東京地裁つまみぐい ── 裁判をネットで観てみよう! |
2008.07.06
▲▼ 東京地裁つまみぐい ▼▲ 第79皿目【下着ドロボーをめぐるミステリー】
書を捨て 法廷に行こう …… 東京地裁つまみぐい ・━━━━━━━━
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ずるずる1カ月もの間、勝手に休んでしまって、どうもすみませんでした。
おかげさまで、次回作の原稿が書き上がりました。裁判官のお言葉集の第2弾で
ございます。まだまだ校正作業が残ってますが、9月末にも店頭に並ぶスケジュー
ルで進んでます。
ようやくです。去年の春の段階で、すでにお話はあったのですが、裁判官の
お言葉に負けない解説を書いてやろうと意気込んでましたら、だいぶ懲りすぎて
しまいました。
執筆業の「効率」ってもんを考えたら、もう少しスピードアップさせなければ
なりませんかね。面白いモノを書いたからといって、即座に売り上げに反映する
わけではないのが、この世界の難しさです。
でも、次回作の面白さに関しては、ハッキリ言っちゃうと、けっこう自信あります。
前作「裁判官の爆笑お言葉集」は、解説があっさりしているとの声もありましたが、
次は、だいぶ濃ぃいですよ。
たまに「ナガミネさん、サイン会やらないんですか?」と聞かれたりします。
たいていは、からかい半分で言われるんでしょうけど、どうなんでしょうかね。
ああいうの。
別にサイン会やっている、芸能人でもない著者の方々を、批判するつもりは
ないんですが…… なんのためにやってるんですか? あれ。
まぁ、ふつうに考えて思いつく理由は
「その書店が売り上げ週間ランキングを発表している」
→ 「サイン会で大量購入があればランキングが有利になる」
→ 「ランキング上位に入れば、人気のある本のように見える」
→ 「話題になって、さらに売れる」
という、理想的なサイクルを生み出すためでしょう。
本を買った人と握手して、サインして、「頑張ってください」「ありがとう」
著者も読者も忙しいので、あれぐらいの「ふれあい」がちょうどいいのかも
しれませんが、せっかくの「一期一会」を相当ムダにしているような。
もし私がやるんだったら、どこかの大きな座敷を借り切っての「宴会」に
したいですね。 そして、本に対する「ツッコミ・べたぼめ大会」を開催し、
読者の皆さんからの忌憚のないご意見を、酒の勢いにまかせて頂戴します。
そこから次の企画がボンヤリ見えるかもしれないし、読者同士の横のつながり、
異業種交流、新たな男女の出会いなんかもチャッカリ生まれるのかも。 うふ。
別に男女に限らず、男男ないし女女の出会いでもいいんですが。
「ナガミネさんの宴会で知り合った彼女と、今度結婚します!」と報告を受け、
「そうですかっ!おめでとうございますっっ」と、私は爽やかに答えるばかりで、
相変わらず孤独にカリカリ原稿と向き合う日々が続くのです。
いいっすねぇ〜、 単なる妄想だけど。
今はとりあえずニュートラルに、男女問わず友人を増やそうと画策してます。
今のところ、顔見知りがじわじわ増えているような状態ですかね。
初対面の人に会うのが苦手な性格だと、けっこう人生ソンしますよね。 そこは
痛感しつつも、なんとか状況を改善しようと、人見知りなりに、地味にコミュニケー
ションをやっとります。 今週と来週、新開拓のメンバーで飲み会が予定されてたり
しているので、何がどうなるか楽しみであります。
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\ ┌──┴────────────────────┴──┐ /
\ │ 日本国憲法 第82条 (裁判の公開) │ /
/ │ │ \
/ │ 1 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。 │ \
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▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ ネットで擬似体験する裁判傍聴!
