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著作権判例速報


2008.02.19

[まぐまぐ]著作権判例速報(最高裁判所ウェブサイトより)


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 著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃
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こんにちは!行政書士の大塚大です。

最新著作権判例について速報版でお伝えします。

*詳細はブログをご覧下さい。
 http://ootsuka.livedoor.biz/

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「ゴーストライター共同著作物」事件


★東京地裁平成20年02月15日平成18(ワ)15359
損害賠償等請求事件PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080218161531.pdf


■事案

自叙伝出版にあたりゴーストライター(構成担当者)との
書籍の共同著作物性が争われた事案です


原告:執筆家
被告:医療人B、出版社


■結論

請求一部認容


■争点

条文 著作権法第2条1項12号、21条、27条、19条、20条

1 書籍の共同著作物性
2 著作権の持分割合
3 著作権侵害性
4 著作者人格権侵害性
(以下、略)
5 差止め及び廃棄の必要性
6 損害論
7 謝罪広告の要否


■判決内容

<経緯>

H14     被告Bが原告に「運命の顔」執筆を依頼し原告が了承
H14.12   草思社が原告に執筆を依頼
H15.10.30 「運命の顔」を草思社で刊行
H16.11.30 「さわってごらん、ぼくの顔」を児童書専門出版社の
      被告汐文社で刊行


<争点>

1 書籍の共同著作物性

被告は、「運命の顔」が被告の自叙伝であり、原告はたんなる
被告の口述表現の代筆者にすぎず、著作者ではないとして、
「運命の顔」書籍の共同著作物性について反論しました。

ところで、原告は、「運命の顔」執筆にあたり被告本人への
インタビューや周辺取材など、いわゆる構成作業を行った上で
第1原稿を作成しました。
被告はこの第1原稿に対して加筆や削除等の指摘をし、それに
沿った修正を原告が行うということを引き続く第2原稿、
第3原稿でも繰り返し、原告が推敲を重ねた上で最終原稿を
完成させています。

こうした「運命の顔」執筆の経緯をふまえ、裁判所は、
「運命の顔」書籍の原告と被告による共同著作物性を
肯定しています。
(17頁以下)


2 著作権の持分割合

共同著作物の著作権の持分割合については、書籍の印税割合が
原告:被告が65:35と合意により取決められていたことから、
その割合で持分割合も認定されています。
(18頁以下)


3 著作権侵害性

被告らが刊行した「さわってごらん、ぼくの顔」と「運命の顔」
の対比の結果、「さわってごらん、ぼくの顔」において
「運命の顔」の文章の内容及び形式を覚知させるものであり(複製)、
少なくとも表現形式の本質的な特徴を直接感得することができる
ものである(翻案)として両書の類似性が肯定されいます。

また、依拠性についても、「さわってごらん、ぼくの顔」本文や
末尾のプロフィールに「運命の顔」書籍が紹介されていることや
「さわってごらん、ぼくの顔」が「運命の顔」の子ども向け書籍
としての位置づけであったことなどから肯定されています。
(19頁以下)

結論として、被告と被告出版社の共同不法行為が
認められています。


4 著作者人格権侵害性

原告に無断で改変が加えられていること、また原告の氏名が
表示されていなかったことから、同一性保持権および氏名表示権
(20条、19条)の侵害性が肯定されています。
(20頁以下)


■コメント

2003年に刊行された「運命の顔」は草思社によるものですが、
草思社は2008年1月9日に民事再生法の適用を申請、負債総額
22億円余りで事実上倒産しています。

こうした背景もあって草思社での出版が叶わなかったのか、
子ども向けバージョンは児童書を専門とする被告出版社が適任と
判断したのかその辺の背景事情がよくわかりませんが、
出版社を代えての「さわってごらん、ぼくの顔」刊行は、
構成担当者を無視した取扱いをしたことで今後、いずれの書籍も
場合によっては出版(重版)できないという最悪の結果と
なりました。

被告は、原告との執筆契約は「ゴーストライター契約」(6頁)
にすぎずゴーストライターは著作者としての地位には立たないと
主張していますが、それなら執筆報酬を編プロと清算する場合の
ように一括で支払うところですが、そうはせずに印税方式で
支払っている以上、重版や翻案のような場面ならちゃんと
払わないとゴーストライターも間尺に合いません。


■参考サイト

被告サイト
オフィシャルサイト
http://www.fujiiteruaki.jp/index.html

Matimulog(08/02/18)
jugement:「運命の顔」著作権侵害事件
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2008/02/jugement_577f.html


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執筆者:行政書士 大塚 大(おおつか だい)

大塚法務行政書士事務所
〒154-0012
東京都世田谷区駒沢5-12-7
TEL:03-3703-7076
FAX: 03-3703-5809
Skype:大塚法務行政書士事務所(表示名)
E-mail:houmu@pc.nifty.jp
HP:http://ootsuka-houmu.com
Blog:駒沢公園行政書士事務所日記
http://ootsuka.livedoor.biz/

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