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2006.10.02

白保メール No.85 台風13号から学ぶこと


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                             //転載歓迎//


 <台風13号から学ぶこと>

 台風13号は、9月15日夜から16日夕方まで丸一日八重山を暴風圏に巻き込み、
建物や船、作物などに大きな被害をもたらしました。近年にない強い台風で、1977年
のベラ台風に次ぐものだったそうです。

 今号執筆予定だった小林孝の住む白保集落は5日間停電と断水が続きました。本人
が農作業小屋兼事務作業部屋として使っている隣の建物(旧小林家)も、前の家から
鉄骨造の小屋が飛んできて逆さまに乗り、まるで屋根から鉄骨が生えたようです。窓
ガラスが割れ雨が入り、資料が水浸しになりました。田んぼも被害を受けたとのこと
です。
 小林の執筆が困難なため今号は予定を変更し、谷崎と鷲尾が台風13号に関連して
書くことにしました。


 <<ふるい分け>>                     谷崎 樹生

 30年ぶりという猛烈な台風13号は一夜にして島の風景を一変させてしまいまし
た。コンクリート製の電柱が折れたり、プレハブが吹っ飛んだり、信号が壊されたり、
街路樹が根こそぎ引き抜かれたり、台風一過の島の風景は津波に洗われたような惨憺
たるものでした。このような自然災害には、島の風土にふさわしい物とそうでない物
を厳しく選別するという機能もあるようです。
 一見緑豊かに見える石垣島の風景ですが、よく見ると、モクマオウやギンネム、ナ
ピアグラス、シロノセンダングサといった移入種や帰化植物の暴走で破壊されたもの
でした。今回の台風で、モクマオウ林の受けた壊滅的なダメージを見ると、やはりモ
クマオウは島の気候に合わないということがわかります。
 最近の数年間では、植生のような自然物だけでなく、建物や看板、電線などの人工
物によっても、島の風景は激変しました。
 今後温暖化が進めば、今回のような猛烈な台風が毎年襲来することになります。そ
してその度に、暴風雨は島にふさわしくない物を容赦なく破壊していくことでしょう。
 
 防災のためには過去の災害の記録からたくさんのことを学ばねばなりませんが、今
後は過去に例のないような極端な気候変動も起こり得ます。
 私たちは今回の台風から何を学び取ることができたでしょうか?復旧工事は台風か
ら二週間以上経った今でも急ピッチで進められていますが、元に戻すだけではまた次
の台風で同じような被害が出るだけです。
 災害に強い質の高いインフラの整備やその有効活用のためにどのような態勢が必要
なのか、徹底的に検討し、実践する良い機会を与えてくれたのが今回の台風13号で
した。出来ることからではなく、しなければいけないことからすぐに、対策に取り掛
からねばなりません。このチャンスを是非、活かしたいものです。


 <<災害のあと>>                     鷲尾 雅久

 今回の台風の影響は、あとあとまで残りました。何日間も停電と断水が続いたとこ
ろもあります。ところによっては電話回線の回復も遅れました。スーパーの棚からは
飲料やインスタント麺が消え、しばらく補充されませんでした。
 こうしたことは、台風だけでなく、地震や津波のあとでも起こることでしょう。こ
れらの場合、港や空港も被害を受けることが予想されますから、復旧はさらに遅れる
ことを覚悟する必要があります。
 普段から、住民一人一人が備えをすべきでしょう。食料や水、燃料の備蓄、懐中電
灯やロウソクの用意、携帯電話の電源の確保(使えるとしたら、ですが)などが必要
です。傷薬や包帯、ラジオも用意しなければなりません。
 今回は、冷蔵庫への頼りすぎの危うさも思い知らされました。無理に全部食べたな
どというのは笑い話で済まされますが、だめになったのに他に食べるものがないとい
う状態は悲惨です。備蓄といっても、昔からの保存食を日常の食事に取り入れるなど
の発想の転換もあっていいと思います。
 1年ほど前見た新聞記事では、沖縄県が調査したところ、県内市町村の非常用備蓄
は不十分で、石垣市には備蓄がなく竹富町も毛布だけとのことでした。これは今は改
善されたでしょうか。
 災害に備えること、それを乗り切ることがまず必要なのはもちろんですが、離島で
は、救援の手が差し伸べられるのは遅くなることも考えるべきです。それまで持ちこ
たえるための備えの重要性も実感させてくれた今回の台風でした。


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白保メール NO.85  06.10.2
発行者   鷲尾雅久 谷崎樹生 小林 孝
      shiraho@estate.ocn.ne.jp


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