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明快!森羅万象と百家万説の系譜


2008.05.24

明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.36/4-


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明快!森羅万象と百家万節の系譜 -No.36/4-
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玄侑宗久さんの禅的生活(ちくま新書)を読みました。全編、フムフムの連続で
した。普段から、自分で良しと思っている精神性、人生に対する態度は禅にあっ
たのだ、と納得。無闇に理屈っぽいところも良し。現実に対して批判的な態度で
ありながら、結局、受け入れる方向で行動してしまう自分を第三者的に見ている
ところも良し。そして、今の自分の悩みがこんな文章で書かれておりました。
「未来を批評的に観測してどれかを選ばなければならない場合、禅はほとんどそ
の基準を提供してくれない。ただ選んで決断したことに対する覚悟は、禅的に造
ればいい。」

 確かに、自分は問題意識を持ちながらそれを早急に改善すべきかどうかでいつ
も迷うあたり、この言葉は的を得ています。で、不自由な思いや、やりきれない
思いをしているわけですが、「本当に望まない不足をも楽しめることこそ真の風
流であり、それができる人が曲者。老子は曲なればすなわち全ったしと言うが、
曲者こそが人生を長く楽しめるのである。」となってしまう、私は曲者なのでした。

 数年したらまた読んでみましょう。


◆◇ 生体防衛論 ◆◇

36、変化することが生き残り戦略

○ウイルスの感染に対する防護は抗体と細胞障害性T細胞(CTL)が中心です。CTL
についてはまたの機会に紹介することにしましょう。抗体は扱いやすく、実用的
にも測定しやすいのでたくさんの研究が蓄積しています(25を参照)。

抗体はウイルス粒子の特定の場所に結合します。ウイルス粒子は自発的な活動が
できませんから、抗体が結合するだけで動きを封じられてしまいます。そして、
そのままの状態でマクロファージなどの食細胞(10,12を参照)に食べられる
か、粘膜上であれば体外に排出(30を参照)されます。

+++ 免疫反応とウイルスのcat-and-mouse game +++

インフルエンザウイルスはエイズウイルスほどではありませんが抗原変異を起こ
しやすいウイルスです。また、免疫反応は強力ですが完全ではありません。この
性質はインフルエンザ・ウイルスの流行の特徴、毎年決まった時期(冬)に流行
する、に現れます。

他のウイルス感染と比べるとわかりやすいでしょう。

はしかなどの場合、免疫反応が強力で、完全ですから、ワクチンができる前は5-
10年毎に流行がありました。流行は幼児でおこります。誕生した幼児はウイルス
感染を体験していないので、免疫を持っていません。免疫を持っていない幼児
が、社会の中である程度の割合になると、ウイルスが増えやすい状況になりま
す。こうして5-10年で流行が幼児の間で繰り返されることになるのです。多くの
RNA型のウイルスはこのように周期的に流行します。

持続感染するエイズウイルスやC型肝炎ウイルスは流行がありません。数年間、
ウイルスが体内に留まります。ウイルスは患者さんの体内で変異を繰り返す(エ
イズ・ウイルス)ことで、免疫系の監視をかい潜ります。ウイルスの抗原変異は
非常に大きくなります。

同じような体内に隠れるウイルスにはヘルペスウイルスなどがあります。ヘルペ
スウイルスは感染時に増殖して、一度症状を出した後は組織の奥に隠れてしまい
ます(潜伏感染)。感染した個体がストレスや病気で免疫系が弱ったときに、そ
れに乗じて増えて症状を出します。

ウイルスの中には抗体を逆手にとって感染するものもいます。デングウイルスは
抗体が結合し、マクロファージに食べられますが、間一髪のところでマクロ
ファージに感染して、増殖します。感染が抗体に依存するためにデングウイルス
の抗原変異は非常に小さい。抗体を持っている(免疫反応をしている)宿主ほど
よく増殖するからです。最初の感染ではあまり症状はありませんが、2度目以降
の感染は激烈な症状を示します。

