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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>


2007.02.05

マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>


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| 最新号 |

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●            マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>           ●
●        =旧名: ISO、世界は今 <ISOとその関連の海外動向>=        ●
●                     2007年(H19年)1月31日号               ●
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             MS 実務の視点 (旧名: ISO 実務の視点)
             サニーヒルズ コンサルタント事務所
           http://www.ms-jitsumu.com
             ms02@ms-jitsumu.com
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用語“ISO”の紛らわしい使用を知的財産権侵害とするISO(国際標準化機構)の新
聞発表(本誌2006.1.31号 No.3)の趣旨に則って、いち早く本誌の標題を初め関連
するウェブサイトのURL、表記、記述を修正しました。
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  ■■■■■■■■■■■■      目    次      ■■■■■■■■■■■■
  ■ 
  ■ 1.公共機関のISO14001認証取得が世界的に拡がる
  ■ 2.ヒンズー教寺院で世界で初めてのISO9001認証取得
 ■ 3.米国のISO90001取組みの誤り 10ケ条
 ■ 4.米国大企業の地球温暖化への危機感はなお希薄
  ■ 5.アマゾン熱帯雨林はサハラ砂漠の小さな谷からの砂塵に依存
  ■
  ■ そして
 ■  [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その50>   
  ■   ★ ISO9001登録証の有効性への疑念報道 −不二家品質不祥事
  ■
 ■ [ウェブサイト "MS 実務の視点"  新着情報(1月)]
  ■
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1. 公共機関のISO14001認証取得が世界的に拡がる−ISO雑誌記事
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   ISO中央事務局が発行する雑誌、ISO Management Systems, 2006.7-8月のISO
14001の適用に関する分析記事がウェブサイトに公開された。記事は、ドイツの
ハイデルベルグ大学教授 A.Moutchnik氏によるものであり、ISO14001のEMSを中
心に環境マネジメントシステム(EMS)が民間企業だけでなく、公共機関に急速に
拡がりつつある状況を多くの事例で示したもの。記事の事例及びこの傾向がもた
らす影響に関する部分の概要は次の通り。

◆政治の場やマスコミ報道が、ISO14001の導入を組織の活動が健全な環境方針に
基づいていることの証拠として取り上げ、大衆の関心が強まり、さらにISO14001
導入組織が増えるという循環で、ISO14001は事業展開上の問題ではなく、国内及
び国際的な政治的な問題に化しつつある。
◆ 欧州ではこの10年間、地方自治体の行政に環境配慮を織込む多くの宣言や共
同取組みがあり、これが自治体のEMS取組みを促進してきた。当初は部門単位の
取組みや庁舎の環境管理だったが、自治体全体としての取組み或いは公共事業の
環境指針設定、公共交通強化など政策に拡がっている。
◆ 欧州委員会は2006年1月、人口50万人以上の自治体のEMSの実施を含む「都市
環境戦略」を採択したが、ISO14001又はEMAS導入がその左証として好都合と
なる。
◆ 米国では2000年の大統領令により2005年12月までに主要な連邦政府施設でEMS
の実施を決め、今日約200施設がISO14001に倣ったEMSを実施し、20施設が
ISO14001認証取得している。
◆ 米国環境庁が2000年に始めた地方自治体のEMS試験事業には9機関が参加して
いる。
◆ 日本でも幾つかの自治体が行政サービスの効率化と市民の環境責任意識高揚
のためにEMSの実施を始め、板橋区や白石市、岐阜県はISO14001認証取得した。
◆ 各国の中央政府が高額の公共投資応札にISO14001認証を条件とし、政府機関
自身も認証取得する傾向にある。
◆ 日本では環境庁に続き農水省が2006年4月に認証取得した。
◆ 英国では全省庁でのEMSの実施を目標にしており、ISO14001認証取得した組織
もある。
◆ スエーデンと日本の政府は、政策、決定、法令から生ずる直接、間接の環境
影響をも対象とする広範囲なEMSを実施している。
◆ オリンピックなどスポーツ行事や国際展示会の主催者が開催自治体に健全な
EMSのあることを要求することが、地方自治体のISO14001導入へのもうひとつの
圧力となっている。
◆ NATOは、軍事部門の訓練など平時の活動に対するISO14001実施の指針を作成
し、一方で供給者にISO14001認証取得を要求している。
◆ 世界で多数の自治体がISO14001を導入しているが、成功例としてはSydney
(豪)、Aalborg(蘭)、Toronto、Calgary(加)、Jesolo、Varese(伊)、廊坊(中)が
ある。
◆ このような公共部門のISO14001認証取得の増加は事業組織に次の影響を与え
る。
□官民が共通の言語で会話でき、地方の環境問題への共通理解を生む。環境規制
の甘い地方に企業が逃避するようなことがなくなる。
□国際取引のない中小企業でも自治体調達機会を得るというISO14001実施の利益
を享受できる。
□環境対策の標準化が産業界を越えて、世界的に、全産業規模で、官民の差なく
進む。
□企業、自治体、市民の協力のネットワークにより、継続的改善が達成できる。