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲ 本日の つまみぐい法廷
(※印は、発行人注です)
□
■□ 住居侵入 被告事件
【被告人】 男性(30代)
【法 廷】 名古屋地方裁判所
見知らぬ女性の住む部屋に勝手に侵入し、下着泥棒の疑いで検挙された被告人には、
妻と3人の子どもがいるそうだ。一番上は中学1年生なのだという。
しかも、同様の下着泥棒の前科があり、前刑の執行猶予中の犯行という、なかなか
救いがたい状況。
過去にそこを通りかかった際、女性の部屋から昼間にあえぎ声が聞こえてきたので、
気になっていたそう。そして、犯行当日には部屋のベランダ側の窓が少し開いている
のが見えたため、侵入を決意したようだ。
しかし、「(その現場からは)下着を盗んだ記憶がない」と供述をしている被告人。
ほかの犯行と区別がつかないほど、ひんぱんに下着泥棒を行っていたということだろう
か。言い逃れにしては、なかなか理解しがたいところといえよう。
被告人は、部屋や公衆トイレなどから盗んだ下着を、クルマの中に大量に保管して
いたようだ。さすがに、妻も子もいる自宅で隠し持つわけにはいかなかったのだろう。
一方、検察は取り調べ段階で、被告人の隠し持っていた下着の一部から、被害者女性
のDNAが採取されたと告げ、被告人にプレッシャーをかけたようだ。しかし、結局は
窃盗罪での立件はなされず、住居侵入のみで起訴されている。
被害品から被害者のDNAが出たというのは、十分に窃盗の罪で追起訴しうる、かなり
有力な証拠といえないだろうか。しかし、起訴が見送られたということが気になった。
簡易鑑定だろうが、下着泥棒でわざわざDNAを調べるものなのだろうか。もしか
したら、本件の被害女性の下着を盗んだとの自白を得たくて、取り調べ官はハッタリを
述べたのではないかと、うがった見方もしたくなる。
被告人ばかりか、訴追側の事情もよく見えない、なんとも傍聴人泣かせの裁判と
なっていた。
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もっと、本格的な裁判傍聴録を読みたければ……
絶坊主さんの 『 名古屋地方裁判所 やじうま傍聴記 』
http://chisai.seesaa.net/
「もう二度としません」
「申し訳ありませんでした」
「反省しています」
じつは、刑事裁判に持ち込まれる事件の背景や、登場する被告人のセリフって、
だいたいパターンが決まってるんですよね。
にもかかわらず、これだけバラエティに富んだ傍聴記録をアップしつづけられる
ということは……
あっしには、わかりますぜ。 絶坊主さんは、少なくとも、エントリされている
記事の数倍、数十倍、相当な回数の裁判傍聴をこなしておられるということを。
頭の下がる思いがします。
http://chisai.seesaa.net/
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桃栗3年 柿8年 … 出版企画のタネをまく
/// ウ ィ ー ク リ ー な が み ね \\\
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□□■ PLAN 0011
□■
■ 『 裁判所をつくろう! 』 第3話
〜〜 この裁判員時代に問う…… 「そもそもサイバンって何??」
<前話までのあらすじ>
自殺した浪人生カマユデアツシ19歳は、冥界で閻魔大王の裁きを受けている。
生前にウソをついていた場合、舌を抜かれるということだが、ウソをついた証拠が
ないとして、アツシは反論していた。そこで、閻魔さまは「証拠を見せる」と言い
出した。
えんま 「これが閻魔帳じゃ。ここにキサマが生前ついたウソが、ことごとく
記されておる」
アツシ 「もしかして、その閻魔帳が証拠だっていうんですか?」
えんま 「むろん、これ以上信用できる証拠があるかよ」
アツシ 「誰が書いたんですか? それ」
えんま 「閻魔帳に記録するのは、この閻魔に決まっておろう」
アツシ 「いやいや、おかしいでしょう」
えんま 「なにがおかしい?」
アツシ 「証拠をつくる人と裁く人が同じなのは、どう考えてもおかしいですよ」
えんま 「どこがおかしい?」
アツシ 「いくらでもインチキやズルができますよね」
えんま 「たわけ!! この閻魔がそんなことするわけなかろう」
アツシ 「閻魔さんこそ、ウソつきなんじゃない?」
えんま 「ウソなどつく動機がない。 ワシは下界を見通し、そのままを記して
おるだけじゃ」
アツシ 「ちょっと見せろや」
えんま 「お……おいコラ、勝手なことすんな」
アツシ 「ウソ書いてあるかもしれないじゃないですか」
えんま 「だから引っぱんなって! ぬあっ!!」
