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映画保存協会メールマガジン「メルマガFPS」


2007.12.30

映画保存協会『メルマガFPS』Vol.31


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| 最新号 |

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│映│画│保│存│協│会│Film Preservation Society (FPS)│
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映画保存協会メールマガジン『メルマガFPS』 Vol.31
                        (2007.12.30)   
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□■─────────────【I N D E X】───────────■□

§1.【映画の里親】『霧隠才蔵[パテベビー版]』韓国お披露目レポート
          (後篇)

§2.【けんこう蔵部通信その2】初春 やねせん餅つき大会

§3.【レポート】川崎市市民ミュージアム・パテ・ベビー上映会報告

§4.【レポート】 フィルムセンター相模原分館を見学しました

§5.【ホームムービーの日】「月島ゼミ」に参加

§6.【コラム】UCLAで映画保存を学ぶ!第13回

§7.FPSからのお知らせ

§8.編集後記

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§1.【映画の里親】『霧隠才蔵[パテベビー版]』韓国お披露目レポート
    CHIFFS 2007: Tales about film preservation(後篇)
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前回に引き続き、今回は『霧隠才蔵[パテベビー版]』のお披露目レポート
後篇をお届けします。

『霧隠才蔵[パテベビー版]』復元報告は以下をご覧ください。
http://www.filmpres.org/archives/193

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[韓国が牽引するアジアの映画保存]

ソウル滞在3日目に韓国映像資料院(KOFA)を見学しました。

CHIFFSの舞台=日本人にもお馴染みの繁華街・明洞(ミョンドン)を
擁する中区から車で西に20分ほどで、麻浦区上岩洞(サンアムドン)のワ
ールドカップ・スタジアムが視界に入ってきます。
向かうはスタジアム近くに建設が進むIT関連コンプレックスの一角です。
流暢な日本語のタクシーの運転手さんも「このあたり来るの初めてなんです
よ」と興味津々の様子でした。

【2003年夏の韓国映像資料院訪問 http://www.filmpres.org/archives/38】

移転後間もないKOFAはロゴも一新、若いスタッフが多く、活気に満ちて
います。ピカピカの図書室は既に開室中。ずらっとならんだブーズで利用者
(やはり若い!)が各々映像を閲覧しています。2008年5月には映画博
物館もオープン予定とのこと。

フィルム缶の色分けやバーコード管理、クリーニング及びテレシネ設備の充
実は2003年の報告にある通りですが、改善点も見受けられました。
ポスターやスチル写真専用室が完備され、スキャニングも着々と進んでいま
す。
各種フォーマットのテープやアナログ・レコードのコレクションにも目をみ
はるものがあり、日本を含む海外の業者に依頼して、小型映画の修復・テレ
シネやナイトレートの不燃化にも着手しています。
極めつけは、ビネガー室やナイトレート保管の役目を担う倉庫を郊外に建設
するという新計画でしょうか。

劇場は同じ建物の地下に大中小と3スクリーン。こけら落としのキム・ギヨ
ン特集は来年5月だというのに、既に準備万端整っている様子で、フルタイ
ムの映写技師(映写技師も若い!!)がなんと4名も、どっからでもかかっ
てこいと言わんばかりに腕まくりして控えています。

倉庫と劇場を案内してくださった20代前半と思しき職員の男性が帰りがけ
に「実は僕もセルズニック・スクールに留学予定なんですよ」と照れくさそ
うに告白してくれ、そのことが無性に嬉しく感じられました。
お土産もたくさんいただき、これまでの寄贈分も合わせると、KOFAが復
元した韓国古典映画のDVDがFPSの棚にずらり勢揃いです。

[霧隠才蔵のお披露目]

最終日(4日目)はFPSの出番となり『霧隠才蔵[パテベビー版]』ほか
2作品が上映されました。
上映後はあたたかい拍手と共に「退屈だと思い込んでいた無声映画は予想に
反して面白く、活弁や演奏が付くのも新鮮だった」との感想をいただきまし
た。
韓国最後の活動弁士といわれるシン・チュル氏は既にご高齢で、ほとんど無
声映画の残っていない韓国では後継者問題が深刻です。
坂本さんのような若い弁士が活躍する日本には、弁士の養成学校でもあるの
か?国が積極的に育成しているのか?といった質問も受けました。

