2007.11.26
【海江田万里の政経ダイアリー】2007.11.26号 政府税調答申
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【海江田万里の政経ダイアリー】2007.11.26号 政府税調答申
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☆ 政府税調答申 ☆
◆年度改正のない政府税調答申
政府の税制調査会が11月20日に、平成20年度の税制改正に向
けた答申を行いました。今年の答申で目立った点は、先ず、答申の
標題です。従来ですと「平成19年度の税制改正に関する答申」と
年度改正の記述が必ずあったのですが、今年の答申は「抜本的な税
制改革に向けた基本的考え方」と、年度改正の文字がまったくあり
ません。
答申の内容も、来年度の税制改正で「どこをどうすべきか」の記述
はなく、税制の抜本改革に向けた基本的な考え方をざっと述べてい
るにすぎません。これまでの慣例を破って、どうしてこうした内容
になったのか?その背景には、衆参のねじれ現象によって、政府税
制調査会が具体的な答申をしても、それが国会で税法改正案として、
成立する可能性が少ない現実や、例えば消費税についても、衆議院
の総選挙前に、増税の議論を始めることはできないとの政治的な判
断があったからだと思われます。
◆時期と税率は明らかにしない消費税増税、軽減税率にも反対
消費税についての答申で、注目されるべきは、「社会保障財源とし
ての適正を踏まえれば、その位置づけをより明確にし、将来世代に
負担を先送りするのではなく、消費税を引き上げることによって賄
うとの姿勢を明らかにすること」と、増税を不可避なものとしてい
ることです。
また具体的な税率には触れていないものの、低所得者に対する負担
を軽減する意味からヨーロッパなどで導入されている「軽減税率」
については、「わが国の税率水準が低いことや、高額所得者にもメ
リットが及ぶことを考え、事業者の事務負担、税務執行コストを考
えれば、極力単一税率が望ましい」と結論づけています。
現在の5%の税率ならまだしも、これから最低でも7%、大方の予
想では10%以上の税率になろうかというときに、食料品などの生
活必需品に対する「軽減税率」を検討課題として取り上げないで、
「極力単一税率が好ましい」と記述されていることは、今回の答申
が、消費税の増税によって打撃を受ける低所得者の生活への配慮が
なされていない何よりの証左だと思われます。
◆揮発油税は閣議決定をそのまま踏襲
所得税では、「現行の公的年金等控除について、世代間・世代内の
公平性の観点から適正化を図ることを考慮すべきである」として、
年金受給者に厳しい方向を打ち出しています。これは年金の額によ
っては現役サラリーマンの給与所得控除の額より、公的年金等控除
の金額が多くなっていることを指摘して、これを圧縮するよう求め
ているのです。この方向の「改正」が行われれば、年金受給者は年
金の支給額が以前と変わらなくても税金が増える分手取り額が少な
くなります。
揮発油税や自動車重量税などの「道路特定財源」については、「暫
定税率による上乗せ分も含め、現行の税率水準を維持する」との昨
年末の閣議決定の表現をそのまま引用しています。民主党は、現在
原油1キロリットルあたり4万8600円の揮発油税を税法本来の
税額の2万4300円に戻すべきだと主張していて、年明けの国会
の与野党の大きな対立点になることが予想されます。
法人税や相続税などについては、次回のレポートで解説したいと思
いますが、今年の答申は、特筆すべきポイントに乏しく、特に、
「格差解消に向けて税制がどう取り組むべきか」との喫緊の課題に
対する答えが見当たりません。
その反面、ここに挙げた消費税や年金に対する所得税などは、財務
省がこれまで主張してきた増税路線をそのまま踏襲していて、安倍
政権時代に一時的に政府税制調査会が財務省の増税路線から距離を
置き始めたのでは、との期待は見事に裏切られた結果になっています。
前 衆議院議員 海江田万里
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海江田万里事務所/民主党(東京1区)
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