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シカゴ発 映画の精神医学


2008.07.10

映画の精神医学 ボーダーライン化する子供たち〜「スカイ・クロラ」


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      映画の精神医学
       
●第278号● 2008年7月10日発行 ● 発行部数 :47,077部
 
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    【 目 次 】
■1 はじめに
■2 最新映画批評 「スカイ・クロラ」
■3 精神医学の目  何とかしてほしい医師不足
■4 【「映画の心理学」講演会】DVD 無料プレゼント
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■1 はじめに
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 今、ペプシ・コーラを買うと、「スター・ウォーズ」の
ベア・ブリック(キャラクターを熊風にアレンジたキーホルダー)が
ついています。
http://www.pepsi.co.jp/campaign/

 袋の中が見えるので、知ってる人は、すでにコンプリートしている
とは思いますが、おそらく知らない人も多いでしょう。
 あまり、売っていないようなので・・・。

 発売日に、スーパーやコンビニを何軒も回りましたが、
どこにも置いていなくて、困ったなあ・・・と思って、
ヤフー・オークションをチェックしたら出品されていたので、
16種類コンプリートを2,000円で落札しました。

 ペプシはついていませんが、ペプシ16本買うより安かったです(笑)。

 どうやら、「ファミリー・マート」には置いてあるようですが、
一次出荷がなくなり次第終了するそうなので、ほしい方は、
早めに入手した方がいいでしょう。


 なぜ今頃、スター・ウォーズなのかというと、
今年は、「スター・ウォーズ エピソード4」日本公開から30周年なんです。
 
 アメリカは、去年が30周年記念だったのですが、日本は
「エピソード4」がアメリカより1年遅れで公開されていますので
今年が30周年ということになります。


 今年の8月23日には、「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」
の劇場公開も控えています。

 そして、個人的に楽しみなのが、
7月19日〜21日に開催される、

「スター・ウォーズ・セレブレーション・ジャパン」
〜日本公開30周年記念イベント〜
http://01.futako.info/a/sw1.html

です。

 まあ、これは「スター・ウォーズ」のコンベンションというか
お祭りですね。私はアメリカで過去2回参加していますが、
「スター・ウォーズ」の俳優さんにに直接会って
サインをもらったり、2ショット写真を撮ったり。
 あるいは、トーク・セッションでは、スタッフさんの撮影秘話を
聞いたり、あと物販で限定グッズが販売されたり、
プロップの展示があったり、
楽しくてしょうががありません。

 今回、ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルの来日が
決まっているので、そちらも楽しみです。

 入場料がちょっと高いですが、
「スター・ウォーズ」ファンであれば、もとはとれるはず。

 今年の夏は、「スター・ウォーズ」で盛りあがりましょう。

 もし会場で、私を見つけた場合は、遠慮なくお声掛けください(笑)。


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■2 最新映画批評
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┌────────────────┐
 「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」
└────────────────┘

「スカイ・クロラ 」オフィシャル・ページ
http://sky.crawlers.jp/index.html

 最近、「映画の心理学」講演会や、「映画の心理学」の発行にかなりの
時間をとられていたので、最新作の試写会に全く行けないでいた。

 しかし、この試写会だけは見逃せない、ということで
押井守監督の最新アニメーション「スカイ・クロラ」を見てきた。

 結論から言うと、素晴らしい。
 文句なしの傑作。

 ただ、痛快な娯楽作品ではないから万人向けではないが、
過去の押井作品同様に、非常に「深い」作品になっている。

 映画を見ている間も、映画にグイグイ引き込まれるが、
映画が終わった後に、映画を反芻する時間がまた楽しい。

「あのシーンのあのセリフはこういう意味もあったのか・・・」
という発見がたくさんある。

 見終わった後に、もう一度見たくなる映画。
 そういう映画は、そんなにたくさんはない。

 実はこの日、「攻殻機動隊2.0」の試写会が連続してあって、
二作品を立て続けに見たのだか、テーマが見事に重なっていたので
ビックリした。

 「スカイ・クロラ」には、「生きている実感のない若者」。
 いつまでたっても子供のまま、大人にならない「キルドレ」
が登場する。

 「生きている実感がない」という感覚は、
境界性パーソナリティ障害(ボーダーライン・パーソナリティ・ディスオーダー)
に特徴的な感覚であるが、別に「ボーダーライン」という病気でなくても、
今の若者には、そういう人が多いのかもしれない。

