2008.07.03
歩いても 歩いても こんな映画は見ちゃいけない!
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☆ こんな映画は見ちゃいけない! 2008/7/3号 Vol.867 ☆
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こんにちは、発行人のオテロです。
本日、俎上にのせる作品は
「歩いても 歩いても」 です。
台所での母娘の会話、食卓で交わされる話題、さらに夫婦・親子とい
った関係の中で、登場人物のセリフのすべてが生活に根ざしたリアリ
ティにあふれている。彼らの心には、家族だから言えることと家族だ
からこそ言えないことが幾重にも混ざり合って鬱積している。日常を
覗き見しているようかのような錯覚を覚えるほどキャラクターの気持
ちに観客を接近させる脚本は見事だ。
亡き兄の法事のために実家に帰った良多は再婚したばかり。そこには
姉一家が先に来て食事の支度をしている。元医師の父は診察室にこも
りっきりで終始不機嫌。世間話をしているうちにみながそろう。
マイクがとらえるすべての言葉が極限まで推敲され、説明は一切ない
代わりにディテールには神経質なまでにこだわる。料理の手順だった
り、昔話だったり、愚痴だったり。集った人間の人生が手に取るよう
に明らかになってくる。特に、母親を演じた樹木希林が秀逸。自然な
流れの中で突然相手の心を突き刺すようなことを、とぼけた味わいの
裏で計算されたタイミングで口にするいやらしさ。笑顔の裏に潜んで
いる怨念をほんのわずか垣間見せる瞬間が絶妙だ。
ただ、作り込みがわからないほど作り込まれた演出には劇的な要素は
一切ないのだが、それが逆に起承転結の「転」を欠いた物語は平板で
退屈でしかないということも如実に示している。「映像の純文学」を
目指すのもいいが、見る者をときめかせるような新鮮さが欲しかった。
お勧め度=★★* (★★★★★が最高)
「歩いても 歩いても」
についての詳細は、
http://www.otello.com.ua/
を参考にしてください。解除もこちらからできます。
本日はもう一本
「ぼくの大切なともだち」 です。
オープンに付き合える友人を作るのは、ある意味で恋人を作るより難
しい。なんでもカネですまそうとする男が自分に親友がいないと気付
き、改めて損得勘定ナシの友を探すプロセスで、人間関係を築くため
には大変な努力と心遣いが必要であるということを描く。
古美術商のフランソワは仕事の関係者から「お前には友達がいない」
といわれ憤慨、10日以内に親友を皆に紹介するという賭けをする。早
速、知人を当たるが誰にも相手にされず、偶然知り合った社交的なタ
クシー運転手・ブリュノに人から好かれるコツを学ぶ。
本当に困っているときに手を差し伸べてくれるのが友人と定義しなが
ら、友人がいなくて本当に困っているという皮肉。相手の心にどこま
で踏み込んで、どのあたりで踏みとどまるか。その距離感の取り方は
人によって微妙に変わることを学んでいく過程が切なく身にしみる。
それは個人主義が行き過ぎた挙句共同体が崩壊した現代社会のコミュ
ニケーションの第一歩。やがてフランソワはブリュノこそ親友と思え
るまでになるが、友情の真の意味を理解せずブリュノを傷つける。
人生におけるたいていのトラブルは金銭で解決できるからこそ、心の
結びつきを大切にしなければならない。それでも「刎頚の友」といっ
た暑苦しさを感じる仲にはなりたくない。同性愛ではなく、気の置け
ない友人でいるのにこれほどまでに神経を使わなければならないとい
う、ネット時代の病巣を見るようだった。
お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)
「ぼくの大切なともだち」
についての詳細は、
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を参考にしてください。解除もこちらからできます。
余|談|
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洞爺湖サミットに参加する各国首脳のファーストレディのうちの1人が
「他の夫人たちと一緒のバスで移動したくない」とわがままを言って
いるそうです。
ドイツのメルケル首相の夫は最初から不参加を表明しているところを
見ると、女性の中で男性1人というのは居心地が悪いのでしょう。
ところで最高権力者が女性の場合、その夫は「ファースト・ジェント
ルマン」なのだそうですが、いまだに実例は見当たらず、単にMR.〜
と呼ばれているそうです。
「妻の尻に敷かれている夫」というイメージで見られることをが嫌が
るのは、万国共通のようですね。。。
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