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目からウロコの仏教入門


2008.08.10

目からウロコの仏教入門 ── 理想を明確にせよ(2) ──


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── 理想を明確にせよ(2) ──

末法の衆生は成仏などとても出来ない。
ただ、往生ならば可能である。
死して極楽浄土に生まれ変わり、そこで阿弥陀のもとで、
安楽に修行をし、成仏すれば良いのだ。

法然の説いた往生思想とは、このようなものです。

本来、仏教というのは「成仏」を説いた思想なのですが、
法然は「成仏」を放棄し、「往生」を説いたのです。

この区別をハッキリと頭の中でつけておかなければ、
法然系の仏教の話を聞いても、わけがわからなくなります。

法然系と申しますのは、鎌倉期に生まれた浄土宗や浄土真宗です。

浄土宗、浄土真宗というは、成仏ではなく、往生を説いた思想である。
このようにハッキリさせておく必要があります。

ですが、浄土真宗の祖、親鸞は、往生の思想を継承していながら、
成仏の思想も説くのです。

南無阿弥陀仏と称えると、罪業が消えると親鸞は申しております。
罪業とはカルマのことであり、これが消滅するというのは、つまり成仏です。
親鸞は、南無阿弥陀仏と称えることが、
成仏に結びつくのだという思想も説いている。
念仏を成仏に結びつけるというのは、これはどちらかと言うと天台の思想です。

そういうまぎらわしいことを親鸞はしたのです。

ですが、本当は、往生思想というのは、成仏思想とはまったく異なります。
娑婆が修行しにくいから、修行しやすい極楽浄土に生まれ変わろう。
そういう思想です。

でも、あまりにもハッキリと、こういう説明をしますと、

「ならば往生思想は仏教ではないじゃないか」という批判が起こります。
そこで、浄土宗や浄土真宗の人は、これを曖昧にして来たわけです。

その結果、かえって、世間の人に、
浄土宗、浄土真宗の思想を、見えなくさせているわけです。

法然の往生思想は、ハッキリと、成仏するための努力を放棄させる。

それまでの大乗仏教は、布施、忍辱、持戒と言った、六波羅蜜を修行します。
これにより、自身のカルマの消滅を目指します。

法然は、そんなことは無駄なのだと、ハッキリ言います。
末法においては、そんな事は無駄な努力なのだ。
よく、まわりを見てみろ。
坊さんたちはみな、六波羅蜜をやっているが、
成仏している人が一人でもいるか?

みな、何年も何十年も六波羅蜜に励んでいるが、
ちっとも煩悩から抜け出せていないじゃないか。

末法においては、六波羅蜜という自力では、もうどうにもならないのだよ。
ただ、南無阿弥陀仏と称えて、阿弥陀如来のもとに生まれ変わることを願おう。

このような考え方を説いたわけです。

自力を捨て、阿弥陀如来という他力にすがるということです。

これゆえ、浄土宗や浄土真宗では、
布施もせぬ、忍辱もせぬ、持戒もせぬというのが宗旨となります。

こうなりますと堕落が生じます。
これを「本願ぼこり」と申します。

後に浄土宗はこれを反省し、持戒を重視するようになります。

確かに、法然の時代、煩悩に支配された堕落した坊さんが多かったのでしょう。
だからと言って、「自力の行では成仏など不可能なのだ」と考えるのは、
これは飛躍でありましょう。

仏教そのものの否定になってしまいます。

布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧という六波羅蜜の修行は、
みな、自己を高めるという重用な意味があります。

堕落した坊さんというのは、この六波羅蜜とは別問題です。

自分の事しか考えぬ低レベルな自分から、
他の人の事を思いやれる高レベルな自分へと高めて行くためには、
六波羅蜜という修行は欠かせません。

尚、六波羅蜜というも、八正道というも、戒定慧というも、
これはみな、内容は同じです。
修行の内容を六つに分けるか、八つに分けるか、三つに分けるかの差です。

仏教とは、自分の事しか考えられぬ小さな自分に嫌気がさし、
仏の前で懺悔し、成仏を誓うというところから出発します。

成仏とは、エゴから脱却するということです。

確かに、肉身が存在する以上、完全に煩悩から抜け出すことは出来ない。
生きている以上は、絶対に到達できぬ目標。それが成仏です。

だからこそ、終生、最後の一日までも、
この目標に向けて努力することが出来るのです。

自分を高めて行くためには理想が必要です。
高い高い理想があればこそ、自身を成長し続けられるのです。


-【編集後記】---------------------------------------------------------------

法然の後の思想ですが、極楽浄土というのは実際にある場所ではない。
あくまでも心の状態なのだという考え方が出て来ます。
「安心」というのが極楽浄土なのだ。
往生とは、安心を確立することなのだと。

