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歴史好きの素人が語る歴史


2008.07.16

■第414回 屈辱の平和(その3)(中国、裏切り者の列伝その14)


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■第414回 屈辱の平和(その3)(中国、裏切り者の列伝その14)

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  南宋の初代皇帝・高宗が待ち望んだ平和が回復しました。

 しかし、失ったものも多かったのです。

 それと引き換えに南宋は繁栄を享受しました。

 平和回復の原動力であった秦檜は、後世の人の批判を恐れ始めたようでし
た。

 自分が『民族の裏切り者』と呼ばれるようになることを自覚していたのか
も知れません。


 第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
            http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html

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●帰ってきた人

  1142年2月、北宋の滅亡以来15年間も対立してきた南宋と金が講和
を結びました。

 これにともない、金で死去した徽宗(きそう)の遺体と南宋皇帝・高宗の
生母の韋(い)氏が帰されてきました。

 いずれも高宗の希望でした。

 それを金は誠実に実行したのです。


●帰ってこなかった人

 しかし、高宗の妻の○(けい)氏、兄・欽宗は戻ってきませんでした。


 高宗は他の女性を皇后とせず、妻の帰りを待っていました。

 彼女は3年前、金の地で病死していました。


  兄の欽宗も帰ってきませんでした。

 この時、欽宗は金の本土で健在でした。

 弟の高宗が、金に対して兄を返さないでほしいと要望したのです。

 もし、兄が帰国したならば、弟の高宗は退位しなければなりません。

 兄弟の情愛よりも権力の論理が優先したのでしょう。

 兄の欽宗は帰国を待ちわびながら、これ以降の14年間を捕虜として、金
に抑留されました。

 1156年、欽宗は金の地で生涯を終えました。

 1127年、北宋の首都・開封の陥落から29年目でした。


●ともかくの平和

 ともかくも南宗は屈辱的ながら、金との平和共存の道を歩み始めました。

 その平和は13世紀後半、北方のモンゴルによって金が、続いて南宋が滅
ぼされるまで120年間のわたって続きました。

 平和の確保によって、経済が活性化し、それを背景としていsて文化が栄
えました。

 南宋の首都・臨安は北宋の首都・開封に劣らぬ繁栄を享受しました。

 120年という短期間ながら、繁栄を体験できたことは、南宋には幸せで
あったかも知れません。

 もし、南宋が金と軍事衝突を続けていた場合、南宋に勝ち目があったどう
かはわかりません。

 戦争という非生産的な事業に多くに財貨、人員を投入することによって、
南宋経済は回復不可能な打撃を受けたかも知れません。

 中華思想の漢民族には金への臣礼は受け入れがたいものがあったでしょう
が、南宋には賢明な選択であったといえるでしょう。


●歴史の審判を恐れる?

  1155年、この年に死去するまで秦檜は南宋の宰相として、最高権力を
握りました。

 秦檜は息子(養子)と孫を史官の職につかせています。

 史官とは、歴史史料を収集し、正史を編纂する役職です。

 決して陽の当たる晴れがましい役職ではありません。

 『宋史』秦檜伝では、宰相の子孫が史官という地味な役職についた例はな
いと記しています。

 おそらく、秦檜は後世の人から史書で避難されることが恐ろしかったので
しょう。


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第414回)(2008年07月16日号)
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