2008.10.06
■第449回 頻発する農民運動(その1)(台湾史入門その93)
■第449回 頻発する農民運動(その1)(台湾史入門その93)
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現在の台湾は高度工業国家ですが、一昔前は農業国家でした。
現在でも『台湾』と聞けば、『台湾バナナ』を思い浮かべる人が多いでし
ょう。
戦前、日本内地で消費されたバナナの多くは台湾産でした。
今回は、そのバナナから話が始まります。
第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html
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●バナナの思い出
日本の統治下で、台湾の農業、工業は非常な発展をとげましたが、発展と
いう『光』の裏側には『影』がありました。
当初、台湾総督府は産地仲買人と一定以上の面積を持つ生産者に『青果同
業組合』を組織させました。
生産、買い付け、販売に秩序を持たせようとしたのです。
大正時代になると、台湾から日本内地への移送が激増しました。
1912年(大正元年)は年間6000トンでしたが、1924年(大正
13年)には年間11万トンと増えています。
●昔もあった『天下り』
同年、『台湾青果株式会社』が設立されました。
現在も東京に同名の会社がありますが、まったく無関係です。
設立者は主に台湾総督府を退職した元官吏でした。
しかも、台湾総督府が支援するという、現在でいえば『天下り』です。
台湾総督府は、この会社のバナナの独占販売権を与えました。
そうなると、台湾人が主体である台湾各地の『青果同業組合』は販売を『
台湾青果株式会社』に委託せざるを得なくなりました。
建前では、この会社は販売の手数料だけが収入ですが、独占権を握ってい
るため、価格操作は思いのままです。
これは、現在の他の業界でも見られる現象です。
特に『青果同業組合』に加盟できない零細な生産者は、会社から買い叩き
の対象となっていました。
●83年前の『産直』
しかし、生産者はいつまでも会社のいいなりにはなっていませんでした。
1921年(大正10年)10月に発足した『台湾文化協会』は文化面だ
けでなく、農民の権利保護、生活向上にも目を向けていました。
『台湾文化協会』の啓蒙活動により、零細生産者は会社を経由しないで、
日本内地へ直接移送することを考えました。
現在の『産直方式』の始まりです。
1925年(大正14年)6月、その方式により2000籠(かご)のバ
ナナが台湾北部の港湾都市・基隆(キイルン)に集まりました。
しかし、台湾総督府はこれに『待った』をかけました。
『青果同業組合』に加盟していない生産者が台湾島外へ移送することは違
法であるとの判断を下したのです。
そして、移送を請け負う予定であった日本郵船、大阪商船にバナナの積荷
を禁止しました。
今回の『名案』は台湾総督府に拒否され、バナナ生産者は『台湾青果株式
会社』の『支配』に甘んじなけれなりませんでした。
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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第449回)(2008年10月06日号)
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