[後日談]

帰国翌日、幸運にも《映画の里親》プロジェクトでお世話になっているフィ
ルム技術者・今田長一さんにお会いできたので、海外初上映が無事終わった
ことをご報告しました。この時、ようやく肩の力が抜けたような気がします。
その帰り道、会員から借りて長らく鞄に入れたままだった「アマチュア映画」
昭和7年5月号のコピーに目を通しました。投稿文の中にこんな一説があり
ます。

「見よ三十五ミリの時には厳然として存在していたテーマは小型化されて、
どこかへ消え失せたやうなものがあることを」

才蔵の35ミリ版はいかなる構成だったのか、オリジナルのどの部分を小型
化したのか、復元版はどこまでオリジナルに近づいたのか?
そしてオリジナル作品の公開当時(1920年代)、観客はどんな気持ちで
映画館に通い、そしてスクリーンに釘付けになったのか…。
後日、澤登翠さんとお話していると「当時の映画館の臭いだって今とはまっ
たく違っていたはず」とのご指摘。なるほど映画の復元は五感を使ったタイ
ムトリップでもあるのです。

残る作業は復元版フィルムを長期保存してくれるアーカイヴ探しです。
それさえ済めば、あとのことは才蔵さんの頼もしい後ろ姿にすっかりお任せ
するつもりです。果たして彼はどこに消え、またどこに姿を現すのか?
我こそ正体を暴いてみせようぞ、という方は、2008年1月6日の活動倶
楽部「年初めお宝映画上映会 ソウル・チュンムロ国際映画祭凱旋公演」に
駆け付けてください。(おわり K)

≪関連リンク≫

韓国映像資料院 KOFA
http://www.koreafilm.or.kr/

ソウル・チュンムロ国際映画祭 CHIFFS
http://www.chiffs.kr/

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§2.【けんこう蔵部通信その2】初春 やねせん餅つき大会
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けんこう蔵部:千駄木の路地に佇む築100年の《蔵》
ウェブサイト http://www.homemovieday.jp/kura/
(地図は左メニューからご覧ください)

2008年1月13日に《初春 やねせん餅つき大会》を開催します。
ぜひお越し下さい(あたたかい服装でどうぞ)。

『初春 やねせん餅つき大会』

と き:1月13日(日)午前11時〜
ところ:千駄木・協和会前
参加費:300円 こども無料
◎ つきたて餅
(餡、きな粉、胡麻、海苔、辛み、菜餅)
◎ 豚汁、漬け物
※50食用意します。
※マイ箸お持ちの方はぜひご持参ください!

餅つきの後、午後2時から『初春 谷根千無声映画の会』を催しますが、
おかげさまで満員御礼!定員に達しましたので予約受付は終了しております。
何卒ご了承ください。

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§3.【レポート】川崎市市民ミュージアム・パテ・ベビー上映会報告
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映像の現在形2007 「映像の創出 - イメージと装置」展が川崎市市民ミュー
ジアムに於いて10月6日から12月24日まで開催されました。
この展示には小会も協力していますが、これにあわせたイベントとして上映
会が企画され、12月22日・23日の各1回、手回し映写機によるパテ・
ベビーフィルム映写の実演をしました。

映画保存協会でのイベントとしては、何度か手回し映写機によるパテ・ベビ
ーフィルムの上映は行っていますが、実は外部での上映は今回がはじめての
機会であり、この企画の打診を受けた時から少しばかり緊張しながら準備を
進めてきました。

川崎市市民ミュージアムの展示スペースはいくつかの展示室とギャラリーに
分かれていますが、今回の展示はこのギャラリーを使用して開催され、ビデ
オアートやビデオインスタレーションといった映像の展示や、保存や修復に
関するフィルム機材の展示、アーカイブなどの解説からなり、映像だけでな
く、その装置に至る映像文化の全体的な展示として構成されていました。
かなり大がかりなインスタレーションがギャラリー中央に組まれ、一方で映
像ホールでは実験映画の上映もあり、これらに比べるとこぢんまりとした映
写機と映写サイズであるため、上映は展示スペースを生かし、ギャラリー内
に当日のみ臨時に上映場所を設けて開催する運びになりました。

