まぐまぐメルマガアーカイブ

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介。


2008.06.09

本のご紹介です。母べえ


メルマガトップ(記事一覧)へ
| 最新号 |

☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆

こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
うちの母親は創意工夫に満ちた人だった。

多少足りないものがあっても、何やかんやとあるもので工夫して
すませる。そういうところは天才的だった。

うちは女の子二人なので、ときどき家でケーキを焼いたりしていた。

ある日、スポンジを焼いて、クリームを塗って、いざ飾りつけを
しようと思ったらイチゴがない。イチゴのショートケーキが欲し
くて作ったのに、これでは意味がない。

泣き出す二人の娘を前に、母は大きなびんを持ち出した。

「ほら、これでイチゴみたいでしょう。きれいきれい」

赤い、丸いそれ。イチゴみたいに見えなくもない。

だけどそれ、梅干なんですけど。見た目重視すぎて大切なことを
忘れている。

…。せっかくだから、母のいい思い出をと考えてみたけど、思い
出すのはこんなことばっかり。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

本日は ◆話題の小説系

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

母べえ  野上 照代
¥ 1,155   中央公論新社 (2007/12)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「母べえ」というタイトルを決めたのは、山田洋次監督だそうだ。
もともとは「父へのレクイエム」というタイトルで、女性ヒュー
マン・ドキュメンタリー大賞を受賞した作品。

山田監督は、満州で亡くなった竹内浩三という詩人をモデルにし
た映画を撮りたいと考えていた。そしてその資料を多く持ってい
著者に会う。

もともとの知己だったこともあり、あの時代の参考にと渡された
原稿に監督は目を通した。

著者は父のことを書いたが、山田監督の頭には、戦争を耐える母
と娘たちのことがイメージとして浮かんだ。だから、父ではなく
母が主になるタイトルなんだろう。

野上家では、それぞれの名前に「べえ」をつけて呼び合っていた。
姉は初子だから初べえ、著者は照べえ。母べえとは母親のことで
ある。

昭和12年、ある冬の朝。父が特高に連行される。家族はまだ眠っ
ている時間だった。跳ね起きた父の足の白さが未だに忘れられない
と著者は言う。

父が逮捕、拘禁されたのは治安維持法によるものである。

外国の書籍をたくさん持っていたことは文中から伺える。共産主
義者だったということなのだろうか。

とにかく、思想の自由が保障されている現代ではありえない罪の
ために、野上家では父親のいない生活が始まる。

父と母は頻繁に手紙を交換している。

家族を気遣い、本を差し入れてほしいと書く父。しかし本を差し
入れにいっても、書き込みなどがあると警察がつき返してくる。

仕方がないので、家族総出で書き込みを消しごむで消す。

同居している叔母さんの恋人が手伝ってくれるのだが、
「俺の目はみなさんのような節穴と違うからね。レンズが良いの」
などと冗談をいい、なんだかほのぼのした雰囲気である。

大人にとっては陰鬱な思い出なのかもしれないけど、これ、語り手
が子供というのがとてもいいんだよね。

また、著者の末っ子らしいおっとりした性格も、この物語がホーム
ドラマとして読まれるのに一役買っていると思う。

戦争が激しくなり、父からの手紙はところどころ検閲で抹消されて
いる(多分墨で塗られているということだと思う)。

それでも、著者は父に手紙を書く。「みんなが父ちゃんが帰るのを
首を長くして待ってるからね」。

そして、手紙を出してきた帰り、一通の電報を受け取る。
「ノガミイワオ ケサ シキュウ シス」



ネタばれを覚悟でいうと、実際には父は亡くなっていないそうだ。
作品を応募する際に、多少のフィクションは可となっていたので、
ドラマチックなラストにしたようだ。

これを不服とする意見がアマゾンのレビューに載っていた。同意す
る部分もあるが、私はそれでも、死ななくてよかったと思った。

長い文章ではないのですぐに読める。本編もさることながら、山田
監督の寄せた文章がいい。これだけでも読む価値ありの一冊。







本日ご紹介の本はこちらから↓
http://wadainohon.seesaa.net/article/99909348.html

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

悩みごとの悩ましいところは、それがなかなか頭から離れないこ
とだと思う。

悩んでもしょうがないのに、そのことばかりを考える。それでよ
けいに苦しくなる。また悩みが増えるばかり…。


そんな事態を打開できる、無料レポートのご紹介です。

とにかく中身が濃い!

・対人恐怖症の多くは、幻想を怖がっている 
・「できないことを、できるようにする」という目標設定は間違い
・解決する方法を考えるのではなく、解決像を想像してみる 


悩みの概念そのものをひっくり返してしまう、
「メンタルサポート幸せの泉」  

http://www.1mgkk.com/m/401206/chiumania.html 


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

☆お願いです☆
いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
まあ、なかなかおもしろいことやってるじゃないかと思ってくだ
さる方、
ぜひ、「まぐまぐ読者さんの本棚」にご推薦ください。

こちらから推薦できます。
http://www.mag2.com/wmag/osusume/toukou.html
IDは0000176248です。よろしくお願いします。

☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆

読んでいただいてありがとうございました。

このメルマガは「基本的に発刊1年以内」の新刊を紹介しています。
なるべく話題性の高いものを選びたいと思っていますが、
発行人の独断と偏見によるところも多々あります。
ご注意、ご感想、オススメの本などありましたらお気軽にメール
ください。
chiuchiumania@hotmail.com

それでは、今日があなたにとってすばらしい一日になりますように!

☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介。
発行者       モモ
ご連絡はこちらまで chiuchiumania@hotmail.com
バックナンバー(ブログです) http://wadainohon.seesaa.net/
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
:『yahoo!メルマガ』 http://merumaga.yahoo.co.jp/
まぐまぐの配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000176248.html 

☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆−−−☆


メルマガトップ(記事一覧)へ
| 最新号 |

このページのURL
友達にメールで教える
まぐまぐアーカイブ検索

Web Services by Yahoo! JAPAN

アート・文芸ランキングトップ
まぐまぐアーカイブトップ
sお問い合わせ
(C)まぐまぐ