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だれでもハズレは観たくない〜幅広く新旧映画紹介〜


2008.04.16

週刊『だれでもハズレは観たくない』第88号


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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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◇ 週刊「だれでもハズレは観たくない〜幅広く新旧映画紹介〜」 
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◇              第88号 2008.4.16               
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◇              主宰 slow             
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●はじめに●

ここ最近の世の中の流れ。
テレビの世界で思うこと。
時代はいま、「お笑い」と「雑学」に支配されている。
来る日も来る日もこの2大ジャンルのオンパレード。
テレ朝は刑事モノ・サスペンスモノばかり。
政治は法案にからんだごたごたばかり。
そうこうしてるうちにオリンピックがやってくる。
そんな2008年。


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『犯人に告ぐ』(好評レンタル中)


ベストセラー小説の映像化。
主演は豊川悦司。神奈川県警の刑事である巻島は、児童誘拐事件の
捜査でミスを犯し、左遷される。事件は未解決のまま
6年が経ち、新たな連続児童殺害事件が発生する。
通称「BADMAN事件」。
その指揮官を指名された巻島は、テレビカメラの前で、犯人へのメッセージを
口にする。「犯人に告ぐ――」

物語序盤から、緊迫した捜査シーンが続きますが、
犯人の意図が不明な上に、捜査員たちの焦りが重なり、事件は最悪な
結果へとつながっていきます。
なんともいたましい。
現実の世界でも、無差別殺人がさまざまな地域で起こっています。
犯人たちにいえるのは、動機の不透明さ。
生い立ちや性格や家庭環境や、結果からみればその動機はどうにでも
こじつけることができますが、それはあくまで評論家や第3者の目を通してのもの。
実際には、犯人にそこまでの考えや意図はなく、
ただなんとなく人を殺す、という、常人では全くもって理解しがたい
理由でいとも簡単にひとの命を奪うのです。

この物語は、そんな「みえない」事件に向き合う刑事たちの苦悩が見事に描かれます。
トヨエツの、無表情の中にわずかに哀愁を帯びた目の光。
仕事と家族、組織と個人、追うものと追われるもの、
極と極の狭間に生きて、ひたすら消耗していくさまが伝わってきます。

そしてもう一つのテーマというか大きな見所となるのが、
警察という巨大組織内での覇権争い。
石橋凌演じる本部長、巻島の上司の2世エリート。
彼らの生々しい欲望と権力への「飢え」。
一つの物語の中で、警察幹部たちの「リアルな闇」と、犯人たちの「闇」と、
2つの闇が描かれるのです。
ここにこのストーリーの妙味を感じました。
事件解決後の記者会見シーン。
途切れることなくカメラのフラッシュを浴びる人間と、
その幕袖でにやりと笑う人間と。
テレビ局の人間たちの狡猾さとならんで、この最後の展開が秀逸でした。

犯人探しでなく、警察という組織の内幕を見るつもりでご覧ください。




週刊『だれでもハズレは観たくない』
主宰 slow


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