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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>


2008.07.04

マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>


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●            マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>           ●
●                   2008年(H20年)7月1日号                   ●
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                       MS 実務の視点
             サニーヒルズ コンサルタント事務所
           http://www.ms-jitsumu.com
             ms03@ms-jitsumu.com
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  ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
   及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
           “実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
   なお、本号からおよそ1年の間、奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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  ■ 1.ISO9001追補版の発行は、今年の10〜11月に
  ■ 2.ISO/IEC 2種類のITセキュリティ関連規格を発行
  ■ 3. マイクロソフトOpenOffice XMLのISO/IEC規格化に4ケ国が異義申立て
  ■ 4.品質実績不良組織へのAS9100認証授与に対する懸念が高まる
 ■ 5.ISO9001審査員の半数がISO/TS16949審査員試験に不合格
  ■ 6. EUでは適合性認定機関は政府監督下の1国1機関に
  ■ 7. 英国の経営幹部には内部監査の利点の理解が希薄
  ■ 8. 環境懐疑論者の大多数は政治に利用されている
  ■ 9. 地球環境破壊が自然災害を大惨事に
  ■
  ■ そして
 ■  [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その63>   
  ■    ★ すべての著しい環境側面に環境目的、目標を設定するのか
  ■
 ■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(5〜6月)]
  ■
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1. ISO9001追補版の発行は、今年の10〜11月に &#8722;ISO発表
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   6/17のISO中央事務局新聞発表の要旨は次の通り。

◆ DIS(国際規格原案)は、去る5/19〜23にセルビアで行なわれたTC176の会合で
承認された。
◆ ISO9001追補版は、FDIS(最終国際規格原)として7月でも加盟各国に配付され
、賛否の投票に供せられる。
◆ 順調に進めば、10〜11月にはISO9001:2008として発行されることになろう。
◆ 2000年改訂と異なり、2008年版は、徹底見直しではなく微調整を意味する。
◆ 改訂は、次に限られる。
□ 過去8年間の規格使用者の体験に基づく要求事項の明瞭化
□ ISO14001との両立性の更なる改善のための変更
◆ ISOは現在、2000年版との対比表及びよくある質問への回答を作成中、
◆ ISO9004の改訂は2009年になる見込み。

 (ISO中央事務局: News, Ref.:1138, 2008-06-17)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1138> 
[関連情報] 2007(H19).7.1号No.1


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2. ISO/IEC 2種類のITセキュリティ関連規格を発行&#8722;ISO発表
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  ISOの6/5,6/19の発表の概要は次の通り。

[ISO/IEC38500:2008]
◆ 標題は「情報技術の内部統制」で、ISO/IEC JTC1のSC7(ソフトウェア及びシ
ステムエンジニアリング)が作成。
◆ 規格は、組織の最高幹部がIT使用に関する法規制及び倫理的責任を理解し、
満たすことを支援するITの効果的内部統制の枠組みを示す。
◆ 規格の狙いは、利害関係者が組織のIT内部統制を信頼できる状態で組織が
ITを使用できるようにすること。
[ISO/IEC27005:2008]
◆ 標題は「情報技術&#8722;安全保障技法&#8722;情報セキュリティリスクマネジメント」
で、ISO/IEC JTC1のSC27(Itセキュリティ技法)が作成。
◆ 規格は、情報セキュリティリスクマネジメントに関する指針を示し、ISO/IEC27001:2005の基本概念に基づいている。
◆ 規格の狙いは、リスクマネジメントを基礎とするISO/IEC27001:2005の実行を
支援すること。

(ISO中央事務局: News, Ref.:1135, 2008-06-05)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1135> 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1139, 2008-06-19)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1139> 
 [関連情報] 2005(H17).10.31号 No.3


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3. OpenOffice XMLのISO/IEC規格化に4ケ国が異義&#8722;ISO発表
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  3月に大方の予想に反し賛成が上回り、ISO/IEC/DIS29500として決定した
OpenOffice XMLは、その後も各界からの批判に晒され、ISOが鎮静化を図る異例
の公開文書を出す事態になっていたが、4ケ国からの異義申立を受けてISOがこの
検討に入ったと発表された。この概要は次の通り。

