2008.05.22
マンデラの名もなき看守 こんな映画は見ちゃいけない!
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☆ こんな映画は見ちゃいけない! 2008/5/22号 Vol.850 ☆
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こんにちは、発行人のオテロです。
本日、俎上にのせる作品は
「マンデラの名もなき看守」です。
監視を続けるうちに、次第に理解しやがては尊敬すら抱いていく。相
手は決してテロリストなどではなく、知性あふれる穏やかな人物。不
屈の精神で南アフリカに人種的平等をもたらしたマンデラを見守り続
けてきた男の姿を通じて、体制側の歯車に過ぎない人間の弱さと苦悩
を描く。根拠なき差別と感じた小さな違和感が、時と共に確信になっ
ていくという、当時の白人がたどった理性の変遷がよく描かれている。
黒人の言葉を話すという理由でマンデラの看守になったジェームズは、
自由憲章を読むことでマンデラの思想に共鳴していく。しかし、看守
という職責と妻の無理解から、なかなか口には出せない。
マンデラを「憎まない」というだけで白い目で見られ、「信頼された」
というだけで危険視される。ジェームズの妻・グロリアが、黒人は手
を出すと噛み付く獣のように思っていることに代表されるように、白
人の有色人種への誤認識は非常に強い。ジェームズは幼少時に黒人少
年と遊んだ記憶から黒人への偏見は少ない。相手を受け入れようとし
ようとしない姿勢こそが対立を生むのだ。
ジェームズはマンデラの解放や反政府運動に積極的に関わるわけでは
なく、あくまで好意的傍観者の立場をとり続ける。マンデラのように
強くも賢くもない。不器用で無力でも最後まで自分の信念を捨てなか
ったジェームズの姿に、市井の人々の中にも世の中を変える潜在力は
あることをこの作品は訴えている。
お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)
「マンデラの名もなき看守」
についての詳細は、
http://www.otello.com.ua/
を参考にしてください。解除もこちらからできます。
本日はもう一本
「丘を越えて」です。
昭和初期、まだまだ和装が主流で女性差別が一般的だったころ、世間
より一歩早く洋装に身を包み、言論の自由を謳歌していた出版社。時
流のエッジを走っていた編集部を舞台に、菊池寛という文学界の大物
をそばで見続けていた秘書の目を通して、戦争の影が差していない明
るく進歩的な時代の空気を鮮やかに活写する。
菊池寛の秘書として文藝春秋社に入った葉子は、馬という朝鮮人青年
と恋に落ちる。一方で菊池からも口説かれて一夜を共にしてしまう。
葉子の行為を知った馬は朝鮮に帰る決意をする。
「生活第一、芸術第二」という菊池の文学観は夏目漱石を否定するか
のよう。もはや高等遊民などは明治の遺物、女性も教養をつけて外に
働きに出て消費を楽しむというライフスタイルが都市部では芽生えて
きたのだろう。また、両班階級出身の馬は漱石作品の主人公のように
自分がその立場に甘んじていることに不満を抱き、そこから逃れよう
ともがいている。昭和の文壇の漱石に対する強烈な劣等感が興味深い。
もうひとつの主役は葉子が身にまとう洋服の数々。原色を大胆に用い、
肩パッドの入ったジャケットやボディラインを強調したワンピース、
そして前髪をそろえたショートカットにハイヒールという、モダンガ
ールを絵に描いたような池脇千鶴のファッションショーと化した装い
の変遷が目を見張る。逆に言えば、漱石コンプレックスと衣装デザイ
ン以外は何を言いたかったのかよく分らないということだ。
お勧め度=★★ (★★★★★が最高)
「丘を越えて」
についての詳細は、
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余|談|
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自分の孫以外の人間に「おじいさん」「おばあさん」と呼ばれること
に不快感を感じる老人が増えているそうです。
フランス語の「ムッシュー」や「マダム」に当たる呼びかけ言葉が日
本語にはなく、見知らぬ人に声をかけるときはつい「すいません」と
謝ってしまう人も多いはず。
私は以前、制服警官に「お客さん」と呼び止められたことがあります
が、この警官も犯罪を犯したわけではない人間を呼び止める言葉を知
らなかったのでしょう。
まあ、地方公務員にとってわれわれ民間人の納税者は「お客さん」に
違いありませんが。。。
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次回配信予定は5/24、作品は
「パリ、恋人たちの2日間」
です。
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