ビリッ
青オニ 「き、キサマ!!」
アツシ 「あーあ」
えんま 「あーあじゃねえよ。 ……もうよい。そんなに見たけりゃ見るがよい。
青オニ、あとで修繕しておくように」
青オニ 「御意」
アツシ 「なになに、死人カマユデアツシは、閻魔暦4421年158日、未の刻
43分、サッカーのワールドカップのテレビ中継を見忘れていたくせに、
周囲と話を合わせるため、『見た』と虚偽を述べ、口から出まかせを
言ってのけた……」
えんま 「どうじゃ? 真実じゃろう」
アツシ 「こんなの、いちいち覚えてないっすよ」
えんま 「なんと、ウソをついた事実を覚えてないほど、ウソをつきまくっていると
いうことか。なんという罪深い愚か者」
アツシ 「そういうの、いちいちウソだって言いませんよ。 社交性の一環です」
えんま 「よくもまぁ、ぬけぬけと」
アツシ 「えーと…… カマユデアツシは、ひそかに好意を寄せる女人である
チノイケカオルから『ねぇ、あたし、周りから浮いてるかな。空気読めて
ないかな』と訊かれ、『そんなことないだろ』と、虚偽を述べた……って」
えんま 「この大ウソつきがぁ!」
アツシ 「何がウソなんだよ! カオルちゃんは、別に変わり者でも何でもない
ですよ!!」
えんま 「まだあるぞ」
アツシ 「えっ? ……さらに『ねぇ、あたし、顔むくんでるかな? 二の腕太い
かな?』と訊かれ、『そうでもない』などと虚偽を重ねただぁ?」
えんま 「この虚言癖ヤローが!」
アツシ 「これはウソとかじゃなく、マナーでしょう。彼女、気にしてるんです
から」
えんま 「……ということは、チノイケカオルの顔がむくんでいる事実を認める
と……」
アツシ 「そうじゃなくて。 それに女の子の二の腕はぷよぷよしてるほうが
うれしい男だっているんですよ」
えんま 「それはわかるが」
アツシ 「わかるんかい」
えんま 「細けりゃいいんか?ってちゅー話じゃ」
アツシ 「もう、わかりましたから」
えんま 「ともかく、ウソはウソじゃ」
アツシ 「なんだか、えんまさんのサジ加減ひとつで基準が決まってるような気も
するなぁ。やっぱズルいですよ」
えんま 「ズルいものか。 キサマの虚言のほうが目に余るわ」
アツシ 「あぁ、まだ書いてあるなぁ……。 カマユデアツシは、小学3年の頃、
靴を隠されていじめられている1年生を見つけ、『ちょっとデカいかも
しれんが、これ履いていけよ』と、自分の靴を差し出し、帰宅後に、靴を
どうしたのか尋ねてきた母親に向かって、『田んぼに落ちて泥だらけに
なったから捨ててきた』と虚偽を述べた……!」
えんま 「ウソつきは泥棒の始まりじゃ!!」
アツシ 「いやいや、めちゃめちゃイイ話じゃないですか! 他人のために自分が
犠牲になってウソをついたのに」
えんま 「そんな言い訳を垂れおって!」
アツシ 「絶対おかしいですって。どんな理由があろうとウソがダメだなんて」
えんま 「親から聞かされておらんか。『ウソをつくと閻魔大王から舌をひっこ抜か
れる』と」
アツシ 「知りませんよ、そんなの。多かれ少なかれ、ウソなんて誰だってついてる
でしょうよ」
えんま 「な……なんと、知らんとな! そんな教育がありうるのか」
アツシ 「今どき、そんなのありませんって。生きてるときにウソついてたら舌を
抜かれるというのは、まさに不意打ちですよ」
えんま 「不意打ちなもんかね」
アツシ 「だいたい、ウソついたら舌を抜かれるというのが、ウソですよね」
えんま 「ほほぉ、青オニよ! 舌抜きマッシーンを持ってこい!」
青オニ 「御意!」
アツシ 「いやいや、わかりましたから!」
ギギギギギギ…… (重い扉がひらく音)
赤オニ 「えんまさま! お裁きはまだですかねぇ? 後がつかえてるんですが」
カオル 「ちょっと! なに?この部屋」
アツシ 「か…… カオルちゃん!? なんでここにおるの?」
アツシの憧れの女人、チノイケカオルが冥界に!
いったい何が起こったのか?
< たぶん、つづく >
──━━ 罪刑法定主義 ━━──
何を犯罪とするか、その犯罪を犯した場合にどのような刑罰を科すかは、法律によって
定められていなければならないという、刑法学の大原則。
何が犯罪かがハッキリして初めて、人々の自由な暮らしが確保されるという意味(自由
主義的な側面)と、何が犯罪であるかを国民自身がその代表を通じて決定するという
意味(民主主義的な側面)とがあるとされる。
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2008年7月6日付 通巻第85号 発行人:長嶺まさき
(毎週日曜日に、あなたのメールボックスへ潜入します。ご注意下さい)
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