2008.04.10
【家づくりの“プラス”ワンポイント】第84号:長寿医療制度という呼称変更のウラ側
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┃┃ ┃第84号┃
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■ 長寿医療制度という呼称変更のウラ側 ■
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福田康夫首相は1日の閣僚懇談会で、この日から始まった75歳以上の方
全員が加入する後期高齢者医療制度について、
「周知不足。ネーミングもよくない」と指摘し、通称を「長寿医療制度」と
するよう舛添要一厚生労働相に指示したそうです。。。
政府は06年の医療制度改革で、65〜74歳を前期高齢者、75歳以上を
後期高齢者と位置づけ新制度の名称も「後期高齢者医療制度」としていました。
3月20日には「後期高齢者医療制度のお知らせ」と題した3600万部の
政府広報を各戸配布したが、年配の人を中心に「勝手に線引きされ失礼だ」
「末期と言われた気がする」といった批判が続出していたそうです。
住宅ローンを払い続けている最中は、いやがおうにも仕事を続けなければ
ならず、さて、晩年になってやっと払い終わったと思ったら、今度は
「長寿医療制度」による医療費負担増。
意外なことに、この医療制度の中身が、この制度に該当する方々にとって
実にわかりにくいということは、「後期高齢者医療制度」というネーミング
が「長寿医療制度」にとって変わるという首相指示に対するマスメディアの
取り上げ方に如実にあらわれています。
かいつまんで解説すると、この制度は75歳以上の国民が加入を義務付けられる
ほか、生活保護世帯を除き、子どもの扶養家族となっている人や寝たきり等で
障害認定を受けた65歳〜74歳も対象となるそうです。
これまでは被扶養者として保険料を払っていなかった人も制度の対象となった
時点で、75歳以上なら後期高齢者医療、74歳以下なら国民健康保険等に加入し
保険料を支払うことになります。
保険料は介護保険料とともに、毎月の年金が一定額以上あれば天引きされ、
医療内容も病名によって1か月の医療費が決められる「包括制」に。
窓口負担は原則として掛かった医療費の1割ですが、現役並みの所得があれば
3割負担となるそうです。
保険料を滞納すると、国保と同様に保険証が取り上げられ「資格証明書」が
発行されるなどの制裁があるそうです。
しかも、この税源は1割が高齢者自身による負担で、公費が5割。
残りの4割を国保や、健保組合などが「後期高齢者支援金」として拠出する
仕組み(ここがポイント)なのです。
この「支援金」は、組合加入員の年齢にかかわらず頭割りで計算されるため、
加入者の平均年齢が若い組合ほど、今回の制度変更で大きな負担を受けること
になってしまいます。
要は亡くなるまで健康保険料を払い続けなければならない、ということと
若手の働き盛りにも、とてつもないしわ寄せが来るということなのです。
この負担が顕著なのが、派遣社員などが加入する「人材派遣健康保険組合」。
同組合では、保険料率を現行の6.1%から7.6%に引き上げるそうです。
引き上げ幅としては1.5%でも、同組合では「増加率にすると約25%の大幅増加」
になってしまうそうです。
この点をふまえ、家づくりに関わるものとして、これから真剣に考えなければ
ならないことが、よりいっそう深くなります。
まず、家のなかの段差のバリアフリー化は、新築住宅であれば、ほぼ定着した
様子も見受けられ、既存住宅も少しづつではありますが進んでいるようです。
しかし、ヒートショックという家の中の温度差による家庭内事故を防ぐうえで
もっとも大切な、各部屋単位の「温度のバリアフリー」対策については、断熱
に対する社会的認知不足や、「高気密高断熱」というコトバのもつ「暑苦しさ」
によって、肝心の長寿を迎える方々への認知と導入が非常に難しいという事実
があります。
以前、いろいろな局面で私に直接ご指導を手向けていただいた、社会活動に
積極的に関わっていらっしゃった高齢者の方々が常々おっしゃっていた
「PPK(ピンピンコロリ)」(現在の高齢者のあり方としてコトバの通り)
を確実にすすめるには、医療制度改革の仕上げよりも、高齢になってから長い
時間を過ごすことになる住宅のあり方を真剣に議論すべきかと思えるのですが
200年住宅ビジョン(長期優良住宅促進法)のなかでは、このあたりの考え方
についてはどうもチグハグな印象を受けてしまいます。
住宅そのものの耐久性も大切なことですが、なにより大切なことは、屋内の
温度と湿度。業界用語では「温熱環境」と呼びますが、この部分をないがしろ
にした200年住宅ビジョンはまさに「 画 龍 点 睛 を 欠 く 」ことだと
思えてならないのです。
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■ 編 集 後 記 ■
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異動になってから、ある夜、ひとりきりの本社の自分の部屋で考えていました。
あえて効率を考えない思考をしてみると、いったいどうなるんだろう?と。
家や車を買うときにせよ、仕事をするときにせよ、目的が明確であればある
ほど、知らず知らずのうちに受け身になっていることに気づいたのです。
言い方を変えれば、
「まず目的があって、それに自分をあわせていく」プロセスになるので
考える前に答えが出てしまっています。
すべてが効率的に進むことで、「気づき」を得るチャンスが少なくなると
すると、効率を考えない思考がもっともクリエティブ(気づき)を得る
チャンスになるとも言えるわけですね。
もちろん、クリエイティブは非効率の固まりではありません。
しかし、発想を興すときに効率を求めても空回りになってしまう可能性が
高いということです。
このことを「売り手」と「買い手」という切り口で考えてみます。
売り手の立場で考えると、「買い手の気持ちが固まるまで待つ」ことは
本当に辛いことですが、私は「売り手」である前に「買い手」でもあり
ます。
なかなかこのバランス取りが難しいところですが、ほんとうに必要なことだと
考えています。
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