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2008.02.01

e-giornale vol.70


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┃     毎月1回1日発行 2008年02月01日号 vol.70
┃     発行:(財)日伊協会 長尾和昌
┃     http://www.aigtokyo.or.jp/
┃     編集:Rotonda Club Italiana 池田匡克・池田愛美
┃     http://hometown.aol.com/ikedamasa/Index.html 
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ゴミに埋もれるナポリの惨事がニュース映像で流れた1月。かの街を旅したことのあ
る人は悲しみに暮れたことであろう。世界遺産である南イタリアの中心地は今、世界
中からの注目が集まり、その真価を問われている。(匡)

●2008年02月号の内容
連載 「Allarme Spazzatura!ナポリからの悲痛な叫び」
    ------池田愛美(ライター・フィレンツェ在住)
連載 「スーペル・モバイラーへの道・その70」
    ------池田匡克(Rotonda Club Italiana主宰)
今月の表現 「DARE LE PASTE」
    ------向井真理子&Alberto Del Mela(Scuola DM Toscana)

今月の日伊協会NEWS
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●連載 「Allarme Spazzatura! ナポリからの悲痛な叫び」
--------文・池田愛美(ライター・フィレンツェ在住)
mailto:imanami@libero.it

 日本に帰るとゴミの分別が実に細かくて正直閉口する。紙、プラスチック、ペット
ボトル、缶、瓶、雑誌や本…、今、自分が手にしている“ゴミ”は何に分類されて、
回収日はいつなのか、ガイドラインをいちいち参照しないと捨てられない。面倒だけ
れど、それを守らなければ確実に報復があると思うから、辛抱強く分別するほかはな
い。

 フィレンツェのチェントロでは、瓶、缶、ペットボトル、プラスチックボトル専用
の収集箱があるが、それ以外は基本的に全て一緒くたに捨てる。収集箱に入らないも
の(洗濯機や冷蔵庫などの大型家電、ベッドや箪笥など家具類など)は管轄当局に電
話して引き取ってもらわなければならないが、街を歩いていると収集箱の傍らに無造
作に捨てられているのをしばしば見かける。市民モラルはかなり低いと言わざるを得
ない。

 でも、この一ケ月、フィレンツェなど目ではないナポリの惨状がマスコミを賑わし
ている。ゴミ処理場が地元民からの反対が原因で閉鎖し、年末からこっちゴミ収集が
ほぼ完全にストップしてしまったのである。たまりにたまったゴミは人々を暴徒へと
駆り立て、火をつけ、デモが激化した。プロディ首相が立てた緊急対策は、他州への
ゴミ受け入れ要請だった。

 ロンバルディアなど北部の数州やウンブリア州などは拒否したが、サルデーニャや
モリーゼなど南部のほとんどの州が受け入れ姿勢を示した。最初のゴミがサルデーニ
ャのカリアリの港に到着したときは受け入れ反対派市民による妨害行為もあったが、
ともかく、ナポリのゴミは他州へと運び出され始めた。しかし、問題はまだ解決して
いない。それどころか、日に日にゴミは増えている。

 問題はゴミ処理の仕方にある。ただ集めて燃やす、埋め立てる、放置するだけなの
だ。これでは環境が汚染されるのは自明の理だし、さらに悪いことに北イタリアから
運ばれたダイオキシンを含む産業廃棄物がそのまま埋め立てられている。ナポリ郊外
は本来豊かな農業地だったが、植物は枯れ、汚染された草を食べた羊の乳を飲む仔羊
が次々と死んでいるという。地元住民がこんなゴミ処理場に反対するのは当然だろう
。

 この惨状、ナポリ・マフィア“カモーラ”によるゴミ処理業独占状態が引き起こし
たとも言われている。カモーラと関わりたくない政治家、企業はナポリのゴミ問題を
放置してきた。ナポリ市民はカモーラの影におびえ、その存在を見ないようにして生
きてきた。マスコミの街頭インタビューで「このゴミをなんとかしてくれ。私たちを
見捨てないでくれ。手を差し伸べてくれ」という彼らの叫び。これはマフィアを排し
ナポリ再生へと昇華する最後のチャンスではないかと思う。

