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陰陽師教師・橘麗華


2008.03.13

陰陽師教師・橘麗華 「千鶴の一番長い一日」


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16

「じゃ、これお稲荷はんに」
優華はそういって雀の焼き鳥を出したかと思うとレンジに入れた。
いうまでもなくダーキニーは嬉しそうにしている。おまけに尻尾まで振っている。
その横でシュリーとマユーリーが「いやなものを見た」という様子でいやな顔をしているが…
まあ雀の焼き鳥なんか同じ鳥の化身であるシュリーやマユーリーに見せたら無理もないな…と、
麗華は思った。
「ウカにもおすそ分けしてくる」
ダーキニーはそういうと雀の焼き鳥を二羽袋に入れて姿を消した。
「荼吉尼天やいうのんが正式名称やけどね」
麗華は苦笑した。「…確かにお稲荷はんとして祭ってあるところもあるけど」
ただし「お寺はんのお稲荷はん」やけどね…と、麗華は付け加えた。
「あの外観ですぐわかるさかい」
優華は言った。「…因みに他の三人は吉祥天はんと摩利支天はんと孔雀明王はんやろ?」
「当たり」
マリーチーがいった。「…じゃあさ、マリアの式神は何と何か言ってみて」
「一人はえらい別嬪はんやさかい、弁天はんやてことはすぐ解る」
優華は言った。「…もう一人は…観音はんか思うたけど実は訶梨帝母はんやろ?鬼子母神はんとも
いうけど」
「まあね」
シュリーはうなずく。「…因みに母上は訶梨帝母というより鬼子母神と言ったほうが通りがいいかな」
「うちとこは真言宗やさかい、訶梨帝母でもええんやて」
麗華は言った。「…因みに生徒はサンスクリット名にちゃん付けで呼んでるけど」
そこへチャイムが来客を告げた。麗華はシュリーに見に行かせる。程なくしてマリアとジュンが
姿を見せた。
「今朝、杉本先生の家の近所にこんなものが落ちてたんですけどね」
ジュンは襟巻きのようなものを持ってきていた。「…どうも…狐の皮の襟巻きみたいなんですよ」
マリアが七夕の短冊のあまったものを使って書いたものと思える「狐の力を弱らせる護符」を
貼り付けてあるのはマリアがかなり用心深いからと見るべきなのだろうか。
「狐の皮の襟巻き?」
そういえば夕べ、楓と桜も「飯綱は狐の皮ででも作ろうと思えば作れる」といっていたっけ…と、
麗華は思い出した。
「それにしても何で杉本先生の家の前に落ちてたんだろ?」
ジュンは言った。「…本当なら術を破られると術者に襲い掛かるべく術者の下へ行くはずでしょ?」
「そら恐らくあれやろ」
麗華は言った。「…っていうか、あれ以外考えられへんねんのやけど」
「ダーキニーちゃんが成仏させたんですかね?」
マリアは言った。
「ごめん…たぶん原因は私」
サーラスヴァティが舌を出している。「…ダーキニーが危ないと思ったからとっさに無我夢中で
噛み付いたのよ」
「まさか毒の回りが計算以上に早すぎたいうわけかいな?」
麗華はあきれていった。「…まあええわ。何れにしろ杉本先生が無事やいうことになるとビックリ
してる人がいるはずやから」


※筆者多忙につき毎回遅れて申し訳ありません。


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