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インドネシア雑感記


2008.04.25

インドネシア雑感記第2弾 Vol.11


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  インドネシア雑感記 第2弾 : 希多 いくと
     Vol.11  2008.4.25(毎週金曜夜配信)
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インドネシアの自然、土地、食べ物、生活、社会などを、エッセイ風の雑感記
として、メルマガにて紹介します。当国の理解に役立てれば幸いです。
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皆さん、こんばんは。
今日は《2.日本にて(東京にて)、から2.6.》をお送りします。


■2.6.イスラム教徒はハラルしか口にしない 2003.05.29

 料理店「バロン」のお客にはインドネシア人が意外と少ない。まあこれはも
っともなことで、在日インドネシア人は他のアジアの人たちに比べて、絶対人
数が少ないことによります。
 そして、それに輪をかけるのが、彼らの、といっても全員ではない、すなわ
ち敬虔なイスラム教徒の食事の規制が挙げられるでしょう。
 そもそも、イスラムの人たちはハラルHalalと呼ばれる食べ物しか口にでき
ないのです。

「ハラルって何だろう」とお思いの皆様に、簡単に説明しましょう。
 彼らが食用にする肉類は、その動物を屠殺する前に「○△□?□○△!」と
イスラムに則ったお祈りをしなければなりません。その儀式を終えた肉類が晴
れてハラルとなり、食べることができるのです。
 このお祈りは特別の人、例えばメッカに巡礼に行ったハジHajiとか聖職者な
ど、が行なうものではなく、イスラム教徒であれば誰でもいいようです。
 ハラルの肉類以外は口にしませんから、日本で流通している食べ物のほとん
どは彼らの要求を満たさないことになります。しかも、肉のエキスが入ってい
るだけでも駄目なのです。

 事実、アルバイトの男の子は大学生でありながら既にハジなのですが、彼は
店内で鶏肉・牛肉などには一切口を付けず、シーフード入りの野菜カレーしか
食べません。
 外食でほとんどの肉はだめですから、ハラルでなくてもよい「魚」が彼の食
事です。しかし、今の日本の食堂では魚定食、すなわち焼き魚や煮魚を置いて
いる所はかなり限定されるか、探すのに苦労するのが実情ですね。
 もちろん彼は学生ですから、料亭などには行けません。彼は毎週アメ横に行
ってハラル肉を買ってくるそうです。
 
 今の外食産業はファーストフードが大流行で、チェーン店の工場などで作っ
ておいたものを油で揚げたり、簡単に調理するものばかり。そしてそれらの多
くは肉を使用したものです。
 また、日本独特の刺身や寿司という食べ物も、なかなか彼らの食に合いませ
ん。ちいさい頃から刺身に慣れ親しんでいる日本人の味覚とは違い、原則とし
て火を通さないものは食べない、というのが彼らの食感覚です。
 実際に刺身や寿司を好きになることもあるでしょうが、普通の寿司屋は値が
張るので、学生では回転寿司に行くのが関の山でしょう。
 まとめると、イスラム教徒はハラルでないマグドナルドのハンバーガーやガ
ストのランチなどに手を出せないし、魚定食は探せないし、さらになま物もほ
とんど口にできないことになります。

 話はずいぶんと回り道をしていますが、かような理由で「バロン」ではイン
ドネシア人客が少なく、また料理を残していくということに、悲しいけれどな
ってしまいます。
 これは、彼らが店の肉をハラルと勘違いして注文した後、そうでないと知る
と全く口にしないことでも明白です。実際にハラルの肉は簡単に手に入らない
ので、どうしようもありません。

 したがって、インドネシア人に限らずイスラム教徒の食事は大変で、この広
い東京でも彼らを満足させ得るレストランはごく限られた、ほんの一握りくら
いしかないように思います。
 その点、郷に入れば郷に従え流の妻は、彼らからすればちょっと変わってい
る存在なのかもしれません。
 例の男の子は実は国費留学生ですが、ハラルの肉を買い込み寮でひたすら自
炊をしています。男なので料理のレパートリーは少なく、だいたい唐揚にする
かココナツミルク煮込みにしているとか。

 自国の人に満足してもらえないインドネシア料理店はちょっと淋しいな、と
感じる一方、ともかくも日本の人々にジャワ料理を知って欲しいですね。
 東ジャワ料理、これは数あるインドネシア料理の中でぼくが最も日本人に合
っていると確信しています。
 そのため、日本で手に入りにくい香辛料をスラバヤの妻の実家から、DHL
航空便で定期的に送るという手段も講じています。
 インドネシア、中でも東ジャワのエスニックな本場の味を、この地域の人々
に広く普及したいと願っています。


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【後記】

 ハラルという点ではバリ料理はいいですね。バリはヒンズー、豚肉もハラル
も関係なしですが、やはりそれはそれでイスラム教徒の足は遠のくのではない
でしょうか。

 さて、先週渋谷のバリ料理店での飲み会。味の方はまあ満足ですが、時間制
限付きのの飲み放題であまりゆっくりできませんでした。遠方の方もいるので
2時間規定もいいのですが、なんとなく落ち着きません。
 また、3千円を超えるコース料理にご飯・コーヒーが入っていないのはちょ
っと淋しく、次回は他の候補店も探したいですね。

 残念ながら「バロン」は閉店しましたが、いまだに「また食べたい」とお声
がかかると本当に恐縮してしまいます。
「バロン」はワルン風の街食堂でしたが、今回HPで見る限り都会の真ん中に
ある他の料理店の造りが豪勢なのには驚きました。
 とりあえず、ゆっくりお酒が飲めて落ち着ける、そしておいしいイ料理店を
早く見つけたいと思います。

 では、また来週をお楽しみに。

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