志望で今は編集者をして
いるという若い方がたくさんいました。そういう若い才能がお互いに切磋琢磨す
る環境も徐々にできてきているようで、昔の京大ミスエリー研のような梁山泊に
なってくれる可能性も高いと思いました。
近いうちにお互いに翻訳しあったり、作家同士や編集者同士が話し合ったり、そ
ういうチャンスを作ることも、自分たちの役割だと気持ちになると同時に、狭い
日本に留まらず世界でも通用するミステリーを出していかなければいけないと、
あらためて強く思いました。
<文芸図書第三出版部 蓬田勝>
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★★.;☆.今月の別荘1●清涼院流水さんサイン会“名古屋どーも”☆;.★★
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名古屋のみなさま、“どーも”大変長らくお待たせしました!!
12カ月連続刊行企画“大河ノベル”2007『パーフェクト・ワールド』刊行
を記念し、12カ月連続サイン会“どーもツアー”を敢行中の清涼院流水氏が、
満を持して日本列島の中心、中部地方は名古屋にやってきます!
物語も最高の盛り上がりを迎える10月に、最高のサイン会を名古屋で開催しよ
う! と、清涼院流水氏もスタッフも、やる気満々!
名古屋と言えば、名古屋コーチン、みそかつ、きしめん、ういろう……。食欲の
秋盛る名古屋を満喫する準備も万端です!
そんなわたしたちを「ゥェゥカム・トゥ・ナゴヤ」と温かく迎えてくださるみな
さんにお会いできることを、一同心より楽しみにしています。
さらに今回は中部地方での開催にあたり、清涼院氏からの感謝の気持ちを込めて
『パーフェクト・ワールド Book.10』の表紙シールを、ご来場いただい
た方全員に特別プレゼント!
いよいよ残り冊数も2冊となった10月、完走まであと少しの清涼院氏に、みな
さんからのアツいエールをお願いします! 名古屋のみなさん、いや中部地方の
みなさん! 10月20日は“名古屋どーも”にぜひぜひお越しください!
※詳細情報は、こちらのメルマガ及び講談社BOXのWEBページにて随時発信
しております。チェックをお忘れなく!
http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/
■清涼院流水さん大河ノベル『パーフェクト・ワールド』刊行記念サイン会
10月20日(土)14時〜 星野書店 近鉄パッセ店
名古屋市中村区名駅1−2−2 近鉄パッセ8F
電話:052−581−4796
※サイン会の対象書目は、星野書店近鉄パッセ店でお買い上げの『パーフェクト
・ワールド』シリーズとさせていただきます(何巻目でも構いません)。
※整理券が必要です(先着100名様限り。ただしサインはお一人様3冊までと
させていただきます)。詳細は書店にお問い合わせ下さい。
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★★.;☆.今月の別荘2 ●ノベルス25周年記念サイン会情報8連発★★
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講談社ノベルス25周年記念イベントとして、サイン会の詳細がぞくぞくと決定
しております! ぜひミス館読者の皆様の参加をお待ちしております。
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■『蜘蛛の糸は必ず切れる』刊行記念 諸星大二郎さんサイン会
日時:2007年10月6日(土)15時〜
会場:アバンティブックセンター 京都店
京都府京都市南区東九条西山王町31
アバンティビル内フィスミー京都店6F
075−671−8987
※整理券が必要です。
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■『ブラックペアン1988』刊行記念 海堂尊さんサイン会
日時:2007年10月13日(土)14時〜15時
会場:紀伊國屋書店 新宿本店
東京都新宿区新宿3−17−7
03−3354−0131
※整理券が必要です。(先着100名様)
日時:2007年10月14日(日)15時〜
会場:ジュンク堂書店 大阪本店
大阪府大阪市北区堂島1−6−20 堂島アバンザ内
06−4799−1090
※整理券が必要です。(先着100名様)
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■『リベルタスの寓話』刊行記念 島田荘司さんサイン会
日時:2007年10月20日(土)15時〜
会場:ブックストア談 浜松町店
東京都港区浜松町2−4−1 世界貿易センタービル別館2F
03−3437−5540
※整理券が必要です。(先着100名様)
日時:2007年10月21日(日)14時〜
会場:ジュンク堂書店 三宮店
兵庫県神戸市中央区三宮町1−6−18
078−392−1001
※整理券が必要です。(先着100名様)
日時:2007年10月27日(土)15時〜
会場:旭屋書店 札幌店
北海道札幌市中央区北5条西2−5
JRタワー札幌ステラプレイス5F
011−209−5181
※整理券が必要です。(先着100名様)
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■講談社ノベルス『十津川警部 金沢・絢爛たる殺人』刊行記念
西村京太郎さんサイン会
日時:2007年10月26日(金)18時30分〜
会場:八重洲ブックセンター 本店 1階サイン会会場
東京都中央区八重洲2−5−1
03−3281−7797
※整理券が必要です。(先着100名様)
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■講談社ノベルス『転生』刊行記念
篠田節子さんサイン会
日時:2007年10月28日(日)16時〜
会場:オリオン書房 ノルテ店
東京都立川市曙町2−42−1 パークアベニュー3F
042−522−1231
※整理券が必要です。
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★★..;☆.. 雇われ管理人室から(販売担当日誌) ..☆;..★★
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秋の夜長にみなさまいかがお過ごしでしょうか?「読書の秋」とはよく言ったも
ので、私も読書量が増えております。他社本ですが『楽園(著:宮部みゆき)』
を読む前に、前作『模倣犯』を読まなければと思い、先日一気に読み終えました。
ページ数もあり、たいへん読み応えのある作品でした。
さて、『ブラックペアン1988(著:海堂尊)』がとうとう発売となりました。
読み終えた方にはたいへんお楽しみいただけたことと思います。まだの方は、海
堂さんのサイン会を東京・大阪で行いますので、ぜひこの機会にお買い求め下さ
い。今月10月は、私、営業18号の担当書籍のサイン会が目白押しです。
◎「蜘蛛の糸は必ず切れる」刊行記念・諸星大二郎さんサイン会
10/6(土) 15:00〜 アバンティブックセンター京都店
◎「ブラックペアン1988」刊行記念・海堂尊さんサイン会
10/13(土)14:00〜15:00 紀伊國屋書店 新宿本店
10/14(日)15:00〜 ジュンク堂書店 大阪本店
◎「リベルタスの寓話」刊行記念・島田荘司さんサイン会
10/20(土)15:00〜 ブックストア談 浜松町店
10/21(日)14:00〜 ジュンク堂書店 三宮店
10/27(土)15:00〜 旭屋書店 札幌店
先生とお会いできるまたとない機会です。お待ちしておりますので、ぜひご参加
下さいませ。
<営業18号>
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