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ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化


2007.10.15

ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 No.059【相次ぐ物流業務提携の裏にあるもの】


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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.059 相次ぐ物流業務提携の裏にあるもの
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いつもお世話になっております。ロジスティクス・サポート&パートナーズです。
このたびは弊社セミナーへご参加いただき、誠にありがとうございました。
今回は3月決算の企業様にとりましては半期末、初の金曜日という、繁忙を
極める時期の開催ということで、ご無理おかけしましたことを心よりお詫び
申し上げます。
そのような中にもかかわらず、東京23名、大阪41名のご参加を頂きました。
改めて御礼申し上げます。
「物流現場生産性向上セミナー」は当初予定の10回を無事終了しましたので、
一旦本テーマでの取組みは終了とさせていただきます。
次年度以降も何らかの形で、皆さまと双方向でのこのようなコミュニケーション
ができるよう、企画してまいりますので今後ともご愛顧のほど、なにとぞよろしく
お願いいたします。

さて、今回は話題目白押しの中、物流共同化大賑わい、ということで一くくりに
してみました。皆さんもぜひご一考ください。

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<今週の気になるニュース>

1.オエノンHDグループ、酒類の受発注業務統合
  (出典:日経産業新聞9月21日)

オエノンホールディングスグループはグループ企業間の連携を強化する。
まず、年内をめどに焼酎や清酒を生産する参加企業の受発注業務を統合する。
販売では各社間で商品を融通し合い、品揃えを拡充する。すでに始めている
商品の共同配送など業務集約化の対象分野を拡大、コスト削減につなげる。
2003年に純粋持ち株会社体制に移行したオエノンは積極的な企業買収を
続けており、参加企業の協力体制の構築で経営効率を上げる。
(オエノンHDは合同酒精、福徳長酒類、冨久娘酒造など13社の企業を有する
ホールディンググループ http://www.oenon.jp/index.html )

2.日経、朝日、読売が業務提携(出典:日経本紙10月2日1面)

日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社は10月1日、インター
ネット上の共同事業を核とする業務提携を進めていくことで合意したと発表
した。全国紙3社の業務提携は初めて。記事の読み比べなど、単独ではでき
ないサービスを来年度に始め、各新聞者の情報発信力を競う。
新聞配達網の維持、強化でも提携。災害時の相互援助協定も来年3月まで
に結ぶ。


3.日通”お荷物”預け 国際物流集中
  (出典:日経産業新聞10月9日最終面記事)

・・・日通は宅配サービスの維持にこだわりを見せたが、市場の伸びが1%と
成長力が鈍る中で、採算に照らせばいわば”お荷物”となるビジネス。
日本郵政主導の新会社に預けることで国際物流や企業物流の一括受託と
いった成長分野に投資できる。中国やインドなど新興市場での配送網充実、
欧米の物流大手の攻勢が激しい国際小口貨物などが強化の対象だ。・・・
両社は今回、包括提携に合意した。だが、宅配便以外の領域でどこまで踏み
込めるかはそれぞれの事情に大きく左右されそうだ。

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☆いよいよロジスティクスも経営課題に

本来であればここに松下がプロロジスに拠点を一括譲渡、という話が載っても
ぜんぜんおかしくないのですが、今回は共同化をテーマにしていますので、
あえて外しました。でもプロロジスって、すでに日本の高機能型倉庫の34%を
保有しているそうなのです。完全に勝負あった感じですね。
倉庫業もとうとう淘汰集約が加速しそうです。代替わりを機にだいぶ風景が
変わることでしょう。時期としてはここ2〜3年の間です。

話題からそれました。本題に移ります。
今回は3つの記事をピックアップしましたが、共通する点があります。いずれも
「国内市場を主な顧客とする」ことと、「市場が縮小している」という点です。
新聞しかり、酒しかり、そして郵便という形のサービスもしかりです。
物流はコストだなんて言わないで、と私も言いたいのですが、売上が見る見る
うちに減っていく市場の中では相当な重しになります。特に毎日配送など、サー
ビスレベルが極限まで到達した領域では、整理統合しか道はおそらく無い
でしょう。
このような市場では、物流は差別化要素ではなく、生存装置として機能するの
です。

物流サービスがなくなれば既存顧客がいなくなる。
新規顧客が今後縮小に勝る勢いになる見込みはない。

となれば、統合することは時代の流れといわざるを得ません。
経営を維持継続していくためのロジスティクス戦略が真に必要な時代になり
ました。
ここで生き残る企業は(1)売上高が多い、(2)物流システムが他に比べ
効率的、の2点のいずれかが突出していて、大半は(1)、(2)どちらも
持っています。
結局、何においても中途半端では、最後はお客様とのいつもの取引すら維持
することもできないのです。

☆本当に生きる道はないの?

