2008.06.28
ネコナデ こんな映画は見ちゃいけない!
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☆ こんな映画は見ちゃいけない! 2008/6/28号 Vol.865 ☆
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こんにちは、発行人のオテロです。
本日、俎上にのせる作品は
「ネコナデ」 です。
己にも他人にも厳しく接してきた男が、小さな命と触れ合っているう
ちに今までの生き方を見つめなおす。面倒を見ていないと心配でたま
らない、それでも会社があるので仕方なく離れなければならない。オ
フィスでも家庭でも腹の底から笑うことのなかった主人公がいつしか
子猫に癒されていく過程を通じて、彼自身も気付いていなかった心の
中の優しい部分が目覚めていく。
人事部長・鬼塚はリストラを任され、社員にクビを言い渡す毎日。一
方で新入社員研修の担当もこなす。ある日、公園で子猫を拾った鬼塚
は、新入社員用アパートの余った一室でその子猫を飼い始める。
つぶらな瞳や愛らしい仕種を強調するのではなく、鬼塚のしかめっ面
と対比させることで子猫のキュートさを引き出す演出は非常にスッキ
リしている。そもそも猫好きではない鬼塚の視線で見ているので猫に
対する余計な先入観がない。子猫をかわいがるような人間であること
を誰にも知られたくない、そんな妙なプライドが、本心を誰にも言え
ずに生きてきた鬼塚の孤独を端的に物語る。
やがて研修も無事終わり、鬼塚は子猫を自宅で飼う決意をする。仕事
だけが人生ではない新しい生き方を探す決意をした鬼塚のすがすがし
い表情が印象的だ。それは、子猫だって誰かに拾われたのだから自分
にだってきっと拾ってくれる人がいるという、ポジティブな考え方が
できるようになった鬼塚の明るい未来を暗示しているようだ。
お勧め度=★★★* (★★★★★が最高)
「ネコナデ」
についての詳細は、
http://www.otello.com.ua/
を参考にしてください。解除もこちらからできます。
本日はもう一本
「休暇」 です。
家族水入らずの旅に出かけたのに、どこか浮かない顔の男。男の心に
去来する、人命を奪ったことに手を貸したという呵責。たとえそれが
仕事であったとしても、死にゆく受刑者の断末魔の痙攣や体温の感触
は決して消えない記憶となって彼に付きまとう。映画は合法的な殺人
が認められた現場に立ち会う人びとの心理を通じて、命の重さを問う。
拘置所の刑務官・平井は週末に結婚を控えた金曜日に死刑執行に立ち
会うことで、翌週1週間の休暇を得て新婚旅行に出る。死刑囚はスケッ
チを好む物静な男で、決して平井の手を煩わせることはなかった。
平井の披露宴をしらけた雰囲気が覆う。死刑の翌日だけに、平井も招
待された刑務官たちも誰一人口を開こうとせず料理にも口をつけない。
理性では割り切れない、黒々とした靄のような感情。それに押しつぶ
されそうになりながらも粛々と通常業務と日常生活をこなさなければ
ならない。いかに法で定められた刑といえども、直接手を下す人間に
は大きな不快さを残すという事実がリアルに描かれる。
喜怒哀楽を抑えて生きる平井の胸中を新婚の妻は理解しない。まして、
休暇が死刑囚の「支え役」といういちばん嫌がられる役目の褒美とは
とても言い出せない。物語は時間軸をずらし、平井が直面する死刑と
結婚を並行させることで、法制度そのものに対する鋭い疑問いを放つ。
賛成でも反対でもなく、ただ冷徹な視線で登場人物を観察し、死者に
対しては等しく冥福を祈るというスタンスに好感が持てた。
お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)
「休暇」
についての詳細は、
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を参考にしてください。解除もこちらからできます。
余|談|
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個人タクシーの運転手に聞いたのですが、話題の居酒屋タクシーは役
人へのキックバックのほかに「元締め」への上納金も納めなければな
らないそうです。
「元締め」も元はタクシー運転手で、長年築き上げた役人たちの関係
をもとに計画的に配車していたということ。
そして居酒屋タクシーを開業する際には「元締め」から指定の冷蔵庫
を買い、用意する酒やつまみも彼を通して購入しなければなりません。
こうした上納金だけで「元締め」は車を走らせなくてもカネが入るカ
ラクリ。何事も「仕組み」を作った人がいちばん儲けているようです。
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