◆ ISO/IEC/DIS29500承認に対して、ブラジル、インド、南アフリカ、ベネズエ
ラを代表するそれぞれの加盟機関から異義申立があった。
◆ ISO/IECの所定の手続きに則り、現在、両機構の事務総長が異義を検討中。
◆ 両事務総長は30日以内に(6月末までに)、その意見を付して申立があった異義
をISO技術管理評議会、IEC規格化管理評議会*に提出しなければならない。
◆ 両評議会はこれを受けて異義の取り扱いを決定する。
◆ 異義受付が決定されれば、異義を解決するための調停委員会が設立されるこ
とになる。調停完了までは規格化は出来ない。
◆ この調停作業には数ケ月かかることもあり得る。

(ISO中央事務局: News, Ref.:1136, 2008-06-06)
<http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1136> 
[関連情報] 2008(H20).6.1号 No.4
 

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4. 品質実績不良組織へのAS9100認証授与に対する懸念が高まる&#8722;雑誌記事
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  米国の品質月刊誌Quality Digestは、「AS9100: ICOP制度におけるばらつきの
削減」と題する記事で、AS9100の認証の有効性に関して拡がる懸念と原因分析と
対応について報じている。 AS9100系規格はIAQG(国際航空機産業品質グループ)
によって作成された航空機産業用の品質保証の規格であり、AS9104に基づく認証
登録制度がISOマネジメントシステム規格適合性評価制度の枠組みの中で運用さ
れている。認証に対する顧客の不満の高まりは、ANAB(米国適合性認定協会*)の
対応処置の発表で推定されていた。記事はIAQGの主体であるAAQG(米国航空機産
業品質グループ)の下の登録管理委員会の委員によるもので、制度の真の主宰者
の見方を反映したものと考えると、認証機関には深刻な事態である。

◆ 数年間の第三者認証制度(ICOP: Industry-controlled other party scheme)
の体験から、認証機関による審査に許容できない程のばらつきがあるとの事実に
気づいた。
◆ そして、現存のAS9100,9110,9120の登録証にどれ程の信頼をおくことができ
るかという心配がでてきた。
◆ ISOP認証制度は、航空機産業の組織が供給者の選定と継続的評価の手段とし
て登録証を使用できることを意図して制定された。
◆ 不幸にも、多くの認証登録供給者が不十分な品質成績しか示していない証拠
がある。
◆ 例えば、顧客や供給連鎖の最終製品に深刻な影響を及ぼす不適合製品を納入
する組織が少なくなく、この他にも、いつまでたって品質成績が他社に劣るまま
であったり、有効な是正処置をとれずに同じ問題を繰返し起こしたり、許容でき
ない納期遅延を未だに起こしているなどである。
◆ このような組織でも登録証が授与され維持される状況、“審査のばらつき”
に対してIAQG関係者は懸念を強め、登録証を信頼できるようにする取組みに着手
した。
◆ 原因は認証機関間の競争と審査員の能力不足
□ 審査日数の短縮が競われ、十分な審査のための時間が確保されていない。
□ 不適合なのに改善事項とするような「甘い採点(soft-grading)」が横行。
□ 審査員は航空機産業に品質に関する所定の要件を満たしているが、広範囲な
技術分野の航空機産業であるので、実際に審査する分野に十分な専門性を有する
とは限らない。
◆ 対策のひとつは認証機関が同じ土俵で競争し認証の安定性を高めるための認
証制度に関する規制の強化であり、もうひとつは制度当事者に対する監督の強化
である。
◆ 登録取得供給者は、認証機関に所定の規則に基づく審査及び期間要件と適用
範囲を満たす審査を要求しなければならない。
◆ 審査員が基準に満たない供給者に健康の証明を与え続けていることは、悪性
腫瘍を初期段階に発見できない医者と同じである。短期的には患者を喜ばせる
が、将来には悲惨な結果をもたらす。