 「映画の心理学」第6号では、子供の成長と父親殺しについて
説明したが、その知識が本作では大いに役立つはずだ。
http://01.futako.info/a/eishin.html

 父親を殺さないと子供は成長できない。
  「スター・ウオーズ」もそうだし、「スカイ・クロラ」もまた、
「父親殺し」が裏テーマになっている。

 精神医学的、心理学にもたっぷりと解説したくなる作品だ。

 夏休み公開ということで、押井監督は、宮崎駿監督の「崖の下のポニョ」に
敢えて対決を挑んだのかと勘繰ったか、狙っている観客層が全く異なる。

 押井監督は、今の若者に見てほしいと言っているが、
「エヴァンゲリオン」のように、若者たちの心をつかみ
大ブレイクするかもしれない。そんな予感がした。

樺沢の評価  ★★★★☆

 (★★★★★が満点。☆は、★の半分)


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■3 精神医学の目 
─────────────────────────────────
┌─────────────┐
 何とかしてほしい医師不足
└─────────────┘

 文部科学省は6月30日、政府が昨年5月にまとめた緊急医師確保対策
で医学部の臨時定員増が認められたことを受け、
新たに26大学から122人の2009年度の医学部定員増の申請があったと
発表しました。
 今年3月末までの申請と合わせ、38大学、179人の定員増となります。

 福田総理は、「待ったなし」の対策を行ったと、
医学部の定員増について自慢げに話していましたが、
あなたはどう思いましたが?

 179人の定員増。
 ザックリと都道府県の数で割ると、一都道府県あたり4人も増えない
ということになります。

 これって、どれほどの意味があるのでしょうか?


 この増えた4人が、最近不足が叫ばれている産科医や小児科医になってくれれば
まだいいのですが、そうはうまくいくはずがありません。


 ちなみに、「医師は、どうやって専攻する科を選ぶのですか?」という
質問を時々されます。

 大学を卒業して、医師国家試験に合格した後に、2年間を研修医として、
内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療などを
一通り学び、研修期間の終了後に、自分が専門に学びたい科を
自由意思で専攻するのです。

 つまり、産科や小児科医がこれだけ忙しくて大変だと言われているなか、
敢えてその厳しい道を専攻したいという人がどれだけいるのか・・・
ということになると、非常に難しい問題があります。


 さて、医師の定員を増やしても、医学部は卒業するまでに6年かかります。
 研修医期間が2年で、その後、専門科を専攻してから、
一人前になるまでに、5年以上はかかります。

 来年入学する医学生が、最前線でバリバリ働く一人前の医師になるまでに、
12、3年はかかる、ということになります(笑)。

 それまで、どうするのでしょうか?
 今の、医師不足。

 いえ、その後も、ほとんどかわりません。
 焼け石に水。

 もっとドカーンと増やさないと、どうにもならないでしょう。


 そうしないと、10年後の日本の医療というのは、大変なことに
なっているはずです。


 ちなみに、日本の医師数がどれだけ少ないかというと、
経済協力開発機構(OECD、30カ国)のデータによりますと、
人口1000人当たりの医師数は、日本は30カ国中27位の2.0人。
OECD平均の3.0人を大きく下回っています。

 日本より医師数が少ないのは、トルコ、メキシコ、韓国。
 しかし、2009年には韓国に抜かれて日本が28位になり、
2020年には最下位争いをするもよう。

 一方で、1年間に医師の診察を受ける回数は、国民1人当たり
日本は13.8回で、データがある28カ国中で最多なのです。

 日本の医師は、世界で最も忙しいということになるでしょう。


 このデータだけでも、日本の医師の状況は、かなりひどいもだとわかりますが、、
先日、医療問題に詳しい先生から、驚くべき事実を聞かされました。

 それは、1000人当たりの医師2.0人という数字は、
厚労省が相当に水増ししている数字だというのです。

 医師免許の保有者は、厚労省が「医籍」という名簿によって管理
していますが、医師が引退したり、死亡した場合、厚労省に
届け出て「医師免許証」を返納して、
「医籍」を抹消してもらわないといけないのです。

 医者自身は、そのことを知っていますけど、家族はこのことをあまり知りません。
 したがって、医師が死亡しても、「医籍」の抹消届けが出されないことも
多いわけです。

 それで、厚労省の発表している医師数というのは、
この医籍に登録されている人の数、
つまり医師免許保有者の数(死亡者を多数含む)だというのです。

 実は、おもしろいサイトがあります。
 
 厚労省の「医師等資格確認検索」です。
http://licenseif.mhlw.go.jp/search/top.jsp

 ここに、医師の姓名を入力すると実在する医師の情報が
出てくるわけですが、すでに死亡された医師の名前を入力しても、
ドンドン出てきます(笑)。


 日本の医師数は、25万人と言われていますが、そのうち
すでに死亡されたドクターが、どれだけ含まれているのでしょう?


