2008.10.06
陰陽師教師・橘麗華 「千鶴の一番長い一日」
19
そして9月8日、茅島神社。
「明日はいよいよ本番やからね」
麗華は千鶴に声を掛けた。「…ところで仕上がり具合はどない?」
「上出来ですよ」
千鶴は言った。「…舞を除いてみんな正月にまたやりたいみたいなことを言ってます」
舞を除いてというのは舞はお寺の娘だからである。
「神主ならともかく巫女には資格は一切要りませんからね」
冒頭で言ったとおり千鶴は「権直階」の神主階級を持っている。ちなみに神主階級で一番下の「権直階」は中卒、
「直階」は高卒でなら受験資格があるので「急遽後を継がなければならなくなった場合にとりあえず取る神主資格」という感じが強い。
「ところで千鶴ちゃん」
麗華は聞いた。「…進路のことやけどさ…もし神社を継ぐために大学に行くとしたら、二箇所しかないやろ?どないするん?」
ちなみに「正階」は大卒…といってもどこの大学でも取れるわけではなく神道系の大学を出る必要があり、
その大学というのが東京の国学館大学と三重県の皇學館大学の2箇所しかないのだ。
「ええ…逆に言うと…2ケ所に搾られている…ってことでしょう?」
千鶴はうなずいた。「…頑張りますよ。やっぱり正階は欲しいですし…欲言えば明階も欲しいんですけどね」
「お父さんの法律事務所はどうするの?」
舞が口を出す。
「法律事務所のほうは兄貴がいるから大丈夫よ」
千鶴は言った。「…第一、舞のほうがまだましよ。大谷大学を始め全国に数箇所あるんでしょ?」
「もっとも数箇所いうてもその殆どが関西なんやけどね」
…と、これは優華だ。「…わかるよ。うちかて一応は大学出てるさかい」
「伯父さんに無理言うたらしいん」
麗華が秘密をばらすような話し方をした。「…わかっとるよ。実は奨学金で行ったいうことは」
「いったいどこの大学ですか?」
「どことはいわへんけど京都の国立大」
麗華は言った。「…経営学科の教職課程出てるから中学校の社会科と高校の公民の免許持ってはるんやて。
もっとも実際に教師になったうちと違て優華の教員免許はお飾りやけど」
※作者多忙につきほとんど隔月状態になってしまって大変申し訳ありません。
※この小説だけは完結させますので見放さないでください。<(_ _)>
(順調に行けば次回完結…のはず…なのですが…)
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