(UKAS:News, Jan 3 2007)
<http://www.ukas.com/news/News_2007/iso_14001_public_sector_agenda.asp>

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2. ヒンズー教寺院で世界で初めてのISO9001認証取得−マレーシア紙報道
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  マレーシアのメディア複合企業 Diligent Media Corpがウェブサイトで、同国
のヒンズー教寺院、Klang Sri Sundararaja Perumal 寺が、昨年11月にISO9001
認証を取得したが、ヒンズー教徒に対する宗教的、文化的、社会的サービスの品
質に関するISO9001認証は恐らく世界で初めてであろうとして報じている。同寺
は建立100年以上の西マレーシア最大のヒンズー教寺院である。記事のISO9001導
入の意図に関する部分の概要は次の通り。

◆ 同寺の管理部門は認証取得のため、学校、孤児院、老人施設、慈善活動の支
援及びその他の宗教、教育、社会的又は人道的活動の管理を3年間にわたって強
化してきた。
◆ この認証取得によって寺院の宗教活動が標準化されて、他の寺院の前例にな
るだろうと、同寺代表 S.Anandakrishnan氏は語った。
◆ 宗教活動の手順の標準化によって、結婚式や他の宗教儀式ですべての信徒が
同一で公正な処遇を受けることができる。
◆ 定められた指針には結婚式場の予約の方法を初め、儀式中に僧侶がやるべき
こと、やってはならないことが含まれている。

(Diligent Media Corp. :News, January 21,2007)
<http://www.dnaindia.com/report.asp?NewsID=1075633>


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3. 米国のISO90001取組みの誤り 10ケ条  −Quality Digest誌論文
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  米国の品質情報誌 Quality Digest は、2007.2月号で「10の最も深刻な誤り」
という標題で、米国のGeorgia工科大学企業革新研究所*の地方事務所長で、
ISO9001主任審査員のC.Cochran氏の審査経験を通じて感じるISO9001運用におけ
る誤りについての論文を掲載している。この内の2つの指摘には同意できない
が、他は日本でも珍しくない問題であり、米国でもこのような規格解釈があると
いう意味で興味深い。同氏の指摘の8つの誤りは概略次の通り。

◆ 膨大な複雑な顧客満足調査票を送っている。意味のある回答は期待できな
い。
◆ 不適合の現品の識別や適合品からの隔離が不明確。「誰もが不適合品とわか
っている」と反論するが・・・。
◆ 是正処置の実施を避けている。是正処置が多いほど組織の問題が少なくなっ
ていくのに・・・。
◆ 規程や作業手順書以外の文書、例えば、図面、写真、製品見本、eメール、手
順を書いたメモなどに文書管理が適用されていない。
◆ 内部監査の焦点が些細な事項の詳細に当てられ、顧客満足の分析、是正処置
の実施、不適合品の管理の適切さなど、重要な戦略的事項に向けられていない。
◆ 教育訓練の対象が現場の作業者のみで、管理者や事務スタッフを対象にして
いない。
◆ 外部審査員の影響を強く受けている。意味もわからないのに審査の指摘とい
う理由だけで実行されていることが少なくない。
◆ QMSの実行の事務的処理のための要員を置いている。