はじめてのことでもあり、上映日を前に館内で映写テストを兼ねた打ち合わ
せを行い、準備を完全にしてから当日を迎えましたが、一日目はあいにくの
雨。それでも、上映時間には人も集まり、結果的にはほぼ予想通りの集客と
なりました。

上映したフィルムは3本で、猫のフェリックスのアニメ『昼寝のフェリック
ス』Felix fait la sieste(1925年前後・仏)、東京シネマ商会による記録
映画『フイルム・レビュー 大東京』(1932年頃・日本) の一部、そして手
彩色されたステンシルカラーの『タルンの急流』 Les Gorges Du Tarn(19
25年前後・仏)。
映写に使用するものが手回し映写機のため、すべて10mから20mの短編
です。
2日目のみ、関東大震災の記録映画の9.5ミリ版『日本之大地震(地震に
見舞はれた日本)』Le tremolement de terre 
au japon(1930年頃・日本)を最後に上映しました。

上映当日は9.5ミリ幅のフィルムによる映写の実演だけでなく、パテ・ベ
ビー用カメラなどの撮影機材、当時の雑誌や入門書、フィルムカタログを併
せて展示し、パテ・ベビーフィルムというフォーマット全体の解説も試みま
したが、訪れた方のうち、数人からフィルムの可燃性など細かな部分につい
ての質問があったり、映写機やカメラの機構に興味をもたれる方もありまし
た。開催側としてはこういった反応は非常にうれしい限りでした。

準備から上映当日まで、それほど長い期間があったわけではなかったため、
準備や告知にあまり長い日数をかけることができなかったのですが、チラシ
配布などの効果もあったようで、両日とも20人前後の参加者がありました。
市民ミュージアムでは映像ホールにおいて映画上映も定期開催されているた
め、そこからの流れで訪れた方や、他の常設展・企画展を目的にいらした方
が観客となってくれたようです。
とくに当日の上映前の館内アナウンスやチラシ配布など、映画部門の学芸員
の方々の努力もあって、まずまずの上映会にすることができたと思います。
今回の企画展と、上映会をサポートしてくださった川崎市市民ミュージアム
の映画部門の学芸員の全員に深く感謝いたします。

◇飯田 定信(イイダ サダノブ)
FPS・小型映画部メンバー。FPSでは8ミリ、16ミリの上映会にかか
わることが多いのですが、本来の専門はVFXやアニメーションの撮影です。
CM・映画制作プロダクションの撮影部を経て、現在は8ミリフィルム関連
の会社に在籍、テレシネ・ダビング等を担当。小型映画の歴史をまとめるべ
く『小型映画技術史』を執筆中。
◇小型映画技術史
http://i2da.hp.infoseek.co.jp

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§4.【レポート】 フィルムセンター相模原分館を見学しました
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2007年10月2日、小会は団体会員である角川映画株式会社と共同で、
東京国立近代美術館フィルムセンター(以下NFC)相模原分館の第一回見
学会を行いました(見学会は来年も開催の予定です)。

相模原分館はNFCが所蔵するフィルムを保管する施設です。
映画フィルムを保存する専門施設としては日本最大の施設となります。
元米軍キャンプ跡地という広大な敷地には35mmフィルムにして約20万巻
のフィルムが収蔵可能とのこと。現在は約70%の格納率となっています。

今回の見学は、保存庫とフィルム検査室の見学、復元したフィルムの試写を
目的に行われました。

今回、館内を案内してくださったNFCの映画室長、とちぎあきらさんによ
りますと、日本のフィルム保存庫は少々変わった点があるとのこと。
最大の特徴は「地下に保存庫がある」ことです。諸外国のアーカイヴ(保存
・保管施設)は大抵、保存庫を地上に置くそうですが、日本は地下に置き、
上部は草を生やして(植栽)温度・湿度調整を行います。
湿度の高い日本ならではの工夫です。

それでは地下の保存庫に入ります。保存庫は地下1階と2階に分かれていま
す。

まず地下1階は室温10±2℃、湿度40%±5℃に保たれ、寄託フィルム
(松竹、角川)、ニュース映画、ビネガー室、仮置のフィルムが保管されて
います。今回、見学にご協力くださった角川映画は、2003年から原版を
相模原に寄託しています。