(Quality Digest:  Vol.28, Issue.5,  May 2007).
http://www.qualitydigest.com/may08/articles/05_article.shtml
[関連情報] 2008(H20).5.1 No.2


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5. ISO9001審査員の半数がISO/TS16949審査員試験に不合格&#8722;IRCA機関紙
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  英国の審査員登録機関IRCAのウエブ機関紙INFORMは、自動車産業用品質マネジ
メントシステム規格ISO/TS16949の発行及び認証制度発足5年に当たっての、同制
度の審査員研修機関の責任者による現状概観を記載している。同制度はそれまで
のISOマネジメントシステム規格適合性評価の枠組みによる登録証の有効性への
不満から、QS9000のISO規格化を機に IATF(国際自動車産業作業班*)が独自に制
定し、運用している。 標題該当部分には、今日のISO業界への皮肉が籠められて
いるように感じられる。

◆ 38,000組織がISO/TS16949の認証を取得しており、45%がアジア、29%が欧州、
18%が北米である。
◆ 審査員は2400人。 
◆ 審査員になるには自動車産業での経験等の条件を満たし、3日間の「自動車産
業プロセスアプローチ審査」に関する研修を履修し、1日の筆記と面接試験に合
格する必要がある。
◆ この試験の合格率は50%に満たない低率であるが、この多くは効果的な審査技
法に関する理解と適用能力が基本的に欠けていることが理由である。
◆ これは心配なことである。なぜなら、受験者はISO9001の審査員資格を持ち、
審査経験のある者に限定されているからである。
◆ 審査員は3年毎に厳しい再試験を受けなければならない。IATFは更にこの再評
価方法の強化策を検討中である。
◆ IATFは現在55の認証機関を認定している。2007年の事務所及び審査現場監査
では、
□プロセスアプローチ審査の効果的実行や不適合指摘の問題を中心に200件の不
適合が指摘された。
□ しかし80%以上の審査においては、審査は適切であった。

 (IRCA: INFORM, Issue 17, 2008)
<http://www.irca.org/inform/issue17/ISO16949.html>
 [関連情報] 2002.11.30号No.3


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6. EUでは適合性認定機関は政府監督下の1国1機関に &#8722;EU法案
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  EA(欧州認定協力機構*)の進める登録証の信頼性向上の取り組みの中で求めら
れていた認定機関間の競争排除のための法規制の内容が明らかになった。民間機
関が既得権益の拡充のため敢えて政府の統制を選んだところが興味深い。これを
伝えるUKAS(英国適合性認定協会*)の発表の概要は次の通り。

◆ 欧州理事会及び欧州議会は認定サービスの法的枠組みを整備する規制に同意
した。
◆ 規制案は6月中に正式に採択され、2010年1月に発効する予定。
◆ 任意又は強制かを問わず、認められた一定の標準に対する認定事業は公共活
動とみなされ、EU各国はひとつの認定機関を指定しなければならなくなる。
◆ 法案によると認定サービスのEU内整合性のため、認定機関に対する共通の要
件を定め、各国政府が監視する。
◆ この要件は、認証機関からの独立、公正で公平なこと、認定能力のある要員
の雇用、非営利事業、他国の認証機関と競合しない等である。
◆ 各国認定機関はEAに加盟し、認定活動の遵法性についてのEAによる相互評価
体制に参画しなければならない。
◆ 認証機関は、大抵の場合は自国の認定機関を利用することが期待されること
になる。
◆ その他の点では法案が認証機関に及ぼす影響は小さい。

UKAS;  News、2008.5.9
<http://www.ukas.com/about_accreditation/international/New_EU_legal_
framework_for_accreditation.asp>
[関連情報] 2008(H20).5.1号 No.1


