2008.03.29
[まぐまぐ]著作権判例速報(最高裁判所ウェブサイトより)
著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃
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こんにちは!行政書士の大塚大です。
最新著作権判例について速報版でお伝えします。
*詳細はブログをご覧下さい。
http://ootsuka.livedoor.biz/
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ヴォンダッチ二重譲渡事件(控訴審)
★知財高裁平成20.3.27平成19(ネ)10095
著作権譲渡登録抹消請求控訴事件PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080328114527.pdf
■事案
ヴォンダッチ(フォン・ダッチ/Von Dutch ケネス・ハワード)の
著作物の著作権譲渡の際の二重譲渡と対抗要件充足性が争点と
なった事案の控訴審判決です。
原告(控訴人) :被服等製造販売会社(アメリカ法人)
被告(被控訴人):被服等輸入販売者(韓国法人代表取締役)
■結論
原判決一部変更
■争点
条文 著作権法第77条
1 被告が原告への本件著作権の移転につき対抗要件の欠缺を
主張し得る法律上の利害関係を有する第三者であるか否か
2 真正な登録名義の回復を原因とする登録手続請求の可否
■判決内容
<争点>
1被告が原告への本件著作権の移転につき対抗要件の欠缺を
主張し得る法律上の利害関係を有する第三者であるか否か
(1)被告の著作権譲渡契約の成否
著作権の二重譲渡状況において、契約関係としては
時間的には原告に劣後する被告人が、著作権の登録
については原告よりも先に受けていた本事案でしたが、
原審では原告と被告は対抗関係に立つものとして、
先に登録を受けていた被告が原告に優先するものと
判断されていました。
しかし、控訴審では、被告の著作権譲渡契約自体が
不成立、あるいは虚偽表示無効(民法94条1項)と
判断されて、原告と被告は著作権の二重譲渡の関係に
そもそも立たないものとされました。
(23頁以下)
(2)被告は背信的悪意者にあたるか
なお、「念のため、」として原告と被告が著作権の
二重譲渡の関係にあったと仮定した場合に、被告が
背信的悪意者に該当するかどうかも検討されています。
この点について、裁判所は、被告による著作権取得の
際の対価の支払がないこと、譲渡の意思が認められない
ことや原告取引先に高額な対価での売却を提案している
点などから、被告は背信的悪意者に該当すると判断され
ています。
(31頁)
結論として、被告は、原告への本件著作権の移転に
つき対抗要件の欠缺を主張し得る法律上の利害関係
を有する第三者ではないこととなりました。
2真正な登録名義の回復を原因とする登録手続請求の可否
原告は、主位的に本件著作物について原告に対する
真正な登録名義の回復を原因とする著作権譲渡登録
手続をすることを求め、予備的に本件譲渡登録の
抹消登録手続をすることを求めていましたが、
踏み込んだ争点とはなっていません。
(15頁)
■コメント
一審(請求棄却)とは反対に、原告の実質勝訴と
なりました。
一審では、著作権の二重譲渡を前提に、
対抗問題(著作権法77条)として処理されて
いましたが、控訴審ではそもそも対抗問題に
ならないこと、仮になったとしても、
被告は背信的悪意者として保護されないとして、
原告の著作権の確認、著作権譲渡登録の
抹消手続請求が認められました。
一審と控訴審の判断を比べてみると、
控訴審ではカネの流れなどをより詳細に検討
した上で(23頁以下)、被告の譲渡契約が
譲渡の実質を伴わないものであると判断して
いることがわかります。
■過去のブログ記事
ヴォンダッチ二重譲渡事件(原審)
http://ootsuka.livedoor.biz/archives/51248604.html
■参考文献
足立謙三「著作権の移転と登録」
『裁判実務大系27』(1997)260頁以下
*本事案とは逸れますが、著作権の登録に関連して、
岡邦俊「著作権の登録と第三者-「あゝ玉杯に花うけて」事件」
『著作権判例百選』(1987)150頁以下
塩澤一洋「著作者以外の者による著作者実名登録抹消請求の可否」
『著作権研究』25号(1999)191頁以下
同 「実名登録抹消請求-フジサンケイグループ事件」
『著作権判例百選第三版』(2001)190頁以下
菱沼剛「著作権の登録による権利の帰属に関わる一応の推定」
『知的財産法政策学研究』14号(2007)257頁以下
■参考判例
実名登録抹消請求について
智恵子抄事件(一審)
東京地裁昭和63.12.23昭和41(ワ)12563PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/B9BECC678D73CB2C49256A76002F8AEB.pdf
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執筆者:行政書士 大塚 大(おおつか だい)
大塚法務行政書士事務所
〒154-0012
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TEL:03-3703-7076
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Blog:駒沢公園行政書士事務所日記
http://ootsuka.livedoor.biz/
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