一方、地下2階は室温5℃±2℃、湿度40%±5%に保たれており、NF
C所蔵フィルムが保管されています。
どちらも一定の環境条件を維持するため自動空調システムで24時間管理し
ています。
中はとても寒いので、出入り口には暖かい大きなコートやブーツが用意され
ていました。

これらのフィルムは、18室ある各部屋に振り分けられ、可動式の棚に整然
と整理されています。
フィルムは1巻ずつアルミ缶もしくはスチール缶に調湿剤とともに入れられ、
トレー式の棚に収められていました。
棚には所蔵フィルムのタイトルや制作年数も表記され、「あ!○○○がある
!」「これ昔見たなぁ」と、フィルムとラベルを見比べながら皆さんも感慨
深げでした。

また、昔の不燃性フィルム(アセテート製フィルム)で、劣化の進んだもの
は「ビネガー・シンドローム」という酢酸臭のガスを放出します。
このガスは他のフィルムにも影響を与えるため、地下1階にある別室に収め
られ、ガスを外に逃がすための装置も用意されていました。
この部屋を設置するきっかけは、平成10〜11年に川喜多映画文化財団か
ら1960年代の洋画の寄贈を受けたことに始まります。それらの洋画には
日本語字幕が入り、日本にとっても貴重な映画財産でした。
そのため、国の補正予算でビネガー・シンドロームに対応した部屋を作るこ
とになったのです。
(ちなみに、不燃性フィルムより前に使われていた可燃性のフィルムは千葉
の倉庫で管理し、相模原には置いていません)。

また、フィルムは冷たい所→暖かい所/暖かい所→冷たい所と急に出し入れ
すると温度変化を起こし、フィルムにダメージを与えます。
そのため、いったん「ならし室」で温度・湿度を少しずつ慣らし出し入れす
るという丁寧な作業が必要だそうです。もちろん、季節によって温度を変え
ながら調整しています。

次はフィルム検査室の見学です。
現在、検査室には6名のスタッフが働いています。ほとんどの方がフィルム
現像所OBの方で、ここで学びつつ働いているスタッフもいます。
現在相模原にいるスタッフは検査室の6名のほか、1名の事務補佐員がおり、
全員が非常勤です。

検査室では、スタインベックというドイツ製のフィルム検査機を使いながら、
相模原分館に搬送されてきたさまざまなフィルムの検査をここで行います。
検査とは、フィルムの長さやダメージ、サウンドの状態などを調査表に記入
し、データベース化する作業です。
見ているこちらとしては気の遠くなるような作業にも思えましたが、そこは
さすがプロ。慣れた手つきでスタインベックを操作し、見学者の我々の質問
にも丁寧に答えてくださいました。
それでも、やはり1日の作業量としては30〜40分ものの映画で3、4本
とのこと。やはり大変な作業です。

フィルムには片面だけエマルジョン(乳剤)が塗られていますが、真っ暗な
現像室でどちらがエマルジョン面かわからない時は「舐めてみればわかるん
だよ」という、長年の経験に基づくお話を伺えたのも良い経験となりました。

その後は施設内にあるホールで復元フィルムの試写を行いました。
全席200席ある、立派なホールで映画を見るとは、なんとも贅沢な気分で
す。
今回は、NFC所蔵のプリントの中から、今回見学に参加された角川映画さ
んが提供し、オランダ・ハーゲでジタルカラー復元した『新・平家物語』
(1955年)の特報と、(株)IMAGICAが復元した『長恨』(1926年)の2本
を観まし
た。

とちぎさんの説明で心に残った言葉があります。それは「復元の保存の関係」
です。
より安全・安定し、オリジナル作品に近づくためには「どの素材から復元す
るか」がすべての基礎となります。
オリジナルからと、複製ネガからの復元ではやはり違いが出てきます。
また、いくつかあるフィルムの中から良好な素材を選び、議論し、時には様
々なパーツを組み合わせてオリジナルに近い復元を目指します。
しかし、どの素材を選ぶか、果たして復元したフィルムがオリジナル製作者
の意図に近いものなのか…という問題は残っています。

現在、NFCは文化庁とともに「古い映画を捨てないでほしい」と訴えてい
ます。現場であるNFCも保存の必要性を訴えながら、復元について議論し、
1本でも多くの映画を残すため、「走りながら考え、議論し、実践していく」
印象を受けました。

