2008.09.05
インドネシア雑感記第2弾 Vol.22
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インドネシア雑感記 第2弾 : 希多 いくと
Vol.22 2008.9.5(毎週金曜夜配信)
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インドネシアの自然、土地、食べ物、生活、社会などを、エッセイ風の雑感記
として、メルマガにて紹介します。当国の理解に役立てれば幸いです。
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皆さん、こんばんは。
今日は《3.インドネシア・スマトラにて、から3.8.》バンカ島の印象の
続編です。
■3.8.バンカ・島紀行(2) 2003.11.23
バスがようやく姿を現したのは下船時刻より1時間遅れの10時50分頃。
しかもいまどき日本ではお目にかかれないようなおんぼろミニバスだ。これは
ほんとに先が思いやられるなあ…。
それにしても島内の道路は狭い。たぶん幹線道路から外れているのだろうが、
小さな町中の2車線道路から、1車線ほどの狭い道路になった。
このムントックMentokの北側に位置する山に登るらしい。その道は山の西側
にあるようだ。山の麓からは進む道が道路と呼べないほど狭くなり、その後お
んぼろバスは息せき切って山道を登り出した。
日本で言うと、普通のセダンではとても走れないような、またぼくが地質の
調査で山に行くとあるような、普通の車は走らないそんな狭い道である。
どう見ても軽自動車用の道幅しかないところを、おんぼろバスは力を振り絞
って登っていく。ローギヤでやっと登れるヘアピンカーブや急坂もそこそこあ
る。バスの唸り声がそこら中に響き渡る。
周りを見ているといやに丸みを帯びた巨礫が目につく。ひょっとしたらグラ
ニットGraniteかなと揺られながら思い続けていた。
グラニットとは花崗岩のこと、おそらく誰でも小学校あたりで一度は習い、
目にしていると思う。大きな鉱物の集まった白っぽくてとても堅い岩石だ。
この岩石は風化に弱く、マサと呼ばれる砂状になるが硬いところは巨礫状に
山肌に取り残されるのである。
ちょっと難しくなってしまったが、おんぼろバスは約15分の格闘の末40
0mほどの山頂にたどり着いた。
なんとそこにあるのは今夜みんなが宿泊するホテル。いやはや山頂にホテル
があるとは思ってもいなかったのでびっくりした。
対向車が来たらお互いにどちらにも動けないところにホテルとは…。その予
防策に上と下にゲートを設けているようだ。
このホテルは、その昔スカルノ大統領がゲストハウスとして利用していたと
か。その前のオランダ統治時代には、スカルノはここに1年ほど幽閉されてお
り、その時には周りが頑丈な鉄格子で覆われていたようだ。
スカルノの愛用した机、寝室、さらには乗用車まで展示されており、とにか
く2度ビックリする始末であった。
周りを散策すると、やはりこの山は花崗岩からできている。鉄塔のある標高
455mの山頂部にも花崗岩が露岩していた。
程なく昼食。山の斜面上にあるレストランでは、海から吹いてくる風が南国
の暑さの中でとても心地よい。
昼食後、おんぼろバスはツアー客を乗せて例の狭い山道を往復した。何しろ
ツアーは客をいろいろな所に連れて回るのがその役目なのだから、付いていか
ざるを得ない。
どでかい貝柄状の花崗岩、海の侵食でできたらしい。高さは3mもあろうか。
ともかくも巨大な貝殻、自然の造形美に脱帽するしかない。
それから中国風のお寺、350年ほど前に建てられた旧知事の館、さらには
来る時にジェットフォイルから見えた灯台など巡り歩いた。
灯台は結構高く170の階段があるという。ぼくは他の2、3人と共に昇る
のは遠慮した。
この灯台のある海岸には、戦時中に沈められたオーストラリアの小さな軍艦
の残骸がある。なんと日本軍がやっつけたという。こんな所に今でも、戦争の
名残が残っているのだ。
さてツアーの1日の行事も済み、夕刻に部屋に戻った。ツアーの値段からい
って当然ではあるが、ホテルは3流、いや4流どころで、長く利用されていな
かったのか、ベッドには羽虫の死骸がびっしり。
おまけに既に裸になったのにシャワーの水が出ないときている。脱いだ服を
また着て、文句を言いに行った。
ポンプの調子が悪かったようで、すぐに水は出たのだが、今度はシーツの交
換に従業員が部屋に入り込み、なかなか汗を流せない。
あーあ、溜息まじりの夕暮れ…。
夕食も済んで、部屋に戻る。4流どころにはテレビがない。しかし、テレビ
がないのも実にいいものだ。ぼくは大学時代にはテレビがなかったので、テレ
ビにはあまり固執しない方である。
テレビがあると自然付けてしまうのは弱き心理であろうか。テレビが良くな
いのは以前から言われていることだ。何しろ、一方通行で、押しつけがましい
番組ばかりが並ぶ。といって、何となく付けてしまう。テレビなんかなくたっ
て、本当はどうでも良い。
話は変わるが、海外で見る某局衛星放送は改善の必要があるのではないか。
なぜかと言えば、東南アジアの各国のメイン時間は日本時間のだいたい2時
間送れ。その時間に料理や健康などの番組が続く。海外で暮らす人が見る時間
帯などまるで無視しているようだ。
東南アジア方面には香港かシンガポールに支局を置き、東南アジア向けの独
自の番組を放送すべきだろう。
また、この局は平均給与を公開していない。公務員の給与がどこでも明快な
のに、徴収し続ける視聴料の内訳が判然としないのはおかしいと思う。
思わず横道に逸れてしまったが、ともかくテレビのない生活を時折送ってみ
る必要があるのではないか、とぼくは思う。
静かな夜、たまにはゆっくりと本を読み、家族のこと、友人のこと、自分の
こと、さらには仕事のこと、どう生きるべきか、などなど雑音ナシに考えるこ
とは山ほどある。
ここへ来るジェットフォイルの中でもこの原稿を書いたが、できれば静かな
ほうがいいに決まっている。色々なものを作りすぎ、そのサイクルも目まぐる
しく短くなる今の日本は、なにか間違っているのではないか。
静かな夜を取り戻したいのは、ぼくだけでないような気がする。
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【後記】
やっとこのごろ日本の晩夏を楽しんでいます。セミの鳴き声も喧しくなくな
りましたが、まだまだ30℃くらいの気温の中で「日本」を実感しています。
ただこれまでがウズベクのカラカラ気候に2ケ月間も慣れていたので、この
ジメジメさからは逃れたい気持ちが強いですね。
昨夜から手にしていた「Are You Happy?」(リチャード・H・モリタ著)と
いう素敵な本を先ほど読み終えました。本当の自分を取り戻す極めて実話に近
いフィクションで、過去・現在・将来のことをとても考えさせられる本です。
どこかの本屋か古書店で見つけたら手にとってみてください。
では、また来週をお楽しみに。
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