2007.05.16
ベトナム現地直送 アオザイ通信 vol.044
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▲ ー ベトナム駐在員がお届けする素顔のベトナム ー
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■■▲ アオザイ通信
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■■■■▲ 2007年5月16日発行 vol.044
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年中真夏のホーチミンより、駐在員の目からみた素顔のベトナムをお届けしま
す。
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vol.044
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春さんのひとりごと <風になって>
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今から「さあ−、寝ようか−」という深夜12時過ぎ。日本から1本の電話が
かかってきました。「父が亡くなった・・・」と。それを聞いたとき、私は思
わず「親父はもうこの地上にはいないの!」と聞き返しました。
翌日日本へ向かう飛行機の中で、私は「親父の一生というものは何だったんだ
ろうか?」と考えながらも、父がこの世界からすでに消えたのだという実感が
どうにも湧いてきませんでした。
そして日本の熊本の実家に着いて、今は冷たくなった父と対面したとき、私は
「遅くなってごめんね。今着いたよ。今までよく頑張ってきたね」と、すでに
目を閉じて横たわっている父に向かって声をかけました。
その後告別式が終わり、父が遺骨になって出てきたこの時に、ようやく「親父
はもうこの地上にはいないんだなー」という事が理解できてきました。
父は83才で亡くなりましたが戦中世代の人たちがおそらくそうであったよう
に、その一生はほんとうに「良く頑張った一生」だったと思います。
父の告別式でお別れのあいさつをしてくれた大学生の甥が、家に持ち帰った父
の遺骨を前にして、親類の人たちがまさに帰ろうとする直前にそれを押しとど
めて「今から爺ちゃんのために歌を唱うので聴いてください」と恥ずかしそう
に言いながら、「爺ちゃんを送る歌」として、今日本で有名な歌だといって次
の歌を唱ってくれました。
♪♪ 私のお墓の前で泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を吹き渡っています ♪♪
何という素晴らしい歌なのでしょうか。
私は実はこの歌をこの時初めて聴いたのでした。
この歌を聴いた時、しばらくは父の遺影がにじんできて見つめることができま
せんでした。そして父と付き合ってきた50数年の思い出が甦ってきました。
しかし確かにこの歌のように山にも、川にも、家の周りにも、そして庭の樹木
にも風が吹く時、父がそこらから今にも現れてきそうな感じがしてきます。
私がベトナムに初めて行くことが決まり、飛行機に乗る前に空港から家に電話
をした時、父は受話器の向こうで「病気せんようにね」と一言だけ言って受話
器を静かに置きました。
父はそれから2回ベトナムに来てくれました。私がベトナムへ来て2年目と、
私の結婚式の時でした。
そしてあの空港で励ましの言葉をかけてくれてから、ちょうど私のベトナム滞
在は10年目になりました。
※ベトナムBAOニュースはお休みです。
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