お忙しい中、小会の見学を快く引き受けて下さった東京国立近代美術館フィ
ルムセンター、ならびに詳しいご説明をしてくださったとちぎあきら様と検
査室のみなさまにはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。(天野)

≪参考リンク≫
東京国立近代美術館フィルムセンター(収集・保存・復元)
http://www.momat.go.jp/FC/hozon.html

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§5.【ホームムービーの日】「月島ゼミ」に参加
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「月島ゼミ」はにっぽんmuseumが東京都中央区月島の長屋「桃郷庵」(とう
きょうあん)で行っている会です。
12月8日(土)に、2007年のホームムービーの日(HMD)東京地区
の世話人3名(谷根千、世田谷、小平)が招待され、HMDについて話をす
る機会を得ました。

2007年のHMDの関西地区では、共同のプレスリリース発行など、各会
場間の連携が取れていました。HMD世話人会議で、東京地区もこれをモデ
ルに来年は何か共同でできないか、という話題があがっていたところに、ち
ょうどいいお話です。うまく話が出来るだろうかと心配でしたが、周囲に背
中を押されて3名で参加することになりました。

会場は「桃郷庵」の2階の和室で、壁際には本棚がびっしりと並んでいます。
主催の方によると、師走のために残念ながら今回は参加者が少なかったそう
ですが、皆で輪になるとちょうどいいぐらいでした。

参加者には不忍ブックストリート「一箱古本市」に出店なさっている方がい
たり、名古屋会場になった橦木倶楽部や旧豊田佐助邸も載っている「文化の
みち」の地図が会場に置いてあったりして、そのおかげで始まる前からなご
やかな雰囲気に包まれました。

さて、「月島ゼミ ホームムービーの日はおもしろい」の開始です。
まずレジュメを使ってHMD全体の話を始め、その後、谷根千→世田谷→小
平の順に各会場の当日の雰囲気、上映作品の内容、事前の準備やフィルムの
集め方などを中心に説明をしました。

チラシや当日配布資料をたよりに文字情報だけで上映作品を解説するのはな
かなか難しいことでしたが、『お茶の間映画館Vol.1』から上映作品を鑑賞
することで、当日の雰囲気をつかんでいただけたようです。DVDから上映
したのはこちらの7つです。

『Zizes Wedding』
『Fred McLoad's All Personal Sound Movies』
『冬の光景』(HMD名古屋作品)
『Scenes from Home Movie Day』(HMD当日の様子を記録した映像)
『さよならお堀電車』(HMD名古屋作品)
『Chloe's 3rd Birthday』
『Charlie Says Bagel & 4 Block Walk』

参加者からは、「ホームムービーの日」という言葉から想像していた内容と
は全く違うものだったので主旨をもう少し詳しく聞きたい、今後イベントを
続けていくための資金源はどうするのか、といった意見が出ました。
またビデオ作品や8ミリをテレシネした作品を上映しないのはなぜか、とい
う質問も出ました。HMDの主旨やFAQなど詳細が専用ブログに掲載され
ていますので、ぜひ下記のリンク先をご覧ください。

今回改めてそれぞれの世話人の話を聞いて、谷根千のように地域の恒例イベ
ントとして定着している会場、世田谷のSEPARAのように地域で上映活動を続
けている団体が主催者の会場、小平のように今年初めて開催した小規模な会
場と、一口に「東京」と言ってもそれぞれに地域の特徴があり、同じ記念日
を祝っていても会場ごとに違いがあるのを実感しました(世話人になると他
の会場になかなか足を運べないのは悩みの種です)。

終了後に「よい情報交換ができました。会場ごとの特色が出て、相乗効果を
生むようになればいいですね」というメールを世田谷会場の世話人・早田さ
んからいただきました。これをきっかけに新たな東京のHMD会場が生まれ、
来年の開催日、10月18日までに協力体制ができればと思います。

最後にこのような機会を設けていただいたにっぽんmuseumの皆様に感謝いた
します。どうもありがとうございました。(小平会場・中川)