筆者紹介:池田愛美(いけだまなみ)
編集者、ライター。1998年よりフィレンツェ在住。「料理通信」「ワイン王国」「家
庭画報」「Vogue Nippon」などに執筆。近著に「イタリアの市場を食べ歩く」「シチ
リア、美食の王国へ」(東京書籍刊1800円)翻訳に「VIVA! トスカーナ」(ダヴィッ
ド・アボラッフィオ著・パラダイム社)がある。ローマの外国人記者クラブ Free-
lance International Press会員。

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● 連載 「スーペル・モバイラーへの道・その70」
--------文・池田匡克(Rotonda Club Italiana主宰)
http://rotonda.blog.ocn.ne.jp/rotonda/

 私の住むフィレンツェの自宅周辺は小さな工房が軒を連ねる職人街である。冬の朝
、まだ薄暗いうちから職人たちがシャッターを上げるがらがらという音で目を覚まし
、朝の仕度を整えてTVをつけるころになると職人たちのテンションは最高潮。たとえ
窓を閉めていても彼らの朝の会話はびんびん響いてくる。それは三面記事だったりサ
ッカーの話だったり前夜の食事の話だったりとごくごく日常のたわいもない会話なの
だが、やはり腹式呼吸というかイタリア職人たちの声は石造りの街にまけないぐらい
響き渡り、教会の壁を伝って三階にある我が家まで届くのである。

 そんな彼らが仕事に精を出しているのを横目に見ながら昼食を食べにいくのが近所
にあるトラットリア、というかオステリアVである。ここは近所の職人はパスタ一品
のみ、もしくはカウンターでグラスワインとクロスティーニで早飯。時間に余裕のあ
る旅行者はテーブルに座って二品しっかり食べたりすることもできる、近所の生活に
密着した食堂。

 ここでは近所の顔なじみ食前酒を一杯ごちそうしてくれるので、例によってプロセ
ッコをごちそうになり、手書きメニューを眺めて今日は何を食べるか考える、といい
たいところだが百回とはいわないまでも過去数十回通ったこの店で食べるのは大抵決
まっていてスパゲッティ・アッラ・カレッティエラとアリスタ。「御者風」と訳され
る前者はニンニクと唐辛子、そしてプレッツェーモロが「これでもか」と効いたパス
タで、日本に行こうがシチリアに行こうが、しばらくしてフィレンツェに帰ってくる
と翌日には無性に食べたくなってついつい足を運んでしまういつもの味。時にしゃぶ
しゃぶだったり、麺がやわかったりすることもあるけどそんなの関係ない。この街で
生まれ育った訳ではないので自分のソウルフード、とまではいかなくとも永世定番と
なっているシンプル極まりないパスタである。さらにシンプルを求める近所の年配の
職人連はアーリオ・オーリオを頼んだりしている。相席ごめん、きどりはなし、しか
しもてなしは忘れていないという連ドラの舞台にしてもよさそうな店なのである。

 しかしこうした店に十年通っているぐらいじゃあ猛者が群れなすこの界隈ではまだ
まだ赤子同然。同じく近所にある泣く子も黙る老舗中の老舗Sには、数十年間毎日(
!!)昼にやってきては同じ席で同じ料理を食べるという強者の職人もいるのだ。東京
であちこちイタリア料理を食べ歩いたり、イタリア料理漫画を読んだりしているのは
至福の時間なのだが、そんな時ふと頭をよぎるのはやはりVでありSであり、いつもの
カレッティエラなのだ。それはちょー美味しいからとか素敵なマンマの味だから、と
かそういう背筋が寒くなるような理由からではなく、いわば望郷の念に似たセンチメ
ンタルな感情が衝動的にこみあげてくるからなのである。