この考え方を「即便往生」と言います。

阿弥陀如来を信ずれば、たちまちにして即便往生できる。

往生したならば、次に成仏の修行をすればよい。
安心をもって、六波羅蜜を行じれば良いのです。

このように、即便往生の考え方は、成仏思想とも融合できます。

という補足をしておきまして、
全然、関係ないアメリカの大統領戦の話をしたいと思います。

民主党のオバマと共和党のマケインが激突しておりまして、
どっちが勝っても負けてもおかしくない、微妙な状態にあるようです。

アメリカ大統領戦で面白いのは、候補がCMを打ちます。
オバマもマケインもCMを打つのです。

このマケインのCMは、完全にネガティブキャンペーンになっている。
オバマのイメージダウンを狙っているわけです。

内容は、騒がせセレブとして有名なパリス・ヒルトンと
ブリトニー・スピアーズに続いてオバマを登場させ、そこに

「彼は世界最大のセレブリティ。でも指導者となるにふさわしいだろうか?」

と問いかけるナレーションをかぶせ、
オバマの石油政策や税金政策を批判する内容です。

アメリカでは「セレブは馬鹿」というイメージがあるそうで、
セレブなオバマもやはり馬鹿と、そういう論法のようです。

日本人から見れば、ネガティブキャンペーン自体が馬鹿っぽいのですが、
アメリカは、こういう単純戦略を多用します。

それは、どうやら、
アメリカ国民自体が馬鹿なのだという認識から来ているようです。

アメリカ国民は、難しい話をしてもさっぱりわからない。
だから、芸能ネタに結び付けるしかない。
もうそれしか手法は無いのだ、という事なのでしょう。

本当は、アメリカ国民のレベルアップをはかるべきなのに。

ですが、大多数のアメリカ国民が低レベルだから、
一部の人間が権力を握っていられるというのが実情で、
だから、アメリカ国民の知性の底上げなどされたら困ると、
アメリカの指導者は考えているようです。

「愚民政策」ですよね。
これ、GHQによって戦後の日本でもやられた。
スクリーンとスポーツとセックスですか。
この三つに国民の意識を向かわせることで、国政から関心を奪わせることが出来る。

その影響、日本でも大変にあるわけですが、
アメリカはもっとヒドイ事になっている。

ちなみに、マケインCMに無断で登場させられたパリス・ヒルトンは、
コメディ・サイトFunnyOrDie.comに
皮肉の効いたパロディ・ビデオを公開して反撃に出たそうです。

ヒョウ柄の水着でデッキチェアに腰掛けたパリスは、
マケイン氏のことを「シワシワの白髪男」と呼び、
「私はあんな年寄りじゃないし、もう1人みたいに
“チェンジ”(変革)を約束したりもしない。ただホットなだけよ」と、
2人の候補を皮肉っている内容との事。

アメリカは面白いですな。

なんでこう面白いかと言うと、やはり低レベルだからでしょう。

やたらと深い事を考えている人間よりも、
単純バカなんだけど、ユーモアのある人間のほうが好かれることがあります。

深いのって、面白くないんですね。
その人の心を覗いて行くと、果てしない深遠におちいってしまうような状態は、
ちょっと嫌だなあと感じる人が多いようです。
恐いですし。

ところが、単純バカは、考えていることが、口に出していること以上ではない。
だから、付き合いやすい。

仏教は深いですよね。
だから敬遠される。

一方、「ポジティブシンキングだ!夢をあきらめるな!」的な思想って、
シンプルで、わかりやすくて、要するに浅くて、流行るんじゃないでしょうか。

本当は、こんなんじゃいかんのだけどね。

でも、それが現実です。


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