≪参考リンク≫
ホームムービーの日専用ブログ  http://www.homemovieday.jp

NPO法人アートシンクタンク/にっぽんmuseum 
http://art-thinktank.com/

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§6.【コラム】UCLAで映画保存を学ぶ!第13回
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前回書ききれなかったAMIA会議の様子をお伝えします。

まずは日本でも定着しつつある《ホームムービーの日》についてのパネル・
ディスカッションです。セルズニック・スクールの卒業生であり、「家庭で
もできるフィルム保存の手引き」の著者でもあるリズ・コフィー(ハーバー
ド・フィルム・アーカイヴ)らが参加して欧米での様子を報告しました。

日本同様に集まったフィルムをどう保存活用するかという点は、こちらでも
大きな課題ですが、地元アーカイブや教育機関との連携が徐々に形成されつ
つあるようです。イタリアでの活動はイタリアからの代表者によって詳しく
報告されました(FPS賛助会員である柴田幹太さんの報告もご参照くださ
い)。

↓ ↓ ↓
大阪ドーナッツ・クラブ内コラム
『シネマテークにしねまっていこ』特別編
Home Movie Day in Italia 2006 参加ルポルタージュ
http://www.osakadoughnutsclub.com/archivio.oldfashioned.060913.html

また最近こちらで注目されている問題として、インターネット・オークショ
ンでのホームムービーの切り売りが挙げられました。
これは例えばアマチュア・カメラマンによる有名人などが写っている8ミリ
や16ミリの映像がネット上で高値で取引されている現象です。
問題点は商取引よりも切り売りにより作品が本来持つ意味が失われ、記録と
して完全なものではなくなってしまうことです。
また、一度人手に渡れば探し出すことは非常に困難です。陳腐化がフィルム
の何倍も早いビデオ作品の保存についても議論が及びました。活動は盛り上
がりつつあるものの、それだけ問題の数も増えていくのはどこでも同じです。

今回のAMIA会議で一番盛り上がったプレゼンテーションは恐らく、スコ
ピトーンズと呼ばれる60年代に登場したジュークボックスとムビオラを組
み合わせたような装置と、それに使用されたフィルムに関する研究発表です。
同様の装置で歴史も長いサウンディーズと呼ばれるものが日本でも、とりわ
けジャズファンの間で知られていますが、ポピュラーミュージックに特化し
たスコピトーンズは、独特の映像と選曲で現在のミュージックビデオにつな
がる世界を築きました。

プレゼンテーションでは短命に終わったスコピトーンズの歴史と音楽業界で
の影響についての話があり、その後今回の調査で集められた16ミリフィル
ムが連続上映され会場は大いに沸きました。
フィルムの何本かはYouTubeで見ることができますので、検索してみてくだ
さい。

スコピトーンズ(英語)
http://scopitones.blogs.com/

今回はこの辺りで。皆様良いお年をお迎えください。

◇宮野 起(ミヤノ オキ)
日本大学芸術学部映画科卒業、2000年渡米。LAでアメリカンシネマテー
クなどの日本映画上映会にスタッフとして参加する傍ら日本特撮映画の海外
での再評価に尽力する。現在、UCLAのMoving Image Archive Studies Pro-
gram(MIAS)に在籍。

◇宮野さんにいただいたハンドアウトなどは映画保存資料室にファイルして
いく予定です。興味をお持ちの方はぜひお問合せください。

◇MOVING IMAGE ARCHIVE STUDIES, UCLA
http://www.mias.ucla.edu/

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§7.FPSからのお知らせ
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□■「映画の里親」第3回作品がNFCで上映されます□■

第3回「映画の里親」作品『学生三代記 昭和時代[マキノ・グラフ版]』
が、東京国立近代美術館フィルムセンターの特集<生誕百年 映画監督マキ
ノ雅広>第2期(2月〜3月)にて上映が決定しました。詳しい日程は追っ
てメルマガまたはホームページにてお知らせします。

□■角川映画、AMIA(映像アーキヴィスト協会)に参加□■

小会の団体会員である角川映画株式会社が映像アーキヴィスト協会(AMI
A)に団体加盟しました。日本の大手映画会社では初めて、どころか日本の
団体では初めての加盟です(祝!)。

同時に、韓国映像資料院(KOFA)もAMIAに加盟しました。アジアからの
参加者がこれから増えるといいですね。と言いつつ肝心の小会は、年会費が
高いがために、ずっと以前から加盟したい!という会員としなくていい!と
いう会員の意見が割れています。

今のところは3、4名の会員が個人的に入会するのみ。お金がないって辛い
ですね…。

□■『霧隠才蔵[パテベビー版]』凱旋公演□■

『霧隠才蔵[パテベビー版]』を1月6日、東京で上映します。
韓国でのお披露目と同様、弁士・坂本頼光さん、伴奏、柳下美恵さんでお送
りします。ぜひご覧ください!