しかしながら、私個人の意見から言えば、今回の英断も吉と出るかは正直
わかりません。それはここに上げた各業界(各企業ではありません。)の
商慣習というか、プライドというか、内向きな意識が変わらなければ、この
まま本業とともに淘汰されるのは間違いないと思っているからです。
ここから先は大いに私見ですので、その点をご了承の上お読み下さい。

(1)新聞業界の場合

新聞業界は深夜、早朝といった宅配や路線便が提供でき無い時間帯に定時
配送を行う、国内どころか世界でも稀有で高品質な物流サービスを持つ業界
です。しかも住み込みの配達員などを抱え、組織的に全国規模のブランドの
信用と品質を維持するという離れ業もやってのけます。
このようなインフラを使いたい異業種企業は枚挙にいとまがありません。
メール便などを新聞販売店各社がやれば絶対的、圧倒的な強さを発揮する
でしょう。

しかし、この新聞販売店は絶対に外販の荷物を取ろうとはしません。理由は
「業界のお達しで、新聞以外のものを運んではいけないといわれている」との
こと。確かに運送業の許可を持っていないので、法的にも他の荷物を運んで
はいけないのでしょうが、これだけのインフラをもちながら、1部100数十円の
新聞を実質1日3時間程度の配送稼動で働く人の口をまかなうなど、相当に重い
負担であるはずです。
この分野を開放し、運送業免許を取得させ、新規参入や外販荷物の獲得に
向けさせれば、すごい市場が浮かび上がることは間違いありません。
私は勝手に「After5、Before9市場」と名づけています。

(2)酒販業界の場合

酒類のデリバリーも現場は悲惨なものです。酒類はメーカーとつながる1次卸
と、顧客とつながる2次卸と、ふたつの機能があるのですが、これがなぜ分か
れたのかというと、単になりゆきでなった、としか思えない状況なのです。
誰もが現場を見てみないふりをしているとしか思えません。
特に飲食店向けの販売である業販は、受注行為も「いつもの頼むな」のレベル
で通じることが未だ仲間内でよしとされています。そして店の売上向上に貢献
するべく、ドライバーが提案し、代金回収もし、といった真の御用聞きのレベル
から脱していません。システムではないのです。

業販についてはすでに物流業が受け持つことは激減しつつあり、現在のプレ
イヤーは酒類卸、メーカー、飲食店の物流子会社に移行してきています。
酒類の流通は商流からは離れられないのです。
この弊害は、日本にあまたある中小零細の酒造元に直接に及びます。事実上
彼らの物流はヤマト運輸を初めとする宅配しかありません。
流通効率化は色つきの大資本の元でしかなしえず、消費者の選択肢は今後も
どんどん狭まるでしょう。

もっと戦略的に、例えば繁華街では24時間業販酒類店を共同で出店しデリ
バリーするとか、受注についても携帯電話で注文できるようにするとか、個の
レベルでの技術革新によってぐっと効率化するはずなのに、と感じてしまい
ます。

(3)郵政の場合

そして郵政。すばらしい人材と設備、ネットワークを有していながら、3PL
の進出は足踏み状態です。これは官業であったことと密接にかかわっているの
ですが、官業のころは物流業では当たり前の同業他社との業務連携に非常に
制約があったようで、例えば営業紹介などしても当然紹介料などは払いませんし、
同業者の下請けになることは、基本的にはありません。
3PLは多彩なサービスメニューを要求されるがゆえに、柔軟な業務連携や
経営判断による適時投資などが必要なのに、政府は2年近くにわたる「飼い
殺し」をしました。これによって郵政の物流機能は大きく魅力をそこねました。
実質あの図体を「郵便」と「ゆうパック」だけで支えたのです。それはそれで
すごいですが、従業員が不憫でなりません。

日通が入ることで、経営の柔軟性や選択肢が増し、本来の力が出ることを
期待しています。日通は「日本最大の不動産屋」との呼び声も高い、日本一
アセットとネットワークを持つ企業です。これまで苦渋をなめてきた、保管
配送一体のサービス展開での経営陣の英断を期待します。

☆もっとオープンに行きませんか?

各業界は物流業務にまつわる、このような課題を抱えているように私には見える
のです。当事者は気づいていないかもしれません。
しかし、もっと真剣に、主体的に生きていこうとするならば、現有の仕組みを
蘇生させるすべはたくさんあったはずです。
新聞宅配などは自分たちがマスコミですから、日本の仕組みはすばらしい、と
自賛していますが、現場で働く人の努力を「やってあたりまえ」ぐらいの気持ち
で手かせ足かせをはめたまま効率化をしようとするならば、大事なお客様を
失うことになりかねないことをぜひ感じていただきたいと思うのです。

結局時代や時の為政者の思いで、市場は伸びたりなくなったりするのでしょう
が、今立て続けに起こった提携の流れにはこのような背景もあることを少し
でも多くの人に知ってほしいと思います。

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