(Quality Digest: The 10 Biggest Quality Mistakes, February 2007)
<http://www.qualitydigest.com/currentmag/articles/01_article.shtml>


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4. 米国大企業の地球温暖化への危機感はなお希薄 一有力投資グループの分析
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  米国の環境専門通信社 Environmental News service は、ウェブ記事で、英国
に本拠を置くCDP(炭素開陳プロジェクト*)に参加する世界有数の投資グループ
が、FT500の米国外の企業とSP500の米国企業を含む世界の大企業2,400社に対し
て、地球温暖化によるリスクとチャンスについての5回目の調査票を発送したこ
とを報じている。CDPは投資家のために炭酸ガス排出に関する 世界最大のデー
タを蓄積している。この投資グループは284の機関投資家から成り、保有資産41
兆ドルでこれは世界の投資資産の1/3以上に相当する。記事は、今回の調査票発
送に当たって昨年の米国SP500企業の対応の状況から、米国大企業の地球温暖化
問題への関心の低さを指摘する内容となっている。その概要は次の通り。

◆ 昨年調査では、SP500企業の47%しか回答しなかった。回答した企業でも多く
の情報が欠落していた。
◆ 回答企業の30%は機密を理由にデータの公開を拒否した。
◆ 回答企業の80%が温室ガス排出削減の必要を認識しているが、その1/4しか削
減の測定可能な目標や日程計画を明確にしなかった。
◆ 回答企業の75%がハリケーン、森林火災、洪水のような異常気候現象が収益上
のリスクであることを認めたが、地球温暖化が異常気候の多発につながることを
認めた企業は非常に少なかった。
◆ 温暖化による物理的影響を緩和する戦略を持っている企業はわずかに4%であ
った。

(Environmental News service: january 31,2007)
<http://www.ens-newswire.com/ens/jan2007/2007-01-31-01.asp>


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5. アマゾン熱帯雨林はサハラ砂漠の小さな谷からの砂塵に依存−研究結果発表
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  ウェブ科学情報誌 NewScientist.com は1/3の記事で、アマゾン熱帯雨林とサ
ハラ砂漠との繋がりに関するイスラエルのWeizmann研究所*のI.Koren氏のチーム
の研究結果を報じている。その概要は次の通り。

◆ 科学者は毎年、鉱物を含有する何百万トンもの砂塵がサハラ砂漠からアマゾ
ン熱帯雨林に飛んできており、これがアマゾンの土壌を豊かにして、植物や樹木
の栄養源となっていることを知っていた。
◆ I.Koren氏らは、これら砂塵の量がこれまでの推定の3倍以上の年間4,000万ト
ンになり、この56%がチャドのボデレ低地から来ていることを見出した。
◆ ボデレ低地の面積はアマゾン熱帯雨林地帯の1/200であり、サハラ砂漠の0.2%
しかない。
◆ 同地は2つの山脈に囲まれて通気筒のような地形にあり、空気流が増速される
ので、冬季には毎日70万トンの砂塵を発生する。

(NewScientist.com: NewScientist Environmetnt,News, 03 January 2007)
<http://environment.newscientist.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。      − *印の固有名詞は編集者の和訳 −
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   ■■■   [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと!  <その50> ■■■
   ★ ISO9001登録証の有効性への疑念報道 −不二家品質不祥事

  不二家洋菓子工場の期限切れ原料使用の問題は、全社的なずさんな品質管理を
浮き彫りにするまでに発展し、経産相が同社取得のISO9001に関する疑念をJAB(
日本適合性認定協会)にぶつけたと報じられるに至った。不祥事報道はこれまで
も少なくないが、登録取得との関係に直接言及されたのはほぼ初めてであり、そ
れだけに業界の危機感は強く、対応も迅速である。