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7. 英国の経営幹部には内部監査の利点の理解が希薄&#8722;BSI調査
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  BSI(英国規格協会*)は、その主任監査員研修に要員を派遣した70社以上の企業
の経営幹部に調査して、その30%は内部監査の効用に無関心か否定的であったと
の結果を発表し、「内部監査の利点が全く理解されておらず、恥ずかしいこと
だ」との研修責任者の見解を報じている。発表の概要は次の通り。

◆ 42%の企業の年次内部監査計画は経営幹部の承認なしに策定されている。
◆ 24%の企業でしか内部監査の結果は定例の幹部会合で議論されていない。
◆ 60%以上の回答者は、内部監査の結果による改善は経済的利益に結びつかない
と答えた。
◆ 内部監査は、問題の真の原因を突き止め、必要な変更や改善を行うなど内部
統制体制を見直し、改善するのに極めて有効な方法であり、リスク管理や経営判
断に使用する情報の質と量の改善に有効であると、同責任者は述べている。

 (BSI: Press Release, 23 June 2008)
<http://www.bsi-global.com/en/About-BSI/News-Room/BSI-News-Content/Disciplines/Quality-and-Business-Improvement/Internal-Audits-
Survey>


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8. 環境懐疑論者の大多数は政治に利用されている&#8722;環境雑誌記事
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  ウェブ環境情報誌Environmental Expertは、月刊誌Environmental Politicsの
6月号に掲載された調査記事を引用している。概要は次の通り。

◆ 調査は、1972〜2005年発行の141冊の地球環境問題に懐疑的とみなされる文書
を分析した。大部分は英語文献である。
◆ 独立した見解であることを主張するものもあるが、圧倒的多数が、政治的な
動機の保守派シンクタンクと直接つながっていることがわかった。
◆ 次の場合を保守派シンクタンクとの繋がりがあると判断した。
□ シンクタンク自身が文書を発行している
□ 著者が文書発行の前又は後にシンクタンクに席をおいている
□ シンクタンクの刊行物に寄稿している
□ シンクタンクの主催するセミナーで講師をつとめている
◆ 多くの環境懐疑論者はそのようなシンクタンクや産業界との繋がりを認めつ
つも、意見はそれに影響されていないと主張している。
◆ 調査の共同主宰者のR.Dunlap教授(オクラホマ州立大学)は、「米国の保守派
は国際的な環境規制に反対し、多くの環境悪化説の信用を貶めるのに成功してき
た」と述べた。

(Environmental Expert; Jun. 13,2008)
<http://management.environmental-expert.com/resultEachPressRelease.aspx?cid=28754&codi=32941&idproducttype=8&level=0


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9. 地球環境破壊が自然災害を大惨事に &#8722;WWF報告書
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  ウェブ環境情報誌Environmental Expertは、世界的自然保護NPOであるWWFの
「自然安全保障:保護区及び危害緩和」という標題の報告書を紹介している。記
事の伝える報告書の概要は次の通り。

◆ バングラデシュ(2000年)、モザンビーク(2000、2001年)、欧州(2006年)の洪
水、ポルトガル(2003年)の熱波と山火事、パキスタン(2005年)の地震、インド洋
津波(2004年)、米国(2005年)のハリケーンによる被害を詳細に調べた。
◆ 異常な降雨引き起こす破壊的な洪水や山崩れは、しばしば森林伐採と河川敷
開発に関係づけられる。
◆ 珊瑚礁破壊、マングロ-ブ森開発、砂丘開発が海洋沿岸異常気象の被害を大き
くしている。
◆ ドナウ河と支流の河川敷の70%以上が喪失すると洪水発生の頻度と被害の大き
さが増大する。
◆ 大規模自然災害はゼロにできないが、自然環境の維持改善によって災害の壊
滅的影響は緩和できる。

(Environmental Expert; May 20,2008)
<http://management.environmental-expert.com/resulteachPressRelease.aspx?cid=4791&codi=31892&idproducttype=8&level=0>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。      &#8722; *印の固有名詞は編集者の和訳 &#8722;
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   ■■■   [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと!  <その63> ■■■
       ★ すべての著しい環境側面に環境目的、目標を設定するのか

