2008.06.01
ニューヨーク日記「暮らしの中で感じた日米の違い」
すばらしきニューヨークの想い出 Fantastic memory of New York!
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弱者に冷たい後期高齢者医療制度
このコラムでは、16年間のニューヨーク生活で感じた事と現在の日本のあり方を比較しながら、素直な気持ちで気の付いた事柄に触れてきた。
ここ数回にわたり取り上げてきた医療制度についても同様だ。
それは「国民皆保険制度」であり「ホームドクター制」や「ドクターヘリ」の取り組みについてであった。
今回は、そのなかで3月8日のコラムで取り上げた「国民皆保険制度」について、改めて触れてみたい。
1992年、当時のビル・クリントン大統領が就任後、最初に手掛けたのが「国民皆保険制度」の導入だった。
その法案は、ヒラリー法案と呼ばれ、日本の制度を参考にしたものといわれる。
その法案は、実現こそしなかったものの「日本の医療制度は世界に誇れる制度」と誇りに感じる出来事であった。
しかし、そのような出来事は過去のものとなり、この4月にスタートした「後期高齢者医療制度」では、
国民に十分な説明がないまま、これまでの世帯単位だった保険料が個人単位になり年金から天引きされることとなった。
しかも、2年後には保険料の大幅引き上げが予定されているとあって、
多くの高齢者は「年寄りは死ねというのか!」とか「姥捨て山だ!」などと怒りを爆発させた。
この制度では、75歳以上の高齢者以外にも低所得者や65歳以上の身障者などの弱者に対して冷たい制度であり、国民の反発は当然かも知れない。
クリントン氏が参考にしようとした日本の制度は、このように弱者に冷たい制度ではなかった。
アメリカは国民皆保険ではないが、こと弱者に対しては優しさや暖かさを感じさせる。
それは、今回の日本の制度とは逆に公的保険は社会保障プランとして、高齢者や低所得者および障害者に自己負担を求めない制度が確立されてあるからだ。
ひとつは、65歳以上の高齢者が対象となるメディケア(Medicare)で、もうひとつは低所得者が対象となるメディケイド(Medicaid)である。
双方とも保険でカバーされ無料で医療を受けられるのである。
6月には、年金から2度目の天引きが行われようとしている。
この日本の制度は、かつて私がアメリカの友人に自慢したような世界に誇れる制度ではなくなったのは残念でならない。
日本は世界第2位の経済大国であるはず、ところが、OECDが発表した貧困率13.5%も世界第2位の貧困率だという。
格差社会が進み、ワーキングプアやホームレスなどの現象が社会問題化するなか、
総務省の2007年高齢社会白書によれば高齢者率も20.1%に達し、イタリアの19.7%を抜いて世界一の高齢化国となった。
このような状況下で苦しんでいる高齢者や障害者、低所得者などの生活弱者に優しく暖かい制度になるよう、必要な救済策を講じることを望みたい。
そして、制度の手直しなど改めるところは改めて、再び世界に誇れる制度として制度維持が出来たなら国民も安心できるだろう。
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