ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 |
2007.12.12
ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 No.063【拠点集約は儲からない?】
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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.063 拠点集約は儲からない?各社減収減益
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あっという間に年末です。
今年はここ数年来の中でもかなり冷え込んだ年末になりそうです。
まだ早いのでしょうが忘年会の出足も遅めのようですし、企業の業績について
も原油高、原料高から派生してあらゆる料金の値上げラッシュです。
おまけに人手不足もたたり、ある物流会社の社長さんは「ドライバー一人雇う
のに、採用経費だけで一人頭50万円を超える。銀座だったらたいがいのところ
のママさんを指名できるぞ。」とおっしゃっているそうで。
いつかはこのような逆風も止むのでしょうが、それでも自分に当たる風は強く、
冷たい。
今回はこのような時期に物流改革をした企業の状況についてお伝えしたいと
思います。どうぞ。
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<今週の気になるニュース>
トーハン/桶川SCMセンター移転費用ピークで減益
トーハンの平成19年度中間決算は、販売費と一般管理費は、前年比99.5%と
売上伸長率を4.3ポイント上回りました。当期は、桶川への完全移行に伴い
重複した経費の発生、減価償却費の増加など桶川関連の経費負担がピーク
の期となり、経費が大幅に増えた要因となった。
(2007年12月03日 LNEWS http://www.lnews.jp/2007/12/25675.html )
菱食/12月期第3四半期、物流センター・物流コスト上昇で、1億44百万円純損失
(株)菱食の平成19年12月期第3四半期の連結経営成績について、「食のフル
ライン戦略」の推進により「価値ある卸機能の拡充」に努力を続け、あわせて
「ローコスト経営の徹底」の継続により、業績の向上に努めた。
売上高は、取組強化を進めているスーパーマーケット業態などの取引増加に
より、前年同期比3.8%増加の1兆263億21百万円。
しかし、前年と今年稼働した物流センターに伴うコスト増に、原油価格高騰など
物流コスト上昇要因が加わり、販管費が大きく増加し、さらに新規事業
(チルド事業他)の先行費用も嵩み、営業利益は前年同期比64.8%減少の
5億23百万円、経常利益も前年同期比43.4%減少の11億50百万円となった。
(2007年11月06日 LNEWS http://www.lnews.jp/2007/11/25281.html )
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☆最先端をいく企業の変調
企業の物流改革は結構流行りすたりがあるもので、日々のニュースを見ている
と、次にどんな企業がどのような手を打つかが見えてくる時があります。
2〜3年前から始まった卸・商社の吸収・合併、M&A、業務提携などはその典型
で、「次はどこだろうね」と日常会話に出てくるほど頻繁にくっついたり離れたり
を繰り返してきました。
そして多くの業界において卸は巨大化し、陣取り合戦は熾烈を極めました。
その結果として多くの拠点が集約され、最新鋭のマテハンと情報システムを装備
した企業が続々と決算に「物流改革の効果が期待できる!」と大書きして決算を
迎えたものです。
ところが、最近の1/4半期、中間期決算を見ると、びっくりするほど多くの
企業が「物流コスト増による大幅減益」ということになっています。
拠点移転は基本的にものすごい費用がかかるもので、減収になることはある程
度想定の範囲内なのですが、これほどまでに様々な業界で続くと、単に移転コス
トが膨れた、とかいう一時的な話ではなく、根本的に間違った方向に進んでいる
のでは?と感じることが多くなってきているのです。
なぜこのような現象が起こるのでしょう?また、この現象は一時的なものなので
しょうか。
☆高度化するほど脆弱になる物流センター
現在の物流センターは機能的に非常に高度になっています。
昔であれば物流センターというとDC(在庫型)にせよTC(通過型)にせよ、単
機能のものが多く、確かに近代的ではないにせよ、そこそこ効率的な現場は
いくつもありました。
しかし、現在は在庫機能と通過機能を備えたDCTCや、流通加工も一貫工程
で行うDCPC(プロセッシングセンター:流通加工型センター)など、複合した
機能を1箇所で行うケースが多くなってきました。
現在の高機能型倉庫の大半はこのスタイルになっています。
ところが、このような高機能の倉庫ほど、コスト高でうまく機能しないケースが
多くなってきているのです。
私たちが実際にこのような高機能型センターを調査したところ、高機能なら
ではの脆弱さを目の当たりにして、驚きを隠せませんでした。
このような高機能なセンターは一見すると物理的にはどの工程でも安定した
生産性が出ているように見えるのですが、細かく検証すると、流通させる商品
アイテムがちょっと変わる程度でもぐっと生産性が落ちるのです。
しかも拠点を集約して物量が増えているので、ほんのちょっとした差でも物量
の多さから全体として無視できない額のコスト差が出てきます。
実際に動き始めた後のコントロールはかなり困難を極めます。
百戦錬磨の卸さんでもやはり相当難しいようで、多くの企業が想定よりも
コストが膨らむという現象が発生しています。
これを整理するには、私どもの経験から原因究明から解決まで6ケ月以上は
かかることが多いです。
☆物流高度化は商流の高度化も促せるか
これまでは物流改革といえば「在庫ゼロ、拠点は集約」というのが一つの
トレンドでしたが、単純なる自社内改革と違い、M&Aや吸収合併の流れの
中が大きくなる中で、この「改革の計算式」はそれほど簡単ではないようです。
特に現在の物流高度化は、主に「庫内の」「情報連携の」高度化と言い切って
もいいぐらい、やることは偏ってきている傾向があり、現在のように配送料が
高騰したりすると一気にコストアップに向かう傾向があります。
これらを防ぐためには、ありていですがやはりサプライチェーン(調達・物流・
営業・販売)間の相互理解と、それぞれのプロセスの体力強化が必須課題と
なってきます。
拠点集約でコスト増となった企業は、これを機に調達、営業・販売との連携
状況を確認してみてはいかがでしょうか。
特に卸売業・商社に限って言えば、営業が強くて勝ち組に上り詰めた企業が
多いので、調達部門に課題を持つ会社が多く、「商物分離」よりも「調達・
営業の分離」を進めることで状況が改善する企業が多いようです。
直近の課題として原料高や素材高、配送料高にあえぐ企業が多いですが、
その場合は調達部門で交渉して、調達ロットを引き上げるとか、在庫をあえて
持つなどの対応で、価格柔軟性を持つことができる余地がまだあります。
これは物流現場では出てこない発想なので、ぜひ一度検討してはいかがで
しょうか。
そうすればこれ以上下げようがない配送料改定交渉で無駄な時間を費やさず
にすみます。
物流高度化に呼応した、商流の高度化を期待しております。
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