筆者紹介:池田匡克(いけだまさかつ)
フィレンツェ在住。イタリア国立ジャーナリスト協会会員。Rotonda Club Italiana 
主宰。「Esquire Japan」「Seven Seas」「Impression GOLD」「BRUTUS」などに執筆
。最新刊「イタリア縦断、鉄道の旅」(角川書店)好評発売中。

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●今月の表現 「DARE LE PASTE」
--------向井真理子&Alberto Del Mela(Scuola DM Toscana) 

 子供たちはよく、誰が一番早く着くか、かけっこで競争したりしますね。相手の子
 供に差をつけて圧勝した子が、“Ti ho dato le paste !”「ぶっちぎりで勝ったよ
!」などと言ったりします。子供っぽい言い回しですが、大人たちでも、まるで童心
に帰ったように使います。

“Nuotiamo fino alla boa ? Ti do le paste di sicuro..!”
「あのブイまで泳いで競争しないか?絶対君に大差をつけて勝つよ!」

 “Dare le paste”は、「競争相手を明らかに引き離して勝つ」という意味です。
これよりやや文語的ですが、同じ意味を持つ言い回しに、“far mangiare la 
polvere” がありますが、この場合、先頭を走る者によって舞い上がった埃を、追従
する者が食べさせられる、という情景が明らかです。

“Quando Tomba era al culmine della carriera, dava le paste a tutti..!”
「トンバが全盛期だった頃、他のスキーヤーに水をあけてたよなぁ」

 この“dare le paste” という言い回し、競争に勝った人が、後で到着する人たち
のためにパスタを用意するだけの時間がある(くらい差をつける)というところから
来ているようです。

 また、この表現は、オートバイを始めモータースポーツ愛好家の間でよく使われて
いるようです。

“La mia Ducati da le paste alle vostre Honda e Yamaha su qualsiasi strada !

”
「俺のドゥカティなら、どんな道だってお前らのホンダやヤマハに圧勝だぜ!」

 また、そこから変形した、同じ意味の“dare le pappe” という表現も聞かれます
。ここでは準備するのはパスタではなく “pappa”「おかゆ」ですから、相手を乳飲
み子同然に扱っているわけで、より横柄な感じを与えます。
“Ieri ho dato le pappe a Michele − 6-1 6-1 6-0 !”
「昨日、ミケーレを余裕で倒したよ。6-1、6-1、6-0さ!」

●著者紹介/向井真理子(むかいまりこ)総合商社に勤務後1年間の米国大学留学を

経て、1998年よりフィレンツェ在住。現在は日本語講師、通訳・翻訳業を営む。

Alberto Del Mela(アルベルト・デル・メーラ)フィレンツェ生まれ。Scuola 

Toscana校校長。ボローニャ大学卒業後、イタリア語教師の経験を経て、弟とともに外

国人のためのイタリア語学校Scuola DM Toscana(スクオーラ・トスカーナ)創設。

AIL(Accademia Italiana di Lingua)理事。

Scuola Toscana Via dei Benci, 23  50122 Firenze tel/fax: 055-244583

著者紹介:
向井真理子(むかいまりこ)
総合商社に勤務後1年間の米国大学留学を経て、1998年よりフィレンツェ在住。現在
は日本語講師、通訳・翻訳業を営む。
Alberto Del Mela(アルベルト・デル・メーラ)
フィレンツェ生まれ。Scuola Toscana校校長。ボローニャ大学卒業後、イタリア語教
師の経験を経て、弟とともに外国人のためのイタリア語学校 Scuola DM Toscana(ス
クオーラ・トスカーナ)創設。AIL(Accademia Italiana di Lingua)理事。
Scuola Toscana
Via dei Benci, 23
50122 Firenze
Tel/Fax:+39-055-244583

東京都港区赤坂7-2-17 赤坂中央マンション207
(財)日伊協会
Tel 03-3402-1632 Fax 03-3402-3707
mailto:italia@aigtokyo.or.jp http://www.aigtokyo.or.jp/

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