  まず、JABは声明を発表し、不祥事の報道があった場合の審査登録機関とJABの
とるべき制度上の対応処置を説明し、当該審査登録機関のSGSジャパンもこの手
続きを実行中と発表した。JACB(審査登録機関協議会)も会員機関に向けて、「不
祥事が起こった際の適切な対応も審査機関の社会に対する重要な義務である」と
し、各機関が認証・審査の有効性の向上に主体的に取り組むことを求める声明を
発表した。

  JAB声明は、民間の制度であるので国の指示を受ける謂われはなく、不二家の
再審査など言われなくともやっているというもので、JACB声明は「ISO認証の有
効性及びISO認証制度の信頼性が問われている」との認識を示して少しはまじめ
だが、制度上の対応処置の実行以上の内容はない。しかし、報じられる経産相の
要請が実際にあったとすれば、監督官庁の立場からではなく、ISO9001登録組織
がなぜ品質不祥事を起こすのかという一般消費者の率直な困惑や疑問を代表した
ものであろう。

  そもそも、ISO9001は品質保証の国際標準であり、「品質保証能力を実証する
場合」に適用するのだとJIS解説は説明している。そしてJABは、審査登録機関認
定基準において「組織が供給している製品の品質に重大な疑いを生ずる状況」を
「不適合」とすべきことを規定している。登録証は審査で当該組織の「製品の品
質に重大な疑い」がないと判断された結果であり、登録証のJABマークはそのよ
うな審査と判断基準で登録証が発行されているとのJABの判断の証拠である。こ
れが審査登録制度の論理であるなら、経産相の疑念と要請は理に適っている。不
祥事の露顕に際しては、なぜ「疑いがない」と判断したのかという審査の判断の
適切性の検証がJABや審査登録機関の最初の対応でなければならない。

  しかし、日本の登録制度では、品質保証の規格ISO9001への適合と品質保証能
力の実態とは無関係という理屈である。審査登録は「製品認証の概念とは異な
り、マネジメントシステム審査登録は改善することに意味がある」というJABの
解釈の下に行われている。登録証は品質不祥事が起きない保証ではない。これ
が、どの声明も経産相要請の背景に応えず又は気づかない振りをしている理由で
ある。それでいて各声明は社会に審査登録制度の信頼性向上に対する理解と支援
を求める文章で締めくくられている。つまり、不祥事も出るのが登録制度だと言
いながら、登録制度を信頼して欲しいと言っているのだ。

  日本では、ISO9001規格導入の狙いの通りに機能していると評価する組織はJAB
調査でも50%強に過ぎない。しかし先年、これと無関係な「負のダウンスパイラ
ル」と称する別の機能不全が持ち出され、審査機関の安易な審査とコンサルタン
トの能力不足が原因としてJABは管理を強めてきた。同時進行形で、登録制度は
社会制度であるとか、審査機関の顧客は受審組織ではないとの主張が現れ、今や
業界常識となった。登録制度は組織の悪行の監視、組織の顧客の保護が目的であ
って、組織には直接役立たないものだと言っている。しかし、今度はその顧客か
らあからさまに機能不全を指摘されるに至った。

  この度のISO9001登録証への疑念報道への対応は、何事につけ論理不在の業界
らしい。この業界体質の背景には、規格と登録制度の理解や解釈において一握り
の指導層が天啓的判断を下す権威主義とそれを鵜呑みにする無責任主義がある。
ISO9001と登録制度を機能させるには、関係者が自分の頭で考えてすべてを本来
の姿に戻すしかないように思えるのだが。
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■■■■■   [ウェブサイト:MS 実務の視点]  新着情報 (1月) ■■■■■
http://www.ms-jitsumu.com 
★ ISOマネジメントシステム 時事寸評
  <No.111; H19.1.7>  −東芝、中国で品質問題のパソコンを販売自粛−
  <No.112; H19.1.17>  −期限切れ原料の使用は組織ぐるみ−
  <No.113; H19.1.24>  −データ捏造“あるある”番組打ち切りへ−
★ ISO9001 解説 −実務の視点
  (その24) 5.5.1項 責任及び権限(1/31)
★ 英語で読み解くISO9001/14001
   (28) 監視機器及び測定機器とは(1/7)
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