 医師が、これだけハードワークを強いられ続けると、
医師になりたいという人も、減ってくるでしょう。

 少なくとも、頭が良くて優秀な人は、今までは、医者か弁護士という
のが定番でしたが、今後は、「医者」は、人気職業からは
はずれてくるでしょう。


 アメリカでは、すでにそうなっています。
 私が、シガゴの大学にいたときに、臨床のドクターと共同の勉強会
というのが時々ありましたが、白人のドクターというのは、ほとんどいません。

 インド系、中国系、アフリカ系で、3分の2以上を占めます。
 白人かと思ったら、東欧やロシア出身の留学生(アメリカ永住権なし)
だったり、ユダヤ系だったりということで、
アングロサクソン系のアメリカ人というのは、
数えるほどしかいませんでした。

 アメリカでは、医者というのはハードワークな割に、
失敗するとすぐに訴えられるリスキーな職業というイメージですから、
最近では、人気のない職業といえるでしょう。

 メディカル・スクールを出て医師免許をとるくらいなら、
MBAを取得した方が、収入的には明らかに儲かりますから、
優秀な人材はそういった方面に流れているようです。

 日本では最近、増え続ける老人の介護のために、
東南アジアから、介護士を受け入れるという話がありますが、
近い将来、医師も海外から受け入れざるを得ないる時代が、
やってくるかもしれません。


 我々医師は、「1時間も待ったのに3分診療とはどういうことだ」と
患者さんに怒られることもよくありますが、
午前中の3時間で30人の患者さんを診察するとすれば、
1人当たり、何分の診察時間になるか、計算していただきたいと
思います。

 1時間10人の診察だと、1人6分。

 カルテの入力と処方箋の記入に、1人、2-3分かかりますので、
3分診療しか物理的にできないのです。


 別に、医師が横柄だからとか、好きこのんで3分診療をしたい
わけではないのです。

 医師としてできるのは、せいぜい昼食を10分で食べて、
残りの昼休み時間を全て診察に当てるくらいなものです。

 それでも、4時間で30人診察しても、1人8分ですから、
たいしたかわりはありません。


 というわけで、「3分診療はけしからん!!」という文句は、
医者に言われてもどうしょうもない。
 厚労省に言っていただきたいのです。

 ひょっとすると、10年後には、「1分診療」の時代が来て、
「今日は、3分も診療してもらえてありがたかった」なんていう
時代が来るかもしれません(笑)。

 日本の医療が壊滅する前に、何とか対策をとってほしいですが、
1年間で179人増を誇らしげに報道するくらいですから、
政府や役人には何の期待もできません。
 本当に、どうしたらいいのでしょうか・・・。


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■4 樺沢紫苑、宮崎駿を語る・・・
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 7月15日発行の「映画の心理学」は、

●音声セミナー
「樺沢紫苑、宮崎駿を語る・・・」

を、お届けする予定です。

 宮崎駿監督「崖の上のポニョ」の公開を記念して、
樺沢が見た宮崎作品、そして宮崎駿の人物分析を語りたいと
思います。

 私の、宮崎駿との出会いとは?
 最も失望した宮崎作品とは?
 私が最も好きな、宮崎作品とは?
 私が最も好きな、宮崎作品のシーンとは?
 宮崎作品の魅力とは?
 宮崎作品は、なぜ、全日本人的に支持されるのか?
 宮崎駿の創作の秘密とは?
 「ゲド戦記」をめぐる息子吾朗との確執の真相とは?
 「老い」と創作エネルギーとは?

 私自身が宮崎駿監督の大ファンでありますから、
かなりおもしろい話ができるのではないか・・・と
今から楽しみにしています。

 宮崎駿ファンは、必聴です!!

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 詳しくは、「映画の心理学」登録後、8月1日送られてくる
案内メールをご覧ください。

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 テレビ、ラジオへの出演依頼などを大歓迎します。
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