2007.05.13
ドイツ発 わが輩は主夫である
●━━●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ドイツ発 わが輩は主夫である 【その53】
● (2007/05/13 発行)
━━●━━━●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
わたくし、高松平藏は
妻の故郷、ドイツのエアランゲンという街に住んでいます。
ここでは3人の子供たちに日々翻弄される、兼業主夫。
そんな私のコラムをお送りします。
(エアランゲンってどこ?? → www.interlocal.org/Erlangen.htm )
□□ 今回の目次 □□
★【コラム】 びっくりたまご(下)
★ 執筆後語
---【お知らせ】------------------------------------------------------
インターローカルジャーナルのサイト内のコーナー
『高松 平藏のノート』 の最近の執筆分
http://www.interlocal.org/note.htm
・マーケティングのうまい市営劇場
・『国産検索エンジン』を考える
・ 風刺お笑い〜カバレットとドイツ社会
・図書館と国家、ドイツと日本
・知識化組織と博士たち
------------------------------------------------------【お知らせ】---
──────────────────────────────────────
びっくりたまご(下)
──────────────────────────────────────
先生は生徒を選べないが、生徒も先生は選べない。困った先生が担任になったらどう
すればよいのだろうか。前回に引き続きお送りする。
■■2年間やりすごす戦略■■
長女が3年生になったとき、耳に入ってきたのが担任の先生のまずい評判だった。こ
の先生は子供のみならず、関係者からも不評である。当初私は『評判は評判』と距離
をおいてみていたが、すぐに子供に影響した。長女の顔が曇ることが多くなった。
この先生の悪評はいろいろ耳にはいってくるのであるが、中には話し半分できいてお
おいたほうがいいようなこともあるだろう。それにしてもぬぐい切れない違和感が
ある。それは、子供のモチベーションを高める配慮があまり感じられないことだ。
ドイツには落第がある。3年生になって半年ほどたったあと、長女のクラスは24人
のうち2人が落第して2年生に戻った。私が知る範囲では、少なくとももう一人の児
童も危うかった。保護者との話しあいで、1年間様子を見て判断するということにな
り、落第をまぬがれた。この様子を見ていると落第する児童本人の問題もあるだ
ろうが、先生の職能の問題もあるように思えてならない。
そんなわけで、私と妻は長女と話す時間を増やした。というよりも自然に増えた。
『まあ、どの先生が担任になるかはびっくり卵みたいなもんだ、もっとも先生にとっ
てもどんな子供が来るかはびっくり卵やけどなあ』と長女に話した。そして、次の
3点を加えた。
・先生に左右されて成績が下がるのはバカバカしい。
先生のやり方が受け入れられなくても、勉強して
テストでいい点をとること。
パパとママはそのための支援はする。
・先生だって人間である。『嫌い、嫌い』と思っていたら、
その気持ちは伝わる。すると、先生との関係も不必
要に悪くなるかもしれない。先生のいいところをみつ
ける努力をすること。
・何があってもパパとママは味方であること。
これは学校をどうやりすごすかという戦略にほかならない。親の立場としてはクラス
を変えてくれとか、担任を変えてほしい、といったふうに学校と対峙する選択肢もあ
るだろうが、使うエネルギーが大きすぎるうえに子供にとってもストレスが出てくる
だろう。また今のクラスは1年生からずっともちあがってきているので、友達関係、
親同士の関係は大変いいのだ。
これぐらいの年齢の時ぐらい、もう少し楽観的に学校生活をとも思うが長女の様子を
みているとそうも言ってられない。やれやれである。親としては、どんと構えて子供
に対して安心感を保障しつつ、現実的な道筋をつけて、必要な支援をしてやるという
ことが肝要だろう。
■■目の前と遠くを同時に見る■■
だが、よくよく考えると、会社などでもできる社員はほんの一握り。そこそこ能力あ
る社員がそれなりにいて、ダメな社員もいる。先生だってそうなのだ。どんな先生に
あたるかは、まったくもって『びっくり卵』なのだ。が、問題は子供にとって先生の
存在感や影響力は小さくないということだ。人生を左右しかねないこともあるだろ
う。先生の質については日本でも議論があるが、これはドイツでも同じといえる。
またドイツの教育システムを鑑みると、基幹学校(小学校。4年生まで)のあと、あ
る程度人生の方向性が決まってしまうようなところがある。もし子供に将来なりたい
もの、それがたとえばパイロットになりたいなど一定の教育が必要なものであれば、
まずい先生のために成績が下がると、夢が遠のいてしまう。それだけに、できるだけ
遠くをにらみつつ、現実をどうしていくかという助言が必要だ。
まあ、長女といろいろな話をしているうちに自分はどうするべきかということが彼女
なりにつかんだようで、少し表情も明るくなった。が、それにしても夕食時などに
『先生のいいとこ見つけたか?』とたまに問うても『ううーん』と苦虫をつぶしてい
る。それに、いまだ2年生の時の先生に手紙を書いたり、話しに行ったりしている。
そんな様子を見ると、『ひょっとして落第した子供のほうが、先生がかわってラッ
キーかもなあ』と妻と顔をあわせるのであった。(了)
──────────────────────────────────────
執筆後語
──────────────────────────────────────
◆本日午後から、またまた幼稚園関係のイベント。我が家は今週は幼稚園にふりまわ
されています。
◆今日はそれほど暖かい天気でもなかったのですが、イベント終了後は『今夜はビア
ガーデンで夕食をとろうと思うがどうかな?』と私。反対者はゼロ。またもや家族5
人で近所のビアガーデンに行きました。
◆ちなみにドイツは夏時間ということもあるのですが、夜はけっこう遅くまで明るい
です。8時前には帰宅したのですが、まだまだ真昼間のようで、ちょっとした散歩に
もなりました。この週末、精神的に必要以上に忙しさを感じているのですが、『ビア
ガーデン+散歩』で人心地つきました。(高松 平藏)
──────────────────────────────────────
【ご意見、ご感想をお寄せください】
当メルマガにご意見やご感想などお送りください。
○送り先→ pro@interlocal.org
※スパム対策に@部分は全角で書いています。
──────────────────────────────────────
シ友達にメールで教える
生活情報ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ
(C)まぐまぐ