+++ ウイルスと免疫の戦いは系統樹に表れる +++

ウイルスは患者さんから取った体液(鼻汁、唾液、血液など)から分離します
(培養細胞で培養します)。うまく増殖できるようになると分離株と呼ばれま
す。ウイルスによっては分離が難しいものもいます。C型肝炎ウイルスは分離が
できません。現在ではPCR法を用いて、ウイルスの核酸を直接調べています。

分離したウイルスのタンパク質(とくに抗原となるタンパク質)の遺伝子情報を
調べると、分離した場所、時間によって様々な変化があります。これを抗原変異
と呼びます。抗体が作られるタンパク質はウイルスによって決まっていて、大概
はウイルス粒子の表面のタンパク質です。

遺伝子情報を解析して、分離株の近縁関係を整理し、似た順に枝として結ぶと、
木の形になります。系統樹と呼びます。系統樹は分離株の直接の関係は示しませ
んが、ウイルスの変化の概要を掴むのに便利です。系統樹は作成の都合上、1つ
の幹からスタートして、それが2つ、3つに枝分かれすることを繰り返して全体の
形ができます。ウイルスの感染様式、宿主との戦い方法によって、系統樹の形が
変化します(Science 303, 327-332 2004)。

インフルエンザウイルスのように強いが完全でない免疫応答を受ける場合、ウイ
ルスは生き残るために常に姿を変えます。すなわち、抗原遺伝子の変異が連続
的、新しい抗原性を持ったウイルスが次々と出現することになります。1つの株
からいくつかの株が出現し、次の年はそのうちの1つから次のいくつかの株が出
現します。この繰り返しですから、系統樹の形はしだれ柳の枝のようになります。

持続感染するHIV(エイズウイルス)なども、一人の患者さんの中では同じよう
な変化を示します。しかし、多くの患者さんから分離した株を比較すると、分離
株の間の違いが大きいので、足長の系統樹となります。

感染力の弱いウイルスは枝ごとに地域性が出て、地理的な分布と枝が一致しま
す。先に紹介したはしかのウイルスは同じ変異を持った株が繰り返し出現するパ
ターンを示します。デングウイルスはおおきな枝の先に小さな枝が密集する形
(分離株の抗原変異が小さい)になります。

+++ 種間を越えてもたらされる変異 +++

インフルエンザウイルスの場合は、他の動物種に感染していたウイルスの遺伝子
が人間社会で流行していたウイルスと交雑することで、集団としての免疫が無効
になってしまうような変化がおきます(前回を参照)。この場合、幼児だけが感
染するのではなく、全世代が感染する大流行(パンデミック:世界的な流行)と
なります。歴史上、**風邪として命名されています。

古い順に、1889年 旧アジア風邪(H2N2)→1918年 スペイン風邪 H1N1→1946年
 イタリア風邪→1957年 アジア風邪  H2N2→1968年 香港風邪 H3N2→1977年 
ソ連風邪  H1N1。もうそろそろ新しいパンデミック株が流行しそうな気配です。

+++ 人類はワクチン(擬似感染を経験する)でも戦う +++

免疫の仕組みが分かってくると、感染症と戦うために積極的に擬似感染するよう
になりました。ワクチンといいます。強い免疫を誘導するようなウイルスの場合
は1度のワクチンで一生有効です。ただし、免疫系が弱ってしまうと効果がなく
なります。

インフルエンザの場合は免疫が不完全で、姿(抗原タンパク質の形)を変えます
ので、せっかく成立した免疫が効きにくくなります。この点を改善するために、
現在では次の冬に流行しそうなウイルス株(そのシーズンの後期に分離された
株、分離株の国際的な状況など)を予測し、その株を基にワクチンを製造します。

インフルエンザワクチンは効果の点でしばしば問題となります。鼻や口から侵入
したウイルスは上気道の粘膜細胞で増殖しただけで症状が出現します。現在のワ
クチンは粘膜での免疫応答の誘導が十分ではありません。ある程度の症状が出て
しまいます。しかし、恐ろしいのは血液に侵入した(全身感染)場合です。現在
のワクチンは血液中には十分な抗体を誘導しますので、比較的強い免疫力をつけ
ます。

