2008.06.06
■第397回 皇帝自ら決戦場へ(前編)(チベット史入門その11)
■第397回 皇帝自ら決戦場へ(前編)(チベット史入門その11)
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台湾で中華民国の領域を示す地図を見ると、違和感を感じます。
それは、モンゴルが中華民国の領土となっているからです。
いまから300年以上前の出来事がその背景にあります。
第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html
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●モンゴル人、清朝の統治下に
ガルダンとの対決を決心した康熙帝は、まずモンゴルのハルハ部族の支持
が必要であると考えました。
1691年、康熙帝は清に亡命中のモンゴル・ハルハ部族のハーン、領主
たちを集めて大会議を開催しました。
開催地はドロン・ノールです。
ドロン・ノールは現在の内モンゴル自治区の多倫(ドロン)県です。
ここは、かつての元朝の初代皇帝・フビライ・ハーンが『上都城』を建設
した場所の近くです。
現在の北京はフビライ・ハーンが築いた『大都城』がもとになっています。
この大会議に出席したハルハ部族のハーン、領主たちは、康熙帝に忠誠を
誓いました。
これにより、康熙帝はモンゴルの主要部族であるハルハ部族を臣下とし、
モンゴルを清帝国の領土としました。
1911年、辛亥革命により清朝は滅亡し、中華民国が成立しました。
それと同時に、モンゴルは独立を宣言しました。
モンゴル人の考えでは「自分たちは清朝には忠誠を誓った、しかし、中華
民国に忠誠を尽くす理由はない」です。
現在でも台湾の中華民国は、モンゴル、チベットを自国の領土としていま
す。
中央政府の組織に『蒙蔵委員会』があります。
『蒙』は蒙古の略でモンゴルを、『蔵』は『西蔵』の略で漢語ではチベッ
トを意味します。
●敵を迎え撃つ
ガルダンの本拠地はアルタイ山脈の東にありました。
アルタイ山脈は、現在のモンゴル国と中国・新疆ウィグル自治区の国境に
あります。
北京からの直線距離は2000キロです。
こちらから攻めていける距離ではありません。
康熙帝は、ガルダンが攻めて来るのを待つことにしました。
そのためには、兵員を訓練し、武器を整え、食糧を備蓄しておかなければ
なりません。
ひたすら敵が来るのを待つ作戦です。
●ゴビ砂漠を越えて
5年後の1696年、ガルダンが動き始めました。
ガルダンはモンゴル高原を東に進み、ケルレン河のバヤン・ウラーンに到
達し、ここに本営を置きました。
バヤン・ウラーンは現在のモンゴル国東部にあり、北京からの直線距離は
900キロです。
ガルダンとの決戦のため、康熙帝は自ら遠征軍を率いて北京を出発しまし
た。
康熙帝は全軍を東路軍、中路軍、西路軍に分け、自らは中路軍を指揮しま
した。
北京とバヤン・ウラーンの間にはゴビ砂漠が広がっています。
進軍は困難をきわめました。
まず東路軍が脱落しました。
各軍は満洲族、モンゴル族の騎兵、漢族の歩兵で構成されています。
もっとも進軍速度の遅い漢族の歩兵に全軍の進軍速度をあわせなければな
りません。
さらに、食糧を始めとする軍需物資の輸送も困難でした。
そのため、食事は一日一食に制限されました。
康熙帝も一日一食を守りました。
このような苦難の進軍を重ねて、中路軍はガルダンの本営地のケルレン河
に到達しました。
●敵の姿なし
しかし、ガルダン軍は既に撤退していました。
追撃したくても、中路軍の食糧がそれを許しませんでした。
帰途の行程の食糧さえ、十分ではなくなっていました。
もし、追撃してガルダン軍を捕捉できなければ、立ち往生してしまいます。
ガルダン軍を捕捉して撃破するという、康熙帝の大作戦は失敗するかと思
われました。
しかしながら、、、、、この後は次回に語ります。
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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第397回)(2008年06月06日号)
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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。
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