2008.06.25
■第405回 中国史のおさらい、『経済大国』宋(中国、裏切り者の列伝その5)
■第405回 中国史のおさらい、『経済大国』宋(中国、裏切り者の列伝その5)
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自分の隣に、はるかに強い相手がいたならば、皆様はどうしますか。
最後まで戦って滅亡するか、滅亡しないまでも相手に完全に従属しますか。
または、金や物で相手の歓心をかって、存続をはかりますか。
いずれを選ぶか、決断するのはあなたです。
第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html
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●太宗、全土を統一
976年、北宋の太祖は在位16年、50歳で死去しました。
太祖は五代十国の争乱時代の幕を閉じましたが、全中国の統一は完了して
いませんでした。
長江以南には呉越(ごえつ)が健在でした。
その呉越を滅ぼして統一を完成させた人物が、太祖の弟の趙匡義(ちょう
きょぎ)でした。
太祖には男子がいましたが、なぜか帝位は弟の趙匡義が継ぎました。
趙匡義は二代目皇帝であるため、太宗と呼ばれます。
この帝位相続の経緯から、趙匡義が太祖を暗殺したという説があります。
976年、太宗は呉越を滅ぼして統一を完成させました。
●遼との対決?
しかし、五代の後晋(こうしん)が遼朝(契丹)に割譲した『燕雲(えん
うん)十六州』は回復できませんでした。
『燕雲十六州』の回復が、今後の宋朝の外交目標のひとつとなりました。
この問題へのこだわりが、後に宋朝を苦境に陥れる原因となります。
遼朝は北方民族の契丹族が建てた王朝です。
精強な遊牧民である契丹族は、現在の中国東北部、内モンゴル自治区を領
土として、五代十国時代の中国にニラミを効かせていました。
宋の太宗が死去すると、次は真宗があとを継ぎました。
遼朝は内部での主導権争いのため、南方への進出ができませんでした。
しかし、10世紀末、その争いが終息すると、宋に対して強気に出てきま
した。
1004年、宋の首都・開封めざして、遼軍が南下を開始しました。
宋朝では、遼への対応で意見が分かれましたが、この時は主戦派の意見が
大勢を占めました。
皇帝の真宗自ら軍を率いて、黄河中流で宋軍は遼軍と対峙しました。
●平和を金で買う
しかし、宋朝には遼朝と徹底的に戦う軍事力はありませんでした。
軍人の専横を防止するための『文官支配(シビリアン・コントロール)』
が行き過ぎて、軍隊の活力を奪っていました。
また、遼朝にも宋の奥深くまで進撃する力はありませんでした。
双方が交渉を重ねた結果、宋は遼に銀20万両、絹20万匹を毎年贈ると
いう条約が締結されました。
その際、今後は宋は『兄』、遼は『弟』とされました。
この条約で、宋は名、またはメンツを、遼は実を取ったといえるでしょう。
これ以降の120年間、遼が滅亡する直前まで、この条約は遵守され、平
和が続きました。
宋は『金で平和を買った』といわれますが、これは賢明な選択でした。
もし、遼軍の侵攻を受けて、軍を動員し、迎撃したならば、銀20万両の
数倍の軍事費が必要です。
兵員の損失、侵攻を受けた地域の損害を考えれば、銀20万両など『安い
もの』でした。
●光と影
ともかくも北方を安定させた宋は、経済成長が可能になりました。
戦後の日本の『高度経済成長』と同じほどの成長です。
経済は平和でなければ、成長しません。
その経済成長に支えられて文化も目覚しく発展しました。
特に都市文化、大衆文化の発展は、これまでには見られなかった現象です。
首都・開封の政治都市であると同時に大商業都市としても繁栄しました。
しかし、その繁栄のかげでは、貧富の差が拡大していました。
繁栄が都市だけで農村には及んでいませんでした。
さらに、遼に対する膨大な『経済援助』が国家財政に大きな負担となって
きました。
この状況の打開のための改革が、宋朝の国家体制を揺るがす原因のひとつ
となりました。
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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第405回)(2008年06月25日号)
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