○ワクチンができるまでは病原体(ウイルスや病原細菌)と人間とは生きるか死
ぬかのゲームをしていました。現在ではワクチンがあり、人間が大幅に有利にな
りました。しかし、ワクチンの効果をかいくぐって病原体は生き続けています。
病原体は変化し続けますから、ワクチンも改良を続ける必要があります。


◆◇ 森羅万象の系譜 ◆◇

30. 恐竜・・・古生物のヒーロー

2,5億年前のペルム紀末の大量絶滅を経て、中生代(三畳紀、ジュラ紀、白亜
紀)になった。三畳紀にはパンゲア超大陸が存在した。現在のトルコから中央ア
ジア、南中国にかけて古テチス海が沈みこんで消滅しようとしていた。その南か
らテチス海が拡大した。境界には現在のチベットやトルコ、イラン高原などが
あった。

裸子植物のうち、ペルム紀に発生したイチョウ類が次第に勢力を伸ばした。三畳
紀にはイチョウ類、松柏類、ソテツ類が主となり、下に真正シダ類が繁茂する森
林を構成した。初期の裸子植物、イチョウ類やソテツ類は、胚珠が裸で直接外気
に接している。松柏類では、枝や葉が変形してできた鱗片状の器官で胚珠を覆
い、球果を形作り、胚珠を保護する。受精も花粉により、花粉管を伸ばして直接
卵細胞に精細胞を送り届ける形態になった。地球上のほぼ全域に生息域を拡大で
きる仕組みとなった。

ペルム紀に栄えた巨大な単弓類は滅亡し、単弓類は他の爬虫類とともに生態系の
一員となった。爬虫類はアンモナイトと共に中生代を代表する生物である。三畳
紀には爬虫類は陸、海に生育範囲を拡大し、やがて、ジュラ紀には恐竜と呼ばれ
る一群の爬虫類が生態系のトップにのし上がった。分類学的には竜盤目と鳥盤目
の2つを恐竜と呼ぶ。恐竜は、翼竜やワニとともに主竜類とよばれる仲間であ
る。恐竜は脚を体の真下にのばして、前後に動かして歩くことができた。そのた
め、小さい恐竜は、すばやく動くことができ、高い運動性能をもち、ほかの小型
の動物を餌とした。また、真下に伸びる足は巨大な体を支えることができた。乾
燥しやすく、また、温度変化が激しい陸上では巨大化は大きな武器であった。恐
竜はジュラ紀に巨大化し、白亜紀には特徴的な装備を持つ多数の種が出現した。

ジュラ紀は温暖で、恐竜が大型化し、多様化した。陸上には裸子植物や恐竜、海
に魚竜や長くび竜、空に翼竜などの爬虫類が繁栄した。テチス海にはサンゴ礁が
ひろがっていた。テチス海の北岸は現在の東南アジアから中東(インドはまだは
るか南にあった)を通り、ヨーロッパ、北アメリカ大陸にいたる。南はオースト
ラリア北部からインドの北側を通り、アラビア半島、北アフリカにおよぶ。大西
洋が開きつつあり、テチス海の西は南アメリカにおよぶ。テチス海底は現在はヒ
マラヤ山脈・アルプス山脈となっている。

白亜紀の恐竜は温血動物となり、懐卵するもの、幼生動物を養うものも現れた。
そのまま進化したら、自由になった前足を使うものが現れ、人類のような種が出
現しただろうか?しかし、恐竜は約1億5000万年の間、地球上に存在したが、つ
いに文明を持つものは出現しなかった。

恐竜が体表に羽毛を持っていたかは現在の課題である。長年、鳥類化石と認めら
れていた始祖鳥に疑問符がつき、中国で見つかっている羽毛恐竜や原始的な鳥
「孔子鳥」が鳥類の起源と考えられている。この場合、鳥類の出現は白亜紀前期
(約1億3000万年前)となる。


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 2008/5/24 発行
 発行人 岩田
 HP: http://eco-evo.hp.infoseek.co.jp
 ご意見・お問い合わせ: a6iwata@infoseek.jp
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