【上映作品】※活弁、伴奏付き

鬼才、伊藤大輔監督の際立つ映像美が光る2作品
『長恨』(1926年/日活/大河内伝次郎主演/11分)
『斬人斬馬剣』(1929年/松竹京都/月形龍之介主演/26分)
以上ビデオ上映 国立近代美術館フィルムセンター提供 活弁+音楽

喜劇の王様、斎藤寅次郎監督、幻の怪作
『モダン怪談1億円[松竹グラフ版]』(1929年/斎藤達男主演/15分)
牛原虚彦監督のおバカなコメディ。女装して走る、鈴木伝明は必見!
『海浜の女王[松竹グラフ版]』(1927年/鈴木伝明主演/15分)
チュンムロ映画祭復元、坂本頼光コレクションで…いまだ謎に包まれた??
『霧隠才蔵[パテベビー版]』(制作年不明/3分/たぶん帝キネ??)
以上DVD上映 映画保存協会提供    活弁+音楽
※上記作品は最近発見された復元フィルムです。

『独身寮の休日』(1961年/荻野昭監督・主演/約15分/8ミリフィルム)
小津タッチの自主映画をピアノ伴奏でお届けします。

※韓国・チュンムロ映画祭の報告有り※

出演:活動写真弁士 坂本頼光 無声映画伴奏者:柳下美恵
日時:2008年1月6日(日)開演14:00(開場13:30)
終了予定 17:00
会場:アカデミー茗台(めいだい) レクリエーションホールB
(東京都文京区春日2−9−5) 電話:03(3817)8306
東京メトロ丸の内線茗荷谷駅から徒歩5分  後楽園駅、春日駅から徒歩8分
春日通り沿い、小石川4丁目バス停そば。茗谷中学校と同じ敷地にあります。

会費:1000円(入会金100円)
活動倶楽部と映画保存協会の会員は入会金不要。
非会員は活動倶楽部入会金100円が別途必要となります。

問合せ:神林康次(かんばやしこうじ) kkanb@t5.ezweb.ne.jp
043‐275‐0738[自宅]/090‐2919‐0954[携帯]

主催:活動倶楽部/NPO法人  映画保存協会
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター

□■寄付・寄贈のお願い□■

引き続き、小会では来年の映写機講習会で使う16ミリ映写機を探していま
す。
動作状態などがわからなくても、小会担当者が判断させていただきます。
寄付・寄贈という方がいらっしゃいましたら、ぜひ小会までご連絡ください。
メール:info@filmpres.org
TEL/FAX:03−3823−7633

□■年末・年始の営業日について□■
2007年12月と2008年1月の営業日:毎週日曜日、火曜日
時間:午前11時〜午後5時半まで

※年末年始は12月19日(水)〜2008年1月12日(土)までお休み
 をいただきます。何卒ご了承ください。

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§8.編集後記
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今月号はボリュームのある内容となりました。今年1年を振り返ると、「映
画の里親」、「ホームムービーの日」と各活動での輪が広がった1年だと思
います。小会は、少ないスタッフ、少ない予算で細々と活動していますが、
多くの人に支えられて輪が広がりました。本当にありがとうございました。
これから少しずつでも、着実に映画保存の考えが日本に根付いていくことを
祈ります。

来年は1月6日に柳下美恵さん&坂本頼光さんの『霧隠才蔵[パテベビー版]
』の凱旋上映が催されます。
韓国・ソウルチュンムロ映画祭で上映された復元フィルムです。
上映会でのレポートもありますので、ぜひお越しください。

それでは皆様、よいお年を。(天野)

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  映画保存協会(FPS)
  発行元 :映画保存協会 Film Preservation Society 
  編集担当:天野園子
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