  日本では一般にISO14001は、継続的改善を図る環境改善運動と受けとめられて
いる。著しい環境側面はすべて環境目的、目標に取り上げなければならないとい
う考え方が認証審査に適用されるのも、ここに由来する。

  ISO14001は事業組織が地球環境保全に対する責任を果たすためのマネジメント
のあり方の世界標準であり、社会的ニーズと経済的ニーズのバランスをとりなが
ら環境保全や汚染防止に取組むこと狙いとしている。継続的改善は、組織が原因
となっている地球環境に対する悪影響を、利害関係者のニーズと期待に応えつ
つ、しかし組織の経営上、技術上で可能な範囲で着実に改善していくことであ
る。 

  組織は事業活動と製品がもっている環境影響を把握し、その中で地球規模の環
境悪化に関係するものを特定することが必要である。規格は「組織の環境パーフ
ォーマンスに関心を持つか、影響を受ける人又はグループ」を「利害関係者」と
呼び、利害関係者のニーズと期待を以て社会的ニーズと考える。特定した環境影
響ないし環境側面は、各利害関係者のニーズと期待に照らして評価し、「著しい
環境側面」を選別しなければならない。この「著しい」は“significant”であ
り、「重要な」であり、利害関係者のニーズと期待の強さや深刻さに対応する。
この評価は、その時点での環境影響の水準とは無関係に、組織の事業活動が持つ
環境影響の本質的な重要性に関して行なわれなければならない。

  次には、その時点での著しい環境影響の水準と利害関係者のニーズと期待との
差異の大きさ、及び、改善に必要な投資費用、コスト、最適技術とを勘案して、
どのように継続的改善を行なうことが組織の経営上必要で、且つ、可能であるか
を決定する。これは「環境方針」である。 環境方針には、包括的な取組み方針
をスローガン的に掲げられると同時に、著しい環境影響のそれぞれに対する管理
と改善に関する組織の意思が具体的に示されていなければならない。

  環境方針に照らしてその時点で環境影響の水準に問題があれば、環境目的、目
標に掲げて改善の実施計画を立て、一方、過去の環境対策の結果で、或いは、財
務的又は技術的制約のため、その時点での水準で利害関係者の理解が得られる
か、理解を求めざるを得ない環境影響については、その時点の水準を逸脱する異
常事態を防止する管理を行なうことが必要である。この管理の要件は4.4.6項 
(運用管理)などに書かれている。

  経営のサイクルに合わせたマネジメントレビューにより、トップマネジメント
は環境影響改善の方向づけを見直し、必要ならば、環境方針、目的、目標を変更
する。この変更には、改善された環境影響をその水準で維持する管理の手順を確
立すること、又は、新たな環境影響の改善を環境目的、目標に組み入れることが
含まれる。組織が本質的に持つ著しい環境影響を切迫性の高いものから順次、環
境目的、目標に取上げて対策をとり、全体環境影響を継続的に改善していくの
が、ISO14001の環境マネジメントである。
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■■■■■  [ウェブサイト:MS 実務の視点]  新着情報 (5〜6月) ■■■■■
http://www.ms-jitsumu.com 
★ ISO9001:2000解説 &#8722;実務の視点
    7.5.5項  製品の保存(6/6) 
    7.5.4項  顧客の所有物(5/30) 
    7.5.3項  識別及びトレーサビリティ(5/20) 
    7.5.2項 製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認(5/10)
★ 英語で読み解くISO9001/14001
    39. 決めたことが完了するまではサービス提供を行なわない とは(6/12)
    38. 著しい環境側面に伴う運用を明確にする とは(5/24)
    37. 教育・訓練の有効性の評価 とは(5/16)
★ 論評 我田引水
    63. 欧米でもISO9001/14001登録証の信頼は失墜、でも.... (6/11)
★ システム運用の実務 &#8722;定説の誤謬 
    45. すべての内部監査不適合は